2016年09月20日

愛犬が老齢を迎えたときのために知っておきたい老犬についての基礎知識

犬の寿命は犬種や大きさによって異なりますが、平均して10〜15年くらい。小さかった愛犬が、いつの間にか自分たちの年を追い越してしまいます。年をとると今までの生活スタイルにも変化が現れ、それに合わせて世話の仕方も変えていく必要があります。愛犬が最後まで快適に幸せに過ごせるように老犬についての基礎知識を紹介します。


愛犬は7〜10歳から老齢期を迎えます

愛犬にはいつまでも無邪気でいて欲しいと願うものですが、私たちと同じように犬にも必ず「老い」はやってきます。

最近は「シニア犬」とも言われていますが、いったいいつから老犬として扱われるのでしょうか?

犬種やサイズによっても異なり、体の大きい犬のほうが、小さい犬よりも早く老化の兆候が現れます。犬それぞれで老化が見られる時期も異なりますが、一般的に7〜10歳くらいの間に老齢期を迎えると言われています。

老犬になったら気をつけたい病気

老犬がかかりやすい、気をつけたい病気には以下のものがあげられます。

・関節炎
・がん(特にオスは精巣腫瘍、メスは乳がん)
・前立腺疾患
・認知障害
・腸炎などの腸の病気
・聴覚障害
・歯周病
・糖尿病
・腎臓疾患
・肝臓疾患
・視覚障害

私たちと同じように犬も老化を迎えると、免疫力が落ち体の機能が低下してきます。
多くの専門家は成犬は1年に1回、老犬になったら年に2回の定期検診を推奨しています。

定期検診を受けることで、気をつけるべきことを知ることができ健康管理がしやすくなり、病気の早期発見にもつながります。

視診や触診などの一般的な検査から、尿検査、検便、血液検査、レントゲン検診などがセットになったペットの人間ドック、「ペットドック」を利用するのもおすすめです。

また、狂犬病接種はもちろんのこと、ワクチン接種を受ける、さまざまな健康面での問題の原因となる歯垢や歯石がたまらないよう、デンタルケアを行うなども大切なことです。

老犬によく見られる症状

犬は私たちに比べ痛みに強いと言われており、具合が悪かったり痛みがあっても、がまんしたり、隠したりする傾向があります。健康管理をしっかりと行うことは、飼い主として大切な責任です。

日頃から愛犬をよく観察することで、老化のサインにいち早く気づくことができ、それに見合った対処を行うことができます。また、病気の予防にもつながります。

次のような症状が見られるときはこわい病気の兆候の現れかもしれません。
動物病院に連れて行き、獣医師に診てもらいましょう。

・頻繁に失禁する
・息がいつもよりも荒く、つらそう
・咳がでる
・元気がない
・嘔吐を繰り返す
・食欲や水分の摂取量が減り、尿にも変化が見られる
・動きが鈍い、足を引きずっている
・よく吠える
・攻撃的になり、いつもと違う行動をとる
・急激な体重の変化

食事の切り替えは5,6歳から

体重を管理することは、関節炎や他の病気を防ぐうえでとても大切なことです。老犬への食事は脂肪の少ないもの、しかしプロテインは必要です。どうしても自分で調理したいという人は獣医師に相談しましょう。最近はバランス良く配合された良質な「シニア犬向けドックフード」が多数販売されていますので、それを利用するのがいいと思います。

老犬にあった食事に切り替える時期として、小型犬・中型犬は7歳から、大型犬は6歳から、超大型犬は5歳からが目安だと言われています。

消化能力が低下するので、1回の食事の量を少なくし、回数を増やしてあげることで消化しやすくなります。また、年をとると喉の渇きに鈍感になるので、常に新鮮な水を置くことを忘れないようにしましょう。

快適な環境づくり

老犬は体温調整が難しくなる

年をとると若い頃と比べ、体温調整が難しくなります。温かく、乾いた状態に保ってあげるようにしましょう。被毛の汚れを取り除き、防寒性がよくなるので、ブラッシングは大事です。また、暑さや湿気にも弱くなるので、暑い夏には注意が必要です。年をとったら、外飼いの犬も室内飼いにしてあげるほうがいいでしょう。

生活環境を整える

老化により筋力が衰え、足腰も弱くなります。関節炎を患っている場合などは特にそうですが、棚を設置して階段の登り降りをさせないようにしたり、滑りにくいマットなどを活用したりして転倒防止をするなど、環境を整えてあげましょう。

また、視覚や聴覚も弱くなるので、不安やストレスを取り除くためにも床に物を置かないなど注意してあげてください。

まとめ

犬も老齢期を迎えると今までの習慣が変わり生活スタイルにも変化がでてきます。食事や環境もそれに合わせて変えていく必要があります。また、精神面での不安やストレスを取り除いてあげるために、やさしく撫でであげたり、話しかけてあげたりして静かな時間を愛犬とともに過ごすのも大切なことです。

大切な家族の一員である愛犬が、最後まで快適に穏やかに暮らしていけるよう、老犬に対する考えと知識をしっかりと身につけておきましょう。