愛犬のクレートトレーニング。効果的なしつけと気をつけるポイント

愛犬のクレートトレーニング。効果的なしつけと気をつけるポイント

クレートとは、室内や運搬時に使用する犬のおうちです。愛犬がクレートを「自分の居場所」と認識し、ストレスなく過ごせるようにトレーニングしておくと、愛犬の安全・快適な生活環境のために非常に役立ちます。ここでは、クレートトレーニングのメリットや方法についてまとめました。


クレートトレーニングの目的・メリット

災害時の備えとして

万が一、地震などが発生して避難しなければなくなったとき、クレートトレーニングができているととても役立ちます。避難所では愛犬を外に繋いでおいたり、人間と一緒の場所で過ごすことができるとは限りません。クレートで落ち着いて過ごすことができれば、周りに迷惑をかけることも少なく、また愛犬自身も、いつもと異なる環境で、受けるストレスを最小限に抑えることができます。

病院に行くとき

お散歩がてら歩いて連れて行くこともできますが、年を取って病院まで歩けなくなったとき、病気や怪我が重くて自分で歩けないとき、クレートトレーニングをしておけばスムーズに愛犬を病院に連れて行くことができます。また、病院でも、落ち着いてクレートで過ごすことができます。

旅行のとき

車で旅行に行くときはクレートは必須ではありませんが、たとえば電車や飛行機での移動がある場合は、クレートに必ず入れなければなりません。

来客時

特に、犬が苦手なお客さんが来たときや、お客さんが苦手な愛犬の場合、クレートに入って大人しくしていてくれれば、とても助かります。また、愛犬もストレスを感じずに安心して過ごせます。

クレートの選び方

クレートの材質やサイズは様々です。分解できるタイプのものもあり、持ち運びや掃除が便利です。愛犬のサイズや性質、使いやすさなどを考えて、適切なクレートを選びましょう。

サイズ選びのポイントは3つです。

・クレートの中で立つことができる
・クレートの中で横たわれる
・クレートの中で向きを変えられる

クレートはあまり広いと却って愛犬が落ち着かず、居心地の悪い思いをします。子犬のうちに購入する場合は、成犬になったときのサイズを想定してそれに合わせたサイズを選びましょう。子犬のうちは、中に仕切り板などを入れてスペースを狭めて使うことをお勧めします。

クレートトレーニングを始める年齢は?

子犬から始める場合

子犬の場合は、犬を迎えてからすぐにトレーニングを始めてください。集中して行えば、1週間くらいでできるようになるでしょう。

成犬から始める場合

成犬の場合、子犬よりトレーニングに時間をかかります。環境に適応する能力は子犬より落ちていますし、すでにフリーの状態に慣れてしまっていたり、クレート自体を怖がる子も多いでしょう。場合によっては、クレートの屋根を外したり扉を開けた状態からトレーニングを始め、愛犬にストレスを与えないように気を付けながら、根気よくトレーニングしてください。

クレートトレーニングの方法

1. クレートの準備

クレートの床に、タオルや毛布などを敷いてあげましょう。飼い主さんのにおいのついた衣類などを敷くと、より安心感を覚えます。

2. おやつやおもちゃで誘導する

最初はおやつやおもちゃで誘導し、自分からクレートに入るようにします。
自分で中に入ったら、必ず「いい子!」「よしよし」など、褒めてあげるようにします。

3. 扉を開けた状態で慣れさせる

最初は扉は開けっぱなしの状態にし、その状態で、自分で中に入って遊んだり眠ったりするようになるまで慣れさせます。
扉を閉めてみて、慌てて出てこようとするようなら、すぐに開けてあげて「扉はいつでも開くよ」と学習させます。

4. 扉を閉めた状態で過ごせるようになれば、トレーニング成功!

扉が閉まっている状態に慣れたら、今度は閉めておく時間を長くし、その状態に慣れさせます。
外に出たがって鳴いたり騒いだりするときは、静かになるのを待ってから扉を開けて外に出してあげてください。騒いでいるときに扉を開けると、「騒ぐ」⇒「扉が開く」という条件づけがされ、出たいときは騒ぐようになってしまいます。
一晩クレートにいて眠れるようになれば、クレートトレーニングは成功です。

クレートトレーニングでやってはいけないこと

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