2016年09月26日

猫の去勢手術や避妊手術について飼い主が知っておくべき事実

猫を家族の一員として迎えたからには必ず決断しなければならないことの一つに、去勢するかしないかという問題があります。いろいろな考え方の飼い主さんがいますが、どちらでもいいという軽い問題ではなく、様々なことを考慮して責任を持って決断すべきことです。今回は猫の去勢手術と避妊手術について考えてみましょう。


猫の去勢手術・避妊手術とは?

去勢手術と避妊手術について、基本的なことを知っておきましょう。

オス猫の去勢手術

一般的な手術方法は、睾丸を切開して精巣の摘出手術です。切開した睾丸は縫合する病院もありますし、しない病院もありますが、縫わなくても出血したり傷口が開いたりはしません。手術して数年経つと、袋が小さくしぼんでわからなくなります。

メス猫の避妊手術

卵巣だけ摘出する卵巣摘出手術と、子宮も摘出する卵巣子宮摘出手術があります。卵巣摘出手術をすると発情がなくなり妊娠もしませんが、もしわずかでも細胞が残っていれば発情が起きることもあります。卵巣子宮摘出手術に比べると手術が短時間で傷口が小さくて済むことがメリットです。卵巣子宮摘出手術をするとホルモンの影響がなくなるので、発情も妊娠もしなくなり、子宮に関する病気にもかかりません。

猫の去勢や避妊はなぜ必要?

動物の生殖能力を人間が勝手に奪うのは自然には反しているからと、去勢手術や避妊手術を非難する方もいますが、果たしてそうでしょうか?

殺処分をなくす

全国で1年間に殺処分されている猫の数は8万匹です。去勢せずに産ませて8万匹も窒息死させることの方が、よほど自然に反しているのではないでしょうか?飼い猫の去勢手術や避妊手術は、無残に殺処分される猫をなくすためには不可欠でしょう。

飼いやすくなる

発情がなくなると、オス猫もメス猫も性格が穏やかになって飼いやすくなります。去勢していないオス猫はニオイの強烈な尿を噴射するスプレー行為を行ないますが、去勢後にはしなくなることが多いです。メス猫の発情時独特の叫び声は非常にうるさくて困ってしまいますが、避妊手術後にはこの叫ぶような鳴き方をしなくなります。満たされない欲求がなくなるので、猫自身のストレスも減って楽になります。

手術する時期は?

猫の去勢や避妊手術に最適な時期はいつでしょうか。

オス猫は生後10ヶ月以内に

オス猫が性的に成熟するのは、生後9~12ヶ月です。国際猫医療協会ではオス猫の性成熟が始まる前の生後6ヶ月以内に去勢手術を行なうことを推奨していますが、多くの動物病院では6ヶ月以降から去勢手術を行なっています。6ヶ月未満だと体力に不安があったり、去勢時期が早すぎたために尿路が未熟なまま育たず尿道結石になる猫もいるからです。また、一度発情期が訪れてその興奮を覚えてしまうと、手術後もスプレー行為が止まらない子もいます。できるだけ生後10ヶ月以内には去勢したほうが良いでしょう。

メス猫は生後8ヶ月以内に

メス猫が性的に成熟するのは、生後3~9ヶ月です。国際猫医療協会ではオス猫と同様、生後6ヶ月以内に避妊手術を行なうことを推奨していますが、ある程度体が成長していないと手術に耐えられないこともあるので、体重2kg以上になってから避妊手術をする病院が多いようです。オス同様、発情時期の癖を残さないためには、1回目の発情期が訪れる前に避妊手術を済ませたいものです。できるだけ8ヶ月以内に行ないましょう。

手術費用はどのくらい?

地域や病院によって異なりますが、あまり安い病院には注意しましょう。

オス猫の場合

去勢手術の費用は、10,000~20,000円程度です。地域や病院によって金額は変わりますし、日帰りするか、一日入院させるかでも変わってきます。

メス猫の場合

避妊手術の費用は、20,000~30,000円程度です。2015年のデータでは、卵巣切除の平均が19,833円、卵巣子宮切除の平均が20,986円となっています。開腹手術なので最低でも1~2日の入院は必要ですが、まれに日帰りさせる病院もあります。うちの子は1匹だけ他の子と違う病院で避妊手術を受けたのですが、そこでは日帰りさせられてびっくりしました。手術費用は半額程度でしたが、夜中に傷口から出血があり救急病院に連れて行きました。やはり、あまり安すぎる病院は良くないと思います。

助成金制度があるところはある!

猫の去勢手術や避妊手術の費用を負担してくれる自治体があります。調べてみましたが、制度のあるところはあり、ないところは全然なかったりします。地域猫限定ですが去勢に15,000円、避妊に25,000円というところもあります。ぜひお住まいの自治体の助成金制度を調べてみましょう。

猫の去勢、避妊手術のまとめ

いかがだったでしょうか?猫の去勢手術や避妊手術について、わたしの経験も交えてご紹介させていただきました。一時的に費用はかかりますが、自治体からの助成金を活用することもできますし、何より殺処分される猫を減らすことにつながりますから、ぜひ去勢手術や避妊手術について積極的に行動していただければ嬉しく思います。