パピーウォーカーとは?
パピーウォーカーは生後2ヵ月から1年間、一般家庭の中で子犬を飼育するボランティアのこと。一般家庭で子犬の間しっかりと愛情を受けた犬たちは、やがて人との信頼を育みながら成長していきます。また、この期間は愛情を受けるだけでなく、人と暮らす上で知っておきたいマナーやルールを学ばせるのも目的の一つです。
もともと盲導犬育成には、このようなパピーウォーカー以外にも生後2ヵ月までの子育てをする繁殖ボランティアなど、色々なボランティアが携わっています。その中でも、飼育する環境の条件をクリアすれば、誰でもパピーウォーカーになれるボランティア。
犬が大好きで愛情をかけて育てられる家庭であれば、ぜひ申し込みを行ってみてはいかがでしょうか。
パピーウォーカーになるための条件は?
■訓練センターの近くに暮らしている
パピーウォーカーになると、定期的に訓練センターの行事やレクチャーに参加する必要があります。そのため、訓練センターまで移動できるのが必須条件です。
レクチャーでは子犬の健康管理、散歩の仕方といった基本的なお世話から、家庭内でのマナーなどをどうやって子犬に教えてあげるのかといったくわしい指導が行われています。また、子犬が暮らしている環境を訓練センターのスタッフが確認に来ることがあるため、訓練センターから遠い家庭では申請ができません。
■自家用車がある
子犬は将来盲導犬になってから、目の不自由な方の生活スタイルに合わせて行動をするので、毎日のように車に乗ることが多いです。そのため、子犬の段階から車に慣れさせるために、自家用車があることが望ましいです。
■室内で飼育できる
今には専用の室内犬舎(ゲージ)を置く必要があるため、飼育できる広い室内を用意できるかどうかも大切なポイント。目の不自由な方と24時間行動を一緒にする盲導犬は、常に室内で生活することがほとんどです。そのため、子犬のうちから人と一緒に生活するための基本的なマナーを学んでおく必要があるのです。
たとえば、人のものを食べない、無駄吠えをしない、家の物を壊さないと言った、しつけの基本を子犬の段階で身に付けるために、室内での飼育が必須条件になっています。
■子犬を一人にする時間が少ない
子犬の期間は家族や周囲の人々と愛着を築く大切な時期です。そのため、できるだけ子犬を一人で留守番させなくても良い環境の家庭が選ばれます。
たとえば、専業主婦がいる家庭、定年退職をした人など、常に誰かが子犬を見られる環境が整えられるかも大切。初めの2か月間は食事やトイレのしつけを行いますので、そのときに子犬へ毎回しつけができるよう、留守番させる時間が少ない家庭が求められています。
■現在犬を飼育していない家庭
他の飼い犬がいる家庭では、盲導犬候補のパピーを迎えられません。大切な子犬の期間中、その子犬にだけ愛情を注ぎゆとりを持ってお世話ができるよう、他の飼い犬がいる家庭は許可が下りないようになっています。
パピーウォーカーになるための手順
それでは一般的なパピーウォーカーになるための手順をご紹介します。団体によって申込方法が異なるので、ホームページなどを確認しておくのがおすすめです。
■1.連絡から登録
自分の家から近い協会へ連絡して、パピーウォーカーの登録希望申請を行います。登録申込書が協会のホームページなどでダウンロードできるので、プリントアウトして内容を記入した後、郵送する方法もあります。
■2.説明会
登録用紙を送ったら、訓練センターで月に1回開かれる説明会へ参加しましょう。ここで、パピーウォーカーについての詳しい説明を受けることになります。また、このとき一緒に簡単な面談を行うケースが多いです。
■3.パピー委託待機者登録
説明を受けた後で改めてパピーウォーカーを希望する場合は、パピー委託待機者としての登録を行います。その後、登録順や子犬の出産の状況に合わせて、時期が来たら子犬が委託されます。
待機中に引っ越しなどの諸事情で、委託が受けられない場合は早めに教会へ連絡して、登録を解除してもらいましょう。
■4.子犬の委託の準備
委託から約一か月前に、協会から電話などで連絡が入ります。その後、委託式までに一度訓練センターに足を運び、改めて書類説明や子犬との接し方、しつけ、お世話の基本といったくわしい内容のレクチャーが行われます。
ちなみに、このときゲージなど子犬に必要な道具も貸し出してもらえるので、室内を整頓して子犬を迎える準備を進めておきましょう。
■5.委託式
子犬を迎える当日になったら、訓練センターで委託式が行われます。このとき、これから1年間のパピーウォーカーとしての心得や参加する行事などの説明があります。