愛犬の健康管理のために!食事に必要な栄養素を知ろう

愛犬の健康管理のために!食事に必要な栄養素を知ろう

健康な体を作る基礎となる食事は、人にとっても愛犬にとっても大切なものです。しかし、犬に必要な栄養素は人とは違うことをご存知ですか?愛犬の健康管理のためにも、犬に必要な栄養素、を知ってバランスの良い食事を作ってあげましょう。


たんぱく質

たんぱく質は体内で毛や皮膚、筋肉や軟骨などを作るアミノ酸に分解される栄養素です。他にもホルモンや免疫物質を生成するために使われ、不足することで体重が減ったり毛ツヤが悪くなったります。

アミノ酸は全部で22種類存在していますが、そのうち体内で生成できるのは12種類。残りの10種類は必須アミノ酸と言い、食事やサプリメントなど外から補給する必要があるのです。

基本的にたんぱく質はドッグフードに配合されていますが、低品質のドッグフードによっては一日に必要なたんぱく質を摂取できず、発育に影響を及ぼす恐れもあるのです。反対に、人と同じような炭水化物が多くたんぱく質が少ない食事を与えていても、同様の症状が見られるので、たんぱく質が不足しないよう食事メニューを改善しましょう。

必要な摂取量と食材

たんぱく質の一日の最低摂取量は発表している団体によってやや異なり、たとえばNRC(全米研究評議会)では、体重1kgにつき1.6g以上が推奨されており、AAHA(アメリカ動物病院協会)は体重1kgにつき2.5g以上と発表しています。


たんぱく質には肉や魚の動物性たんぱく質と、大豆や野菜などの植物性たんぱく質の2つがあります。どちらも偏り過ぎず、バランスよく食べさせるようにしましょう。

大豆、玄米、レーズン、牛乳、ヨーグルト、鶏・牛・魚肉、ゴマ

脂肪(脂質)

脂肪は活動するためのエネルギーとして使われる栄養素です。脂肪をある程度体につけることは体温維持につながり、脂溶性のビタミンA、D、E、Kの吸収率をアップさせる作用も。

他にも皮膚や被毛にツヤやハリを与え、美しく保つためにも脂肪は欠かせません。特に体内で生成できない必須脂肪酸はリノール酸が有名。しかし、たくさんの脂肪を取り過ぎるのは体重増加によって肥満の原因にもなってしまいます。

また、余分な脂質が体内に蓄積されると血管内に溜まり、血栓症につながることも。やがて血栓が大きくなると心筋梗塞や脳梗塞といった命にかかわる病気を発症するリスクが高くなるため、適量を守って食べさせてあげましょう。

一日の摂取量


厳密に目安摂取量は定められていませんが、他に食べさせる食材のカロリーと合算して、バランスをとるのがおすすめです。脂肪は1gあたり9kcalと高く、炭水化物やたんぱく質の4kcalの倍以上ものエネルギーを持っています。

犬の一日に必要なカロリーは体重によって異なりますが、たとえば3kg程度の小型犬なら200kcal、10kgほどの中型犬は450~500kcalが理想。これよりも一日の摂取カロリーが増えすぎないよう注意して食べさせてあげましょう。

炭水化物(糖質)


炭水化物は糖質として、脳や筋肉のエネルギーとして使われています。人はパンやご飯などの炭水化物をメインして食事をしていますが、犬は人よりも多くの炭水化物を必要としません。

人がパンやご飯が必要なのに対し、犬は炭水化物がなくとも良質なたんぱく質と脂質があればエネルギーを確保して、生命を維持することが可能なのです。しかし、通常のドッグフードにも炭水化物は配合されており、たんぱく質のサポートとして役立っています。

犬に欠かせない必須アミノ酸の必要量を満たすために、たんぱく質をエネルギーにせず炭水化物をエネルギーのメインとするために、バランスよく配合されています。

一日に必要な摂取量と食材


炭水化物はドッグフードを与えていれば、必要な摂取量をとれていることがほとんどです。
しかし、子犬の離乳期とおっぱいを上げる授乳中のメスには炭水化物が必要です。母乳には約12%の炭水化物が含まれており、母乳を生成するために欠かせない栄養素です。

この時期のメス犬にはドッグフードに少量のご飯やジャガイモなどの炭水化物をプラスしてあげましょう。産後は体力を使い果たし、体も弱っているので母乳が生成されるよう普段の食事を工夫するのがおすすめです。

ビタミン

お肌に良い栄養素として有名なビタミンは犬にも欠かせない栄養素です。ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2つに分類されており、それぞれ次のような役割があります。

脂溶性ビタミン

・ビタミンA…皮膚や粘膜を守り、細菌などのウイルス感染の予防
・ビタミンD…カルシウムの吸収率を上げる
・ビタミンE…血管を丈夫にして、動脈硬化や血栓の予防

水溶性ビタミン


・ビタミンB1…糖質をエネルギーに変換
・ビタミンB2…皮膚や被毛、脂質の代謝を促進して健康に保つ。
・ビタミンB6…歯や皮膚を健康に保つ
・ビタミンB12…アミノ酸の生成を促す

ビタミンはビタミンCを思い浮かべる人も多いですが、犬は人と違って体内で生成することが可能です。そのため、ビタミンCを多く含んだ食材を与える必要はないので注意しましょう。

ビタミンの摂取方法


基本的にビタミンも通常のドッグフードに必要な量が含まれていますので、追加で食べさせる必要はありません。ただし、安物のドッグフードによってはビタミンの量が少なく欠乏症になることもあるので、不安な飼い主さんは獣医が推奨するペットフードを選ぶのがおすすめです。

かえって心配なのが、ビタミンを摂り過ぎたことによるビタミン過剰症。脂溶性ビタミンは体内へ蓄積されてしまうので、過剰摂取させないよう十分に注意しましょう。食材はマグロ、イワシ、サンマ、サバなどの魚類、アーモンドや大豆といった豆類が代表的です。

まとめ

犬にとって必要な栄養素はたんぱく質や脂質がメインになります。最近はドッグフードの品質が高く、それだけで必要な栄養をしっかりと摂取できるようになりました。しかし、病み上がりの犬や産後のメス犬など、体力が落ちている犬にはその状況に合った食事を用意する必要があります。

また、必要な栄養素でも過剰摂取すれば体調不良の原因になるので、愛犬に合った適量を守ったメニューを用意してあげたいですね。

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