【お手入れ】犬の爪を自宅で切るコツをトリマーが分かりやすく解説します

【お手入れ】犬の爪を自宅で切るコツをトリマーが分かりやすく解説します

室内で人間と暮らす犬は爪切りが必要です。伸びすぎた爪を放置していると歩きにくくなったり、絨毯に引っ掻けたりして根元からポッキリ折れてしまうこともあります。そこで、自宅で犬の爪を切る方法や、ちょっとしたコツをトリマーが解説します。初めて犬を飼うという飼い主さんはぜひ参考にしてみて下さいね。


犬の爪を自宅で切る方法が知りたい飼い主さん必見です

新しく犬を迎える人や、初めて犬を飼う人は、犬と室内で一緒に暮らすことになると思います。
野生の犬は、大地を自由にかけまわることで自然と爪が削れ、長さが一定に保たれていました。
ですが、室内でペットとして飼う犬は、人間が爪の手入れをしてあげないといけません。
でも、犬を飼うのが初めてだという人はどうやって切ったら良いのか見当もつきませんよね。
そんな飼い主さんのために、犬の爪を自宅で切る方法を解説したいと思います。

犬の爪を切る前に、犬の爪の構造を学んでおきましょう

犬の爪はカーブを描くように伸びていくのが特徴で、犬種や個体によって爪の色が違います。
爪の色は白、もしくは黒が一般的で、白い爪の場合、中にうっすらと血管が通っているのが分かります。
犬の爪の中には血管に沿うように神経も一緒に通っていて、その部分に触れると痛みを感じます。
そのため、犬の爪を切る時は、血管や神経の手前で止めておくことが重要です。
血管や神経を傷つけてしまうと、痛みとともに出血し、深爪の程度にもよりますが、しばらく血が止まらなくなります。
そして、一度でも痛い思いをした犬は、次から嫌がって爪を切らせてくれなくなります。

犬の爪を切るための道具を用意しましょう

犬の爪は、人間とは違い厚みがあるため、犬専用の爪切りが必要になります。

犬の爪切りは主にギロチン式とハサミ式の二種類に分かれます。
トリマーが使う爪切りはギロチン式が多いですが、これはどんな犬種にも対応できるからです。
また、ハサミ式は伸びすぎて巻いてしまった爪に使うこともあります。

自宅で行う爪切りの場合は犬の爪の大きさに合ったものなら、どちらでも構いません。
ただ、中型犬などの太い爪はハサミ式だとパワーが少なく、うまく切れないおそれがあります。
その場合はギロチン式を使った方が良いでしょう。

犬の爪を自宅で上手に切るコツ

犬の爪を自宅で切る場合は、寝かせた状態で切るとやりやすいでしょう。
犬を寝かせた状態で、体をなでるなどしてしばらくの間リラックスさせます。
そして充分落ち着いたところで、爪切りを始めましょう。

犬の足首を持ち、肉球が見える状態で切っていきます。

ギロチン式の爪切りの場合、にぎった時に可動するパーツを下にして持ちます。
そして、わっかになっている部分を犬の爪に通し、余分な爪を少しずつ切っていきます。

ハサミ式の爪切りの場合、かぎ状に凹んでいる部分を犬の爪に当て、同じように余分な爪を少しずつ切っていきます。

具体的に言うと、だいたい1mm程度に細かく分けて切っていくと安心です。
そして爪切りの角度を変えながら、角を落としていくように切ると切りやすいです。

自宅で行う爪切りのコツは、一気に切らないことです。
特に黒い爪の場合は、どこまで血管や神経が通っているのかが分かりにくく、バツバツと勢いよく切っていると思わぬ所で出血します。
太い爪であればあるほど、出血した時の血の量が多く、あたり一面が血の海になることもあります。

白い爪の場合は、血管が透けているので分かりやすいと思いますが、外側から見える血管の2mmほど手前で止めるように意識して切っていくと良いでしょう。

周りに飛び散った細かい爪は、爪切りが終わったあとに掃除機で吸うなどして片付けましょう。

黒い爪は、爪の真ん中に黒い芯が見えてくるまで

黒い爪の場合、どこまで切れば良いのか外側から見えません。
そのため、切りすぎたり、逆に全く切れなかったりします。

ひとつの目安としては、爪を切っていくうちに、爪の真ん中に黒い芯のようなものが見えてくると思います。
これが出てきたら、血管や神経が近い証拠です。
そこで爪切りを終わらせておきましょう。

また、爪を切っていると、それまで大人しかった犬が急に爪を気にし始めることがあります。
そんな反応があった時は、もしかしたら血管や神経に近づいていることを犬が教えてくれているのかもしれません。
事実、その反応を無視して爪を切り進めていくと、まもなく出血したという例もあります。
そのため、爪切りをする時は、犬の表情を確認しながら作業を進めていくことが大切です。

出血時は止血剤を。信頼できる獣医やトリマーに任せるのでもOK

犬の爪を実際に切ってみると、予想外に難しいことがわかります。
犬の性格はそれぞれ違うため、大人しく切らせてくれる犬もいれば、最初から嫌がってあばれる犬もいるからです。

また、どこまで切れば良いのか感覚がつかめず、出血させてしまうこともあります。
出血させてしまったら、市販の止血剤を使うとすぐに血を止めることが出来ます。

止血剤は動物病院やペットショップで販売されています。
小さなボトルに入った黄色い粉を適量、出血している部分に直接押し当てて止血します。

しかし、止血剤があるからといって毎回のように出血させていたら、犬も爪切りが嫌いになるのが普通だと思います。
止血剤はあくまで予想外の出血に備えて用意しておくものです。

そのため、どうしても自宅で爪切りが出来ない、爪切りが苦手だという人は、信頼できる獣医やトリマーに任せるのも一つの選択肢です。

まとめ

犬の爪切りのコツをまとめます。

①少しずつ切る
②血管や神経の手前で切るのをやめる
③黒い爪の場合は真ん中の芯を意識する
④難しいようならプロに任せる

どうしても外に連れていけない老犬や、極端に臆病な犬の場合は自宅で爪を切ることも必要です。
ですが、トリミング代の節約になるからという理由で気軽に始めると、爪切りに対してトラウマを作ってしまうこともあります。
愛犬の状態を把握した上で、どういった選択をするのかは飼い主さんに委ねられています。

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