猫は寒さが苦手!秋冬に増える病気を防ぐ環境を整えよう

猫は寒さが苦手!秋冬に増える病気を防ぐ環境を整えよう

気温の変化が激しい秋や寒い冬は、猫の健康管理は特に気を付けなければならない季節です。愛猫にとって最適な室温や環境を知ることで、大切な家族を病気から守りましょう。


寒い時期に気をつけたい猫の病気と予防

猫の祖先は元々暑く、乾燥した地域の出身です。
そのためか猫は寒さに弱く、秋から冬にかけて気温の急激な変化や低下で体調を崩しやすくなります。
寒さによるストレスがきっかけとなり、FIV(猫エイズウィルス感染症)FeLV(猫白血病ウイルス感染症)の免疫不全症の他、様々な病気の発症につながることもあります。

外で暮らす猫たちにとっては大変厳しい季節で、冬を乗り越えられない猫も多いと思われます。

室内で暮らす猫たちにも寒い時期には特に掛かりやすい病気があります。
泌尿器系の病気や、猫風邪といわれるウィルスの感染症などが発症しやすくなります。
また、寒さによる下痢や、肥満にも注意が必要です。

基本的には室温や湿度を適切に保ち、猫に負担がかからないような環境を整えて健康管理を行うことが重要ですが、その他個々の症状別に、原因や気をつけておきたい事、知っておきたい事についてまとめました。

泌尿器系の病気

猫の祖先が乾燥した地域で過ごしていたため、猫は多くの飲水量を必要としません。そのため元々泌尿器系の病気に掛かりやすい生き物なのですが、ある調査によると、冬の猫の尿路疾患の発症率は他の季節の倍になるそうです。

気温が下がることによってさらに飲水量が減ること、また、寒い為にトイレを我慢してしてしまうことが原因です。
濃い尿が膀胱に長時間滞り、尿のミネラル成分が結晶化しやすくなることにより、膀胱炎や尿路結石が起きる原因になります。

【こんな症状が出たら注意】

・いつもよりトイレに行く回数が多い
・尿の量が少ない(出ない)
・おしっこを出したくても出せない
・尿の色が濃い
・尿に血が混じっている(尿がピンク色〜赤)
・トイレ以外のところで少量の排尿を繰り返す
・排尿時に(痛みで)鳴く

などがあったらすぐに獣医さんに相談しましょう。
尿路結石は、尿道が細く長いオス猫に多く、全く尿が出なくなってしまったら、すぐに処置をしないと命に関わります。

【予防の為の対策】

・食べ物の水分を多めにする
もしも水を飲む量が減っている様子があれば、水分の多いウェットフードの割合を増やすなどして、意識的に水分摂取量を調整してあげましょう。

・水の置き場所や温度の工夫をする
水のある場所が寒いと、猫は余計に飲まなくなってしまいます。
水の置き場所を暖かくする、いつもより水の置き場所を増やしてみる、少し温めた水を与えてみるなど、猫が好んで水を飲める工夫をしましょう。
あとは、水を入れる容器に好みがある猫もいます。猫が好む器の形や素材を探してあげましょう。

・トイレの場所が寒くないですか?
冬にトイレを我慢してしまう原因の多くは、トイレの場所が「寒い」「遠い」です。
人間でも、寒いとトイレに行くのが億劫になってしまいますよね。

「トイレの場所を暖かくしてあげる」
「トイレまでの道程を暖かくしてあげる」
「猫がよく過ごす部屋にもトイレを設置する」

など、猫がトイレに行きたいな、と思った時に、我慢しなくて済む工夫をしてあげることが大切です。
トイレの数は、猫の頭数プラス1つあるのが、理想的です。
一匹しか飼育していなくても、留守番時間が多く、こまめな掃除ができない場合や、家が広い場合などは二つ以上のトイレがあるといいでしょう。

また、猫はトイレが汚れているとトイレで排泄をしなくなることがありますので、猫の健康の為にも、いつも清潔にする様に心がけることも大切です。

猫の尿路疾患の原因は様々で、原因が特定できない場合も多くあります。
ですが、冬に発症しやすくなる病気ではあるので、少しでも発症の原因を少なくして健康に過ごせる工夫をしたいですね。

猫風邪(猫上部気道感染症)

公園や道端で、目ヤニだらけで目が開かなくなっている猫や、鼻をズーズー鳴らしている猫に出会ったことがあるかもしれません。

飼っている猫が元々捨て猫や野良猫の子どもだった場合、拾った時には風邪を引いていた、ということも多いのではないでしょうか。

一般に「猫風邪」といわれる、猫上部気道感染症で、人間でいうインフルエンザの様なウィルス性の疾患になります。

「猫風邪」のウィルスには幾つかの種類があり、それによって症状も異なります。

・ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)
・カリシウイルス(猫カリシウイルス感染症)
・クラミジア

カリシウィルス、ヘルペスウィルスに感染していると見られる症状が出ることが多いですが、重篤な症状が出ている時は、多くの場合、複合感染をしていると考えられます。

実際に猫風邪の症状が出て動物病院に行った場合、どのウィルスに感染しているかを検査することは殆どありません。
その時に出ている症状に対して、対症療法を行うことになります。

主に免疫力の低い3ヶ月齢未満の子猫に症状が出やすいですが、一度ウィルスに感染していると、ウィルスのキャリア(保有者)になり、気温の変化などの環境ストレスで免疫力が弱まると再発症しやすくなります。

その為、気温の下がる秋から冬にかけて症状が出る猫が増えます。
未感染の猫であっても、空気が乾燥し、気温の下がる時期にはウィルスに感染しやすくなります。

こじらせると肺炎などで命に関わる場合や、失明などの後遺症が残ることもありますので、たかが風邪と甘くみず、早めに動物病院を受診しましょう。

【こんな症状が出たら注意】

・くしゃみ、鼻水、咳
・結膜炎(目の縁が赤い、結膜の腫れ)
・目ヤニ(白っぽい、黄色っぽい)、涙目
・口内炎(舌の炎症や潰瘍)、よだれ
・発熱(触って熱い)、元気がない、食欲の低下

【予防の為の対策】

・ワクチン接種
猫風邪のウィルスはワクチンで予防できます。
カリシウィルスとヘルペスウィルスは三種混合ワクチンに、クラミジアは五種混合ワクチンに含まれます。
ただし、これらのワクチンは症状を抑えるものになり、ウィルスを完全に防御するものではありません。

・室内飼育をする
これらのウィルスは、感染猫のくしゃみや、鼻水、排泄物などから直接、または間接的に感染します。
完全室内飼育で他の猫との接触を避けることによって、感染を防ぐことができます。

下痢

体質によるところもあるでしょうが、猫も、寒くてお腹を壊すことがあります。
もしも、ご飯の種類や量も変えていないし、他に何の症状も無く、原因不明で便がゆるくなってしまったら、お腹が冷えてしまった可能性もあります。

【予防の為の対策】

・ご飯を少し温める
寒さでウェットフードの缶詰が冷たくなっている場合は、電子レンジで人肌程度に温めなおしてから与えるといいです。
猫は人肌くらいの温かさのものを好みます。

・お腹を温める
お腹が冷えないように、猫がお腹を温められる工夫をしてあげましょう。
ペット用のホットマットや湯たんぽなど、猫が上に寝るとお腹の部分が温まるような暖房器具を使うとよいでしょう。

使い捨てカイロを使用する場合は、猫が齧ってしまうことと、低温火傷に気をつけましょう。
カイロは猫の爪や歯で破けないように布でしっかりとくるみ、カイロを猫がおもちゃにしてしまう場合は、他の方法を考えましょう。
また、カイロは小さすぎて、猫が「温かいもの」と気がつかないことがあります。

肥満

冬は肥満の季節です。
理由は人と同じです。寒くて動きたくないから運動量が減り、結果的に体重が増えやすくなります。

肥満は様々な病気の源ですので、日頃から適正な体重を保つように心掛けたいですね。

【予防の為の対策】

・適切な運動をさせる
普段から上下運動などができる環境を作っておくことはもちろんですが、寒くて動きたがらない時も、猫の狩猟本能を掻立てるような遊びに誘って、短時間でもしっかり運動させてエネルギーを消費させましょう。

・体重測定
現在が理想的な体型の成猫であれば、それをキープできるように、ベスト体重を知っておきましょう。
月に1から2回の体重測定を行い、体重の変化をチェックすると健康管理がしやすくなります。
子猫の場合は成長期なので体重をキープするのではなく、ちゃんと増えているかをチェックしましょう。

・ご飯の量を計る
体重測定と同様、季節に関わらないことですが、現在の体重を保つのに調度よいフードの量を計っておくと、体重の変化によってどのようにフードの量を調整するかの目安になります。
フードのパッケージにある量を目安にしつつ、ご自宅の猫に適当な量を把握しておきましょう。

猫は室温の変化が大きいと体調を崩す原因となる

猫には、人が快適と思うよりも少し暖かいくらいの室温が適しています。
猫にとっては23℃〜27℃くらいが快適ですが、一年中その室温に保つ必要はありませんし、冬に夏のように家中を温める必要はありません。

湿度は50〜60%くらいがよいとされています。
湿度が高く、気温も高いと熱中症の危険があり、また、湿度が低いとウィルス感染などをしやすくなります。

また、1日のうちで暖房をつけたり消したりなどして室温の変化が大きいと、体調を崩す原因になるので、出来るだけ大幅な変化がなくて済むように出来るのが望ましいです。

健康な成猫なら

健康な成猫であれば、冬場ならば、室温は18℃〜22℃くらいを目安として、猫が寒いときには暖まれる場所(猫ベッドや毛布、ホットマットなど)を用意してあげれば大丈夫です。
猫ベッドや毛布、ホットマットなどを準備してあげるといいでしょう。

ただし、高齢の猫や体調を崩している猫、子猫の場合は別です。

老猫や子猫は

高齢の猫や病気の猫であれば、状態などにより22〜27℃くらいにして、その上で、毛布や湯たんぽなどで暖まれる場所が必要でしょう。

子猫の場合は、週齢によって適した温度が変わりますが、目が開いていないような生後間もない場合は自分で体温調整ができない為、環境温度は27℃〜30℃くらいを必ずキープする必要があります。
室温は25℃くらいにした上で、湯たんぽなどを使用して子猫の周辺の温度調整をし、絶対に環境温度を23℃以下にしてはいけません。
少し大きくなれば、30℃だと暑すぎになりますので、少しずつ室温を下げましょう。

子猫の場合の室温管理は大変重要で、離乳前の子猫の場合は寒さで低体温症になり、簡単に命を落とします。

快適な温度は猫に聞く

具体的な数字をあげましたが、実際には、猫にも寒がりな猫や暑がりな猫、また毛の長さや密集度などによって、最適な室温というのは異なります。

ロシア出身のサイベリアンなどの長毛種は寒さにも強いので、短毛種の猫と同じ室温では暑いかもしれません。

どのくらいの温度が一番快適かは、猫を見ているとわかります。
寒ければ丸くなり、多頭飼育なら猫団子ができます。暑ければ伸びます。
暖房に引っ付いて丸くなっていれば寒いでしょうから温度を上げてあげたいですし、ホットカーペットの上で伸びていれば快適、というサインです。

自分の愛猫がどのような様子かを観察し、その子が快適な様子で過ごしていれば、一番適当な室温ということでしょう。

冬場に猫が快適に過ごせる室内環境まとめ

夏も冬も家中を25度の室温にしておく、というのは多くの場合、現実的ではありませんので、冬は少し寒くても猫が快適に過ごせるような工夫をしてあげることが大切です。

また、季節による被毛の生え変わりもあるので、室内であっても体調を崩さない程度に夏は暑め、冬は寒めになっている方がむしろ自然でよいかと思います。

猫が寒いと感じた時に暖まることが出来る場所が何箇所があれば、室温を25度にしなくても猫は自分で快適な場所を探し出します。

日中猫を留守番させなければならない場合は、室温は高すぎない様に暖房やヒーターで設定をした上で、毛布や猫用のドームなどをいくつか置いておいてあげるといいでしょう。
また特に寒い時は、ペット用のホットマットや、湯たんぽなどがあるといいですね。
床暖房やホットカーペットがあるととても快適に過ごせますが、低温火傷にならない様に、少し低めに設定しておきましょう。

その上で、寒すぎてドームや毛布から出られない、トイレに行けない、ということを防げる様に、猫が日中多く過ごす場所の近くに置いてあげるなど、トイレやお水の配置を考えてあげましょう。

猫は家の中で最も快適な場所を探し出す天才です。
暑い時は涼しい場所、寒い時は温かい場所を自分で探し出します。
猫が家の中を自由に動いて好きな場所でくつろげる様に、室温や防寒グッズを工夫して、寒い季節も健康に快適に過ごして貰いたいですね。

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