2016年09月24日
人間の肥満は世界人口の13%。これは大変な数字であり、健康に著しい害があると懸念されています。一方、室内飼いネコの40%が肥満だというデータもあります。人間の3倍も肥満割合が高いというのですから、飼い主さんの責任は重大ですね。今回は、猫の肥満とダイエットについて真剣に考えてみましょう。
成猫の標準体重は3.6~4.5kgとされています。では詳しくみていきましょう。
オス猫はメス猫よりも大きくなるので、体重もメス猫より多くなります。4~5kgくらいで普通ですが、猫の種類にもよりますから一概には言えません。
メス猫はオス猫より小ぶりなので3~4kgくらいです。猫の種類によって幅はあります。
生まれたばかりの赤ちゃん猫は約100g、1週間で約200g、2週間で約300g、3週間で約400g、4週間で約500g、2ヶ月で約1kg、3ヶ月で約2kg、半年で約3kg、1年で4kg前後、その後はほとんど変わりません。
猫の種類によりますから数値だけの判断は難しいところですが、7kgあれば明らかに肥満でしょう。見た目で判断するなら肋骨とくびれを見ます。真横から見て肋骨が確認できなかったり、上から見て腰のくびれがなければ肥満です。
猫の肥満は飼い主の意識である程度防ぐことができます。肥満の原因を考えましょう。
やはり肥満の第一の原因は食べ過ぎです。人間と同じですね。猫が欲しがるだけ際限なく食事を与えたり、カロリーの高いおやつをあげ過ぎたりすれば、当然太ります。かわいくおねだりされるとつい甘やかしたくなりますが、不健康に太る原因になりますから気をつけましょう。
慢性的な運動不足は肥満を招きます。これも人間と同じですね。室内飼いの猫はあまり動きませんから、ほとんどの猫が運動不足状態になっています。
去勢手術や避妊手術を受けた猫は、体内のホルモンバランスが大幅に変化します。それによって食欲は増すのに消費エネルギーが減ってしまうので、自然とぽっちゃり体型になってきます。ぽっちゃり程度ならかわいいのですがみるみる肥満体型になることもあるので、手術後の体重管理はしっかりしてあげましょう。
猫も太り過ぎると病気になってしまう確率があがります。
肥満になるとインスリン抵抗性が高くなり、効きにくくなるので血糖値が上昇します。治療には減量が必要です。
猫はグルーミング(毛づくろい)によって細かなフケをなめとって皮膚炎を予防していますが、太り過ぎの猫はこの毛づくろいがうまくできなくなるので皮膚病になることがあります。顎ニキビができたりハゲができたりもします。
太り過ぎの猫の肝臓には脂肪がたまり、悪化すると肝臓が脂肪で覆われて機能しなくなります。重度の脂肪肝の場合は発症から7日以内に死んでしまうのでとても危険です。
体重が重ければ重いほど、足腰への負担は大きくなり関節が悲鳴をあげます。捻挫したり椎間板ヘルニアになる確率も増えてきますが、猫はよほどひどくならないとヨタヨタ歩きをしないので、飼い主が気付かないうちに悪化してしまいます。
極端に太ると首の周りの脂肪がきかんを圧迫して呼吸困難になることがあります。世界的に有名なオーストラリアのデブ猫「ひみー」もアメリカのデブ猫「ミャオ」も、呼吸器不全で亡くなりました。
猫のダイエットは、100%飼い主次第で決まります。しっかり管理してあげましょう。
猫の急激なダイエットは脂肪肝や糖尿病発症の危険を伴います。半年から1年くらいのスパンで減量計画を立てましょう。
月単位の減量目標と最終的な目標を決めてください。ストイック過ぎる目標設定をしないように注意しましょう。
ダイエットの成功には、摂取カロリーを減らすのが一番重要です。ダイエットのための一日のカロリー摂取量は「目標体重」×「35~40kcal」ですから、これを2~3回に分けて食べさせましょう。この摂取カロリーにはもちろんおやつの分も含まれているので、これとは別におやつを与えてしまったらダイエットになりません。かわいい猫ちゃんの切ない催促に屈しない意志の力が必要になります。
毎日散歩に出かける犬と違って、猫の運動量を積極的に増やすのは難しいものです。子猫でなければおもちゃに見向きもしないかもしれません。しかし、あきらめずに少しでも興味を示すおもちゃを見つけて、例え一日数分でも遊んであげるようにしてください。チリツモで消費カロリーを増やすことができます。
いかがだったでしょうか?猫の肥満は病気のリスクを高めてとても危険なので、飼い主さんのしっかりとした管理の下でダイエットする重要性をおわかりいただけたのではないでしょうか。太り過ぎないことが健康で長生きすることに直結するのは、わたしたち人間も猫も同じなんですね。一旦ダイエットに成功した後も、リバウンドしないように気をつけてあげましょう。