2016年08月21日

犬は誤飲事故が多い!誤飲しやすいもの、応急処置方法は?

地面に落ちているものやテーブルの上にあるものを、犬が飲み込んでしまう誤飲事故は非常に多いです。飲み込んだものによっては喉や胃腸の部分で詰まってしまい、命に関わる恐れも。今回はもし犬が誤飲をしたら、どんな応急処置をすればいいのかをご紹介いたします。


0〜1歳の子犬は誤飲事故を起こしやすい

犬の中でも0歳~1歳にかけての幼犬は特に、誤飲事故が多い年齢。人間の赤ちゃんと同じく、視界に入るもの全てに強い興味を持つため、飼い主がちょっと目を離した隙に室内に転がっていたものや、散歩中に落ちているもの、植物などを食べてしまうのです。

育児では赤ちゃんの手が届く範囲に危険なものは置かないというのは鉄則ですよね。これは犬でも同じことが言え、赤ちゃんよりも行動範囲が広くすばやいことから、普段から誤飲が起きないような環境を整える必要があるのです。

犬が誤飲しやすいもの

人間にとっては、こんなものまで食べてしまうの?と驚くようなものまで誤飲してしまいます。
犬の誤飲事故の中でも、特に誤飲しやすいものをまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

タバコ

タバコの吸い殻を、そのまま灰皿に入れっぱなしにしていると、テーブルに近づいた愛犬が誤飲をする事故が多いです。タバコやニコチンやタールなど、生き物によって有害な物質が含まれており、万が一飲み込むと命を落とす危険性があるのです。

さらに怖いのは、タバコはそのままの状態よりも水に濡れることで、有害物質が水分中に染み出していくこと。そのため、胃に入ることで有害物質が胃腸で吸収され、やがて全身にめぐってしまうのです。

ヘアゴム、ヘアピン

長い髪をまとめるために使うヘアゴム、ヘアピンは気づかないうちに床に落ちてしまうことがありますよね。やんちゃな犬だと、飼い主の隙を見て口に加えて飲み込んでしまうことがあるのです。

特にとがったヘアピンは飲み込むことで、喉や胃を傷つけてしまいます。普段から髪をまとめている女性は、特に注意しましょう。

ティッシュ、トイレットペーパー

犬は飼い主の行動を良く見ており、真似しようとする習性があります。そのため、ティッシュやトイレットペーパーなどの紙を、人間と同じよう引き抜いて遊んでしまう犬もいるのです。

ほんのわずかであれば、便と一緒に外へ排出されますが、大量に飲み込んでしまうと喉に詰まらせて窒息したり、腸に詰まって腸閉塞を起こして命を落としたりすることも。ティッシュを引き抜いて遊ぶ癖がある犬は、近くに置いておかないよう注意したいですね。

鳥や魚の骨

食べ物のおいしそうな匂いがする鳥や魚の骨は、犬が好んで噛り付いてしまうもの。しかし骨は消化ができず、飲み込むことで口や喉、胃腸に刺さってしまいます。

食事中に魚や鳥の骨が出たら、お皿に放置せず犬が届かないところに置くのを心がけましょう。

薬や殺虫剤などの毒性があるもの

誤飲の中でも直接的に命に関わるのが、人間が使う薬物類。

このような化学製品は、有毒なものも多く誤飲すると短時間で命を落とすことも少なくありません。家の中だけでなく、畑の近くの草わらには除草剤が撒かれている場合もあるため、散歩中も注意をしましょう。

誤飲をしてしまったときの応急処置

犬が誤飲事故を起こした際に、自宅でできる応急処置をまとめました。飲み込んだものが大きいと、喉に詰まって窒息してしまうことも。

そのため、危険な状態になったらすぐに応急処置をほどこし、病院へ連れていきましょう。

オキシドールを使う

犬にとって有害なチョコや玉ねぎなどを食べてしまった際は、誤飲をして間もなくであれば吐かせることが可能です。このとき、消毒薬に使われるオキシドールを使って吐き出させる方法があります。

オキシドールはドラッグストアなどで購入できる消毒用のものを用意し、水の量に対し3%のオキシドールを入れた液体を、体重1kgあたり1~2ml飲ませましょう。手で口を閉じるように掴み、犬の顔を上に向かせた状態で、口の端からスポイトなどで注ぎ込みます。

濃度を間違えると命に関わることがあるため、慌てず慎重にオキシドール液を用意してください。

ピンセットや指で取り出す

口の中に異物が喉に引っかかっているのが見えたら、指やピンセットなどを使って直接取り除く方法もあります。しかし、むやみに指を入れると犬が驚いて噛み付いたり、異物を飲み込んでしまったりすることも。

そのため、犬の体をしっかりと抑え動かないよう固定しながら異物を取り出しましょう。

逆さまにして押し出す

ピンセットや指で取り出すのが難しい場合は、犬を逆さに持ち上げて異物を押し出す方法があります。小型犬であれば、両足の付け根を持って逆さまにした状態で、背中を叩いて異物を出しましょう。

逆さまに持つのが難しい大型犬は横向きに寝かせ、ろっ骨の下(お腹の上の方)を、喉に向かって押し上げるよう圧迫し、異物を吐き出させてください。

こんなときは吐き出させずにすぐ病院へ

薬品類

人間用の薬や、殺虫剤、除草剤など、体に有害なものを飲み込んだ場合は、吐き出させるのが危険ですので、すぐに病院で処置をしてもらいましょう。特に殺虫剤や除草剤は短時間で命に関わることがあるため、あらかじめ病院へ連絡を入れておくとスムーズに治療が可能です。

また、何を誤飲してしまったかわかるように、容器を病院に持参するのも忘れないでください。

とがったもの

鳥や魚の骨、つまようじ、ヘアピンなど先端がとがっているものは、吐き出させず病院で処置を受けてください。
無理に吐き出させると、喉や胃腸に傷をつけて感染症の原因になる場合があります。

誤飲させないためには普段からのしつけが重要

1歳までの子犬の時期は、好奇心のかたまりですので目に入ったものは何でも口に入れてしまいます。犬が物を食べようとしていたら、「ダメ!」と大きな声で注意しましょう。

また、散歩中は拾い食いしそうになったら、すぐにリードを引っ張って食べてはならないことを根気強く教えてください。もちろん、食べるのを我慢したらしっかりと褒めてあげましょう。

犬を飼育する部屋では、飲み込みそうな日用品や薬品は犬が届かない高い場所や、別の部屋に置くなど、誤飲しない環境を整えるのも重要。床にはできるだけこまごました物を置かず、こまめに掃除をしましょう。

誤飲してしまった時のまとめ

犬は人間のものが何なのか、全て理解できないので飼い主が気を付けないと誤飲を引き起こしてしまいます。しつけの最中の犬であれば留守番中はゲージに入れておくなど、誤飲をしない環境を整えてあげましょう。