2016年09月14日

夏から秋にかけて要注意! 愛犬がスズメバチに刺された時の対処法

6月〜10月頃に、毎年スズメバチに襲われてしまったニュースを目にします。人間であれば、スズメバチが近くにきたら、すぐに回避できますが、愛犬には、スズメバチに対する恐怖はありません。もし愛犬がスズメバチに刺されてしまったら、どう対処したらいいのでしょうか?


スズメバチを知る

まず最初に、スズメバチに関する知識を持っておきましょう。
どんな場所に出没し、そしてどんな攻撃をしてくるのか?
スズメバチの習性を学びます。

スズメバチの生息場所

スズメバチは、自然の豊富な山里に生息しているイメージがありますが、最近では都心部でも猛威をふるっています。住宅地など多くの人が住んでいるエリアでも発生しているので、愛犬を守るための注意が必要です。

屋根の軒下やガレージ、天井裏などはもちろん、お庭の木々の間や、家の壁の隙間などにも巣をつくります。

つまり愛犬と暮らしている場所へ、いつスズメバチが訪れてもおかしくないのが現状です。

◆屋根の軒下のスズメバチの巣

家のすぐ近くでは、なんと言っても屋根の軒下が目立ちます。
これはキイロスズメバチやコガタスズメバチの巣です。

他にも車庫やガレージの屋根のすぐ下などにも好んで巣を作るようです。

スズメバチの活動時期

スズメバチの活動時期は春〜初冬ですが、攻撃性を持つ時期は夏〜秋に集中しています。
何故かというと、スズメバチは春から巣をつくり始め、秋頃に巣が完成するので、完成間際は働き蜂も活発に動き、攻撃性が高まっているのです。

この巣は、次の女王蜂が冬を越すためのものです。
来春に、また次のスズメバチが誕生できるよう、この巣を守ることが使命となっているため、スズメバチは敵と判断すると攻撃をかけてきます。

愛犬がスズメバチに刺されてしまったら

注意を払っていたとしても、急にスズメバチに愛犬が襲われてしまう可能性はあります。
愛犬と自然を楽しむため、川遊びをしたりキャンプをする機会がある方は特に注意をしてください。
大スズメバチなどは、土の中や木の根元に巣をつくる習性があります。
巣の上に枯れ葉などが落ちている場合は、気づかず踏んでしまい、襲われてしまったというケースも多いようです。

①安全な場所へ避難しましょう

愛犬がスズメバチに刺された場合は、まず安全な場所へ移動しましょう。
刺された瞬間、愛犬はキャンと鳴き、患部を舐めようとするので、このような異変があったら、原因を探るためにも、まずは安全な場所へ行ってください。

スズメバチが1匹だとしても、近くに巣があるはずです。
愛犬が再度刺されたり飼い主が刺されたりしないよう、まずは安全を確保します。

屋内の安心できる場所が良いですが、自然の中でキャンプやバーベキューをしている場合は、車の中やテントの中などスズメバチが侵入できない場所へ速やかに避難してください。

②刺された箇所を水洗いする

スズメバチの場合、刺した後に針を残しません。
ですから、どこを刺されたのか、ピンポイントではわかりませんが、愛犬が舐めようとする場所や腫上がっている場所を素早く見つけ、水で洗い流してください。

③患部を冷やす

水洗いをしたら、患部を濡れたタオルや氷などで冷やしてあげましょう。
スズメバチの猛毒は、強い痛みを与えます。
愛犬自身も、刺されたショックで大きな衝撃や痛みを伴っているはず。
少しでも痛みを緩和してあげるようにしてください。

④応急処置が出来たらすぐに動物病院へ

応急処置と平行して、すぐに最寄りの動物病院を探してください。
やはり素人のケアだけでは、愛犬に万が一のことがあったら大変です。
すぐに愛犬を動物病院へ連れていき適切な処置をしてもらいましょう。

⑤動物病院まで時間がかかる場合は、抗ヒスタミン剤を

人里離れた場所にいる場合や、動物病院まで時間がかかる場合は、抗ヒスタミン剤を塗ってあげましょう。しかし、これはあくまでも応急処置の一環です。
一刻も早く動物病院へ連れていくことを忘れないでください。

死に至る危険も! アナフィラキシーショック

スズメバチに刺されると、強いアレルギー反応があらわれます。
嘔吐や呼吸困難、痙攣、血圧の低下などの症状がでます。
この状態が続くと死に至る場合もあります。

そのため、動物病院での治療は、この強いアレルギー反応を抑え込む対処がされます。
抗ヒスタミンや、ステロイド系の注射で、毒素によるアレルギー反応を軽減させていきます。

動物病院での治療はまず、残存している「針」があれば可能な限り安全に取り除き、患部を洗浄して冷やすなどの処置を手順通り進めます。治療の基本は毒によって急速に引き起こされるアレルギー反応をはじめとするさまざまな有害反応をできるだけ抑え込むことです。こうしたさまざまな対症療法はきるだけ早期に行う必要があります。

副腎皮質ステロイドホルモン製剤や抗ヒスタミン薬、鎮痛薬などの薬物を使用して毒物そのものやアレルギー反応による「脹れ」や「痛み」などをできるだけ軽減することが重要な治療です。症状が強い場合や、非常に強いアレルギー反応のアナフィラキシーショックにまで波及するような場合には血液循環や血圧調節などの体の調節機能どが失われ、命に関わるようなショック状態を起こすことがあり得るため、その兆候を注意深く捉える必要があります。

スズメバチに刺されないための対策

スズメバチに刺されると、人間でさえも強い痛みや痺れを感じます。
死に至る危険も高いので、スズメバチに刺されないよう対策を心がけましょう。

愛犬を守れるのは飼い主です。
実は、我家の愛犬もスズメバチに刺された経験があります。痛みをこらえている姿は、本当に辛そうでした。この経験から、愛犬のために飼い主が十分に注意を払ってあげることが、いかに大切だということを痛感しています。

①スズメバチの巣がありそうな場所を避ける

自然の中で愛犬と過ごす時間はかけがえのないものです。
しかし、自然の多い場所には、スズメバチの巣がある可能性も高くなります。
土の中に巣をつくったり、木の間に巣をつくるスズメバチも多いので、人里離れた場所でのレジャーは、まず危険なものがないか、下調べをしてから行ってください。

②黒い部分を隠す

スズメバチは黒や青、赤など濃い色の部分に攻撃をしてくる習性があります。
そのため、毛色が黒い場合は、淡い色の洋服を着せてあげると効果的です。

③虫除け&蜂除けスプレー

残念ながらスズメバチには虫除けスプレーや蜂除けスプレーは効きません。
逆に強い香水の香りや甘い香りがすると攻撃してくる可能性が高まります。

しかし、他の蜂や毒をもった虫から愛犬を守るために、天然素材でできた、ハーブ系のスプレーは常備しておくことをオススメします。

まとめ

愛犬を守ることが出来るのは、飼い主です。
スズメバチに刺されると死に至る可能性もあります。
日頃からスズメバチに刺されないよう、愛犬を見守ってあげましょう。

また、愛犬の容態に変化があった場合は、一刻も早く動物病院へ連れていくことが重要です。
自宅や近所であれば、掛かり付けの動物病院がありますが、旅行先などの場合は、土地勘がなく動物病院を探すことが困難になります。

そんなことにならないよう、愛犬と共にお出かけや旅行へ行く場合は、その土地の動物病院の情報を事前に収集してから出かけてください。