犬に噛まれたらまずどうするべき?傷口への対処法は?

犬に噛まれたらまずどうするべき?傷口への対処法は?

遊びの途中で興奮した飼い犬や、ドッグランなどで他の犬から噛まれるなど、思わぬ形でケガをすることがあります。このように犬に噛まれてしまったら、まずどんなことをするべきなのでしょうか?今回は犬に噛まれたときの対処法をご紹介します。


犬の口腔内にはたくさんの雑菌がいる!

犬の口腔内には色々な雑菌が繁殖しており、万が一噛まれてしまうことでその部分から雑菌が侵入し、思わぬ傍記を引き起こすことがあるのです。ケガだけならいいものの、感染すると命を落とす危険がある病気も潜んでいるので、噛まれたら早めの対処が求められます。

まず犬に噛まれたら以下の2つを行いましょう。

きれいな水で傷口を洗う

犬に噛まれたらまず手近な水道やペットボトルの水などで、患部をていねいに洗いましょう。犬のよだれなどを水で洗い流すことで、雑菌が侵入するのをある程度防ぐことができますよ。

消毒液で傷口を消毒しガーゼで処置


傷口を洗ったら次にマキロンなどの人間用の消毒液を使い、患部を消毒しましょう。次に傷口が空気に触れないよう、清潔なガーゼやタオルで覆ってください。

その後、できるだけ早く病院を受診して処置を受けましょう。

出血が止まらない場合


噛まれた傷が深く、出血がなかなか止まらない場合はとにかくタオルを傷口に当て、圧迫して止血をしましょう。患部を強く抑えることで血の流れを止め、血液が外に出ないようにしてください。

噛んだ犬への対応

飼い犬だった場合

もし他の飼い主の犬から噛まれた場合は、治療費などの話し合いをするために個人情報を聞き出しておきましょう。

・噛み付いてきた犬の鑑札番号
・予防接種を打っているかどうか
・飼い主の身分証を見せてもらう(運転免許証など顔写真が写っているものがベスト)
・飼い主の連絡先

特に予防接種の有無は重要です。万が一予防接種を打っていない場合は、人に感染する病気を持っている可能性も考えられます。早めに治療しないと感染が全身に進み、死亡するような病気も潜んでいるので、必ず病院へ行って診察を受けましょう。

また、できるだけ噛まれた犬の飼い主と一緒に病院へ行くのがおすすめです。噛んだ犬についてわからないことがあったら、飼い主から説明を受けることができます。

野良犬の場合

野良犬は狂犬病ワクチンを打っていない可能性が高いので、まずは保健所に保護してもらうのが先決です。早めに地元の保健所へ連絡して、野良犬を引き取りにきてもらいましょう。

もし野良犬に逃げられてしまった時は、他の人々が被害を受けないためにも噛まれた住所を伝えて、保健所に対処してもらってください。

犬に噛まれたときに起こるケガや病気

内出血や化膿


犬は顎の力が強く犬歯がするどいため、噛まれると深くまで歯が刺さることがあります。一見傷が小さく見えても、奥深くまで裂傷していることもあり、内出血や化膿を引き起こしてしまいます。

傷がよく見えない物の、患部が赤黒く変色して腫れてしまうのが内出血。内出血であれば数日で自然と症状が改善していきますが、表立った出血がなくても病院で検査を受けるようにしましょう。

また、犬の歯は鋭く細いので傷が深いと自然治癒が困難な場合も。なかなか治りが遅いと、やがて傷から雑菌が侵入して化膿を起こしてしまいます。化膿がひどくなると傷の周辺が壊死したり、全身に雑菌がめぐって次のような病気にかかったりする原因にもなります。

狂犬病

日本では何年にもわたって発生していませんが、人が狂犬病に感染すると死亡する可能性が高い病気です。噛んだ犬が狂犬病の場合は、保健所で予防ワクチンの注射を受ける必要がありますので、必ず確認しておきましょう。

パスツレラ症


犬や猫の口にいる常在菌パスツレラ菌に感染することで起こる病気です。傷口がかゆくなるほか、傷みや化膿といった症状が代表的。菌に侵入されてからそのまま放置しておくと、やがて全身へ感染が進み、外耳炎、骨隨炎、敗血症などの重病になる恐れも。

特に抵抗力が弱まっている高齢者や子供、肝臓病などを抱えている人は死亡例も報告されているので十分な注意が必要です。

ちなみにパスツレラ症は犬とのキスなどの過剰なスキンシップでも感染しますので、普段からキスをしない、手を洗うといった予防も大切ですよ。

破傷風


犬などの動物に噛まれると、傷口が破傷風にかかることがあります。破傷風菌はたとえ小さな傷でも侵入することがある上、重症化すると死に至る病気です。

細菌が体内で増殖することで、毒素が作られるうちに口が開かない開口障害、けいれんなどの症状が特徴。日本では三種混合ワクチンを打っているので、発症するリスクは低くなっています。

しかし、三種混合を受ける前の赤ちゃんは破傷風に感染するリスクが高く、発症後の治療が困難な恐ろしい病気です。また、抵抗力が下がる高齢者ほど感染すると完治の可能性が低くなるので、たとえ犬に噛まれた傷が小さくでも病院を受診しましょう。

まとめ


犬に噛ませないようしつけをしていても場合によっては、思い切り噛み付かれてしまう事故も考えられます。また、野良犬の場合はワクチンを打っていない分色々な感染源を持っている可能性があるので、小さい傷でもしっかり病院で診察を受けましょう。

また、噛まれたしばらくは異常がなくても、破傷風などはある程度期間が過ぎてから症状が現れますので、体調不良が気になったら病院で再度検査を受けることをおすすめします。

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