2016年11月10日

猫を飼う前に知っておこう。猫アレルギーの症状や対策法について解説します

猫アレルギーの人って意外と多いですよね。特に猫を飼い始めてから、猫アレルギー持ちだとわかった、なんて人も結構います。これから猫を飼おうと思っている人や、今猫アレルギーで悩んでいる人に向けて、猫アレルギーの対策法などをご紹介します。


こんにちは、獣医師の明石照秋です。

猫アレルギーの人は結構多いものです。私、猫アレルギーなんだ、って友人や知人が話しているのを聞いたことありませんか?
具体的な数はわかりませんが、現在およそ1割の人が猫アレルギーであるとも言われています。結構多いですよね。

猫はペットの中ではとても人気のある動物です。日本では、犬に次いで2番目に飼われているペットですね。猫はかわいいですし、飼育にそれほど手間もかかりませんから、ペットとして人気なのも頷けます。
しかし、猫アレルギーを持っている人が猫を飼うのはかなり大変です。猫は基本的に室内飼いですから、ずっと同居することになりますし、犬と違って行動範囲を制限することも難しいです。
猫アレルギーの人がうかつに猫を飼ってしまうと、その症状によって大変な思いをすることにもなりかねません。
そこで今回は、猫アレルギーはどんな症状が出るのか?具体的な対策法は?そもそも猫を飼うことが可能なのか?など、猫アレルギーについて詳しく解説していきます。

猫アレルギーで見られる症状は?

症状についてはご存知の人も多いかもしれません。一般的に言われているのは、目が痒くなったり、鼻水が出たり、くしゃみが出たりなどですね。
しかし、アレルギー反応が重い人の中には、呼吸困難になるなど命に関わる症状が出ることもあります。
私はそんな症状出たことないから関係ない、なんて軽く考えてはいけません。アレルギー反応はふとしたことでいきなり重い症状が出ることもあるのです。特に、風邪などで体が弱っているときなどは要注意です。

猫アレルギーの対策法は?

猫アレルギーを持っている人はできれば猫を飼わないほうがよいのですが、飼い始めてから猫アレルギーを発症してしまうこともあるでしょう。
しかし、しっかり対策を取れば猫アレルギーの症状を軽くすることが可能です。具体的な対策法を見ていきましょう。

定期的に部屋を掃除する

一番簡単で、一番当たり前の方法ですね。猫は行動範囲が広く、家のあらゆる場所に毛を落としていきます。
この抜け毛やフケを吸い込んだり、触ったりすることで猫アレルギーの症状が出ます。定期的に家の中をしっかり掃除し、アレルギーの原因となるものを取り除きましょう。
また、猫がよく使っている毛布なども、定期的に洗濯して清潔にしておきましょう。毛の生え変わりのシーズンなどは、さらに頻繁に洗うようにしましょう。

ブラッシングをしてあげる

抜け毛対策にはブラッシングが有効です。ブラッシングの際にまとまって毛が抜けるので、移動中の抜け毛が少なくなり、アレルギーの原因物質の拡散を防ぐことができます。
もちろん、ブラッシングを行うのはアレルギーを持っていない人にお任せしましょう。

空気清浄機を置く

空気清浄機も猫アレルギー対策に一定の効果があります。特にHEPAフィルター搭載のものは、微小な猫のフケなどもキャッチしてくれるので、特に有効です。
猫が普段よくいる空間に一台設置しておくだけでも、アレルギーの症状をかなり抑えることができますよ。

他にも、猫を触った後はしっかり手洗いをする、猫の毛が絡みやすい材質のカーペットなどは避ける、などの対策でアレルギーを軽減させることが可能です。
また、病院のアレルギー科などで、抗アレルギー薬をもらってくるのも一つの手ですね。

シャンプーはあまり効果がない!?

猫のシャンプーを定期的に行うのは猫アレルギーを抑えるのに効果がありそうですが、意外にもあまり有効ではないと考えられています。
確かに抜け毛などを一掃できるので一定の効果はあるのですが、ある実験データによると猫の出すアレルゲンの総量は、シャンプー後48時間でほとんど元に戻ってしまうそうです。
猫は基本的に水を嫌いますから、頻繁にシャンプーするのは大きなストレスになりますし、飼い主にとってもなかなか手間ですよね。
そのため、アレルギー対策としてシャンプーを行うのはあまり意味がないと言えそうです。

猫アレルギーの人は猫を飼えるのか?

猫アレルギーの人が猫を飼うことはあまりおすすめしません。上述したように、今は症状が軽くても将来的に重くなる可能性もありますし、猫にとっても飼い主にとっても、その環境が大きなストレスになりうるからです。

しかし、猫が大好きでどうしても飼いたい!という人もいるでしょう。そういう人は上で挙げた対策法をしっかり行っていくことが大切です。
また、猫の品種を選ぶことによって、猫アレルギーを抑えることができる可能性があります。一般的に猫アレルギーを起こしにくい品種が存在します。具体的には、ロシアンブルー、ベンガル、サイベリアンなどです。
これらの品種は、猫アレルギーの原因になるアレルゲンをあまり出さないと言われており、実験でも確かに他の品種に比べて低いアレルゲン値を出しています。
しかし、この値には大きく個体差があり、個体によっては普通の品種とほとんど変わらないアレルゲン量を出していることもあります。
そのため、品種によるアレルギー対策をあまり盲信するのは危険です。一つの選択肢程度に考えておきましょう。

まとめ

猫を飼う前には、自身や同居人が猫アレルギーでないかを知っておくことが大切です。そのための方法には、ペットショップで実際に触れ合ってみる、猫カフェに行ってみるなどがあります。
また、飼い主が猫アレルギーについてよく知っておくことも大切ですね。