■被災地の猫
地震の被災地で飼い主を失った猫たちも、ボランティアさんたちに保護されながら新しいお家を待っています。
■動物愛護センター、保健所収容の成猫
動物愛護センターに飼い主が持ち込んだ場合などでも、新しい飼い主が見つかる可能性が高い純血種の猫や、若い猫、人慣れした猫の場合には、行政が直接、または民間の保護団体を経由して、里親募集に出されることがあります。
成猫を迎える時に注意したいこと
■年齢は不明なことが多い
成猫は見た目で年齢が分かりにくいため、飼い主の申告がある場合や、子猫のうちに保護された猫を除き、年齢は不明であることがほとんどです。
推定年齢が書いている場合もありますが、成猫の場合は参考程度に考えた方がよいでしょう。
歯の状態などから推定するため、引取り後に見て貰う獣医師は、別の年齢を言うかもしれません。
■お見合いは、猫が過ごしている環境で猫に会うのが望ましい
猫は知らない場所では緊張してしまうため、引き取る猫は、出来る限りその猫が現在住んでいる場所や、保護されている場所で会った方が、本来の様子や魅力がわかるでしょう。
性格をある程度把握した上で引き取っても、関わり方や周囲の環境によって、猫の行動というのは変わってきます。
予想通りにはいかないこともありますので、それも全て受け入れる覚悟で引き取りましょう。
■病歴、治療歴、行った検査などを詳しく聞く
不妊去勢手術、最後のワクチン接種の日付、ウィルス検査、血液検査、病歴など、これまでの経過を分かる範囲で詳しく聞いておきましょう。
特に病歴は、その猫が健康に長生きしそうかどうかの目安にもなります。
飼い主による里親募集の場合には、ワクチン証明書なども一緒に受け取るとよいでしょう。
かかりつけの動物病院が決まったら、これまでの経過について、獣医さんに説明しましょう。
■すぐには慣れない覚悟をしておく
保護猫カフェなど、その猫が慣れた環境ではとてもリラックスしていても、新しい家についたら緊張します。
1日で慣れる大物の猫もいますが、数週間かかる場合もあります。
平均的な子でも10日から2週間くらいはかかるとみておいた方がいいでしょう。
里親になってすぐに撫でたり抱っこしたり出来るわけではありません。
ゆっくりと時間をかけて関係を築く心構えをしておく必要があります。
保護猫の場合には、保護されてきた時の様子もよく聞いておきましょう。
飼い主による募集の場合には、猫にとって、環境が大きく変化するのが初めてになるため、保護猫よりも慣れるのに時間がかかる覚悟をしておくとよいでしょう。
もし入院やペットホテルに泊まったことがあるならば、その時の様子をよく聞いておきましょう。
初めての場所で少しでも猫が安心出来る環境を作るために、好きなおもちゃやお気に入りのベッドなど、匂いのついたものを貰っておくといいですね。
成猫迎える準備と、迎えたらすべきこと
■準備するもの
■トイレ、トイレ砂
トイレ砂は、種類を聞いておいて、まずは同じものを用意するといいでしょう。
匂いのついた砂を少量分けてもらうと尚いいですね。
また、元の飼い主から引き取る場合は、トイレごと譲り受けると猫が少しは安心できるでしょう。
■フード、皿、水入れ
フードは、これまで食べていた種類や量を聞いて、同じものを用意しましょう。
また、引き取ってすぐには食べないことも多いので、好きなおやつなども聞いておくとよいでしょう。
■キャリーケージ
大人の猫は、必死になるとものすごい力で逃げようとするので、ハードタイプのキャリーケージを用意するのがいいでしょう。
ソフトタイプだと、猫の大きさや力によって、破壊して脱走する恐れもあります。
また、隠れている方が猫が安心するため、外から見えないようにキャリーカバーも用意しましょう。
(風呂敷やバスタオルなどをかけるだけでも大丈夫です。)
■ケージ
猫が新しい環境に慣れるまでの間は、猫が安心できる様に、ケージを用意し、その中に隠れ家を作ってあげるといいでしょう。
しばらくはケージ内で主に生活する可能性もあるため、ケージは3段以上のものが望ましいです。
知らない場所に行くと、猫はまず隠れようとします。
隠れ場所が無い場合はパニックになり、人に攻撃をすることもあります。
隠れ家は必ず用意しましょう。
■爪研ぎ
爪研ぎは家具を守るためだけでなく、猫のストレス解消のためにもあらかじめ必ず用意してあげましょう。
■迎えたらしばらくは構い過ぎない
成猫をご自宅に迎えたら、水とトイレを用意して、外から見えない様にカバーをかけたケージに入ってもらい、ご飯を置いたらその日は放っておいてあげましょう。
隠れている猫を引っ張り出したり、ケージを覗き込んだりするのは猫が怖がります。
ケージの中で少しリラックス出来る様になってきたら、ケージの扉を開けて、猫が家の中を探索出来る様にします。
ケージの扉は開けっ放しにして、怖くなったらすぐに戻れる様にしておきましょう。
■すぐに慣れなくても慌てない。落ち着くことが大切です。
一日二日で慣れたら、かなり慣れるのが早い猫です。
焦らずにゆっくりと慣れてくるのを待ちましょう。
心配な場合は、保護していた方にアドバイスを受けるといいでしょう。
緊張した成猫は丸一日は飲食をしないともよくあります。
口をつけた様子が無ければ、まずはおやつなど、猫が好むものをひとまず与えてみるといいでしょう。
それをきっかけとして食べ始めることも多くあります。
排泄も我慢することが多いです。
排尿が全くないと命の危険がありますので、排尿を丸一日我慢してしまった場合には、念のため動物病院に相談しましょう。
猫は人の気持ちに敏感です。
心配し過ぎると、猫にも不安が伝わってしまい、緊張がとれるのに時間がかかってしまいます。
心の中では心配しても、落ち着いて行動をしましょう。
■新しい環境では、脱走に気をつける
慣れない場所では、脱走に注意が必要です。
特に、もともと外で暮らしていた猫や、暮らしていた可能性のある猫の場合はなおさらです。
パニックになると網戸なんかも破壊して逃げようとすることもありますので、脱走防止の対策は十分にしておきましょう。
■慣れたら動物病院に連れて行く
特に体調を崩すこともなく、動物病院にまだ行っていない場合でも、ご自宅に慣れてきたら、一度動物病院に連れて行き、一通りの健康診断をすることをお勧めします。
かかりつけの動物病院を作っておくとよいでしょう。
もしも不妊去勢手術が終了していない猫を引き取った場合には、高齢のため、猫に負担がかかってしまうなどの特殊な例を除き、出来るだけ早く手術を行いましょう。
里親さんが見つかりにくい成猫たち
成猫からというのは、難しいようで、意外と飼いやすいんです。
もちろん難しい性格の子もいるので、そういう子は扱いに慣れている人でないと無理かもしれません。
でもそれは成猫に限ったことではありません。
これから猫を飼う予定であれば、ほんの数ヶ月しか変わらなくても子猫に比べると格段に里親さんが見つかりにくく、行き場所を失うことの多い成猫さんも、是非検討してみてください。