2016年09月16日

食べさせていませんか? 犬に与えてはいけない、危険な食材

犬にとって「食」はとても大切です。 私たち人間と同じような感覚で食べ物を与えてしまうと、体調を崩してしまったり大きな病気の原因になる食材がたくさんあります。 犬が食べたら危険な食材をきちんと把握し、愛犬の健康管理をしてあげましょう。


犬が食べてはいけない食べ物[野菜編]

ネギ類全般(玉ネギ・ネギ・ニラ・ニンニクなど)

犬にネギ類を与えてはいけないことは、ご存知な方も多いと思います。
ネギに含まれるアリルプロピルジスルファイドという成分が、ハインツ小体性貧血という赤血球を破壊してしまい、急性の貧血や血尿を引き起こしてしまいます。

「生じゃなければ大丈夫だろう!」と言う方もいると思います。確かに、火を通せば生のようにピリッとする刺激はなくなりますが、加熱しても毒性は消えないので注意してください。

ネギや玉ネギは家庭で多く使われる食材です。(エシャロットやらっきょうもユリ科で同じ仲間です)
我が家の愛犬もキッチンでネギを拾い食いしてしまい慌てたことがあります。お家でも拾い食いなどしないよう注意してあげましょう。

アボカド

アボガドはヘルシー食品として知られていますが、犬にとってはタブー食品です。アボガドに含まれるペルジンという成分が、下痢や嘔吐を引き起こす原因になるからです。症状が重くなると、胃腸が荒れてしまい昏睡状態に陥る場合があります。

また、アボガドは果肉・葉・枝・種すべてに中毒成分があり、犬を含む動物全般が中毒症状を起こす危険性がある野菜です。与えると心臓血管系の病気を発症し、死に至ることもあるので与えてはいけません。

銀なん

中毒性物質があり、糖分や食物繊維も多量に含まれているため、
下痢や腹痛の原因になります。

秋になるといちょうの木の下に銀杏がたくさん落ちていて、
その銀杏を犬が食べてしまうという話をよく聞きます。

お散歩時には拾い食いをしないように注意しましょう!

与えても食べれる野菜

野菜は生で与えるのはNGなものが多いですが、加熱したら与えても良いものがあります。

加熱して与えられる野菜の一例としては、さつまいも、かぼちゃ、里芋などです。

また大根、きゅうり、カブ、れんこんなどは、生のまま与えても問題ありません。

犬が食べてはいけない食べ物 [果物編]

ぶどう・マスカット

犬がぶどうを食べると、中毒症状を起こすケースが報告されています。中毒症状の例としては、激しい下痢や嘔吐ですが、症状がひどくなると腎不全を起こす可能性があり、まれに死に至る場合もあります。生のぶどうだけではなく、レーズンも同様に注意しなければいけません。

いちじく

葉や皮に毒物性物質が含まれています。
そのため食べてしまうと嘔吐や、よだれが大量に出てしまい、
口の中が炎症することがあります。

プルーン

ドライプルーンは毒性が強く葉や茎や種に毒物性物質があり、
食べてしまうと呼吸困難やショック症状を起こしてしまいます。

ザクロ

大量に食べると消火器障害を起こします。
また根皮や樹脂には中毒性物質が含まれているため与えてはいけません。

柑橘類

レモン・グレープフルーツは外皮部分に中毒性物質が含まれているため、
下痢や嘔吐をしてしまいます。

ただ、みかんやオレンジは与えても問題ありませんが、
ちゃんと消化されず不消化便となり、下痢をしてしまうことがあるので注意しながら与えてください。

与えても食べれる果物

果物で犬に与えて良いものは、梨、スイカ、メロン、リンゴ、バナナなどです。

桃は果肉部分は問題ありませんが、種に毒性があるので注意してください。

果物類はどれも糖分が多く含まれています。
たくさん与えてしまうと肥満に繋がってしまうため、与えすぎには注意しましょう。

パン類や白米、うどんなどは与えてもいいの?

パン

パン類は糖分、塩分共に含んでいるため犬に与えてはいけません。
肥満や結石症の原因になってしまうこともあります。

我が家の愛犬もパンが大好きなので、ついあげたくなりますが、
犬用につくられたパンを与えるようにしています。
一度与えてしまうと味を覚えてしまうので、なるべく与えないようにしましょう。

白米・うどん

白米、うどんはちゃんと加熱処理してから与えるなら問題ありません。
白米に関しては消化も良くエネルギーの補給になります。

豆類は与えても大丈夫?

豆類に関して絶対与えてはいけないというものはありません。

しかし、あまり与えないほうがいいものは、大豆です。

豆類を与える場合は、長時間煮込んで発酵・熟成をさせ、毒性を消した物を与えてください。

そのため豆腐、おから、豆乳、納豆は犬が食べても大丈夫です。

小豆はあんこにしてしまうと糖分が多すぎるため与えてはいけないですが、
小豆を煮込んだだけのものなら与えても問題ありません。

牛乳ってあげても大丈夫?

人間が飲む牛乳は乳糖が含まれています。

犬はその乳糖を分解することができないため与えてしまうと
下痢をしてしまう可能性があります。
牛乳をあげたいときは犬用の牛乳を与えて下さい。

ヨーグルトは無糖のヨーグルトなら与えてOK。整腸作用があります。
我が家の愛犬も無糖のヨーグルト大好物です。
おやつ代わりに与えてもいいですね!

お肉は与えても大丈夫?

豚の生肉

豚肉には本来「トキソプラズマ」という虫が寄生しています。犬は生肉を食べる習慣がありますが、豚肉に関してはNGです。このトキソプラズマという寄生虫が体内に入ると、下痢をおこしたり、脱水症状を起こす場合があります。子犬の場合や免疫力の低い子だと、視覚障害を併発する恐れもあります。

魚類を与えても大丈夫?

ししゃも

塩を付けてから干しているため、塩分が多いです。
そのため、犬には与えないほうがいいでしょう。

生のタコ・イカ・エビ・カニ

生のイカやタコは純粋に消化が悪いです。特に、子犬の場合は消化機能が発達し切れていませんので、消化不良を起こし下痢や嘔吐の原因になります。火を通したものなら多少はよいですが、成犬になってからも大量に食すことは避けた方がよいでしょう。

貝類

サザエ、アワビ、トコブシ、トリガイなどの貝類も避けたい食品です。皮膚の腫れや赤み、かゆみなどを引き起こす光線過敏症という症状の原因となります。皮膚の炎症に気付かずそのまま放っておくと、部分的に壊死してしまうこともあります。

スルメイカ

スルメイカは何となくジャーキーに似ていて、犬にあげてもよさそうな気もしますよね。でも、スルメイカを食べて後に、水をガブガブと飲んでしまうと、お腹の中で水分と一緒に8倍から10倍くらいに膨らんでしまうんですよ。そうるすと、膨らんだイカがうまく食道を通過することができず、窒息してしまう可能性があります。

魚類

マグロは生でも加熱しても、どちらでも与えて問題ありません。
鮭・サバ・アジ・さんまは加熱してから与えてください。

与えてはいけない人間のお菓子や飲み物

チョコレートなどのカカオ類

チョコレートと犬…一生仲良くなれないもの同士です。板チョコからチョコレートクリームまで、チョコレート関係は犬に与えないようにしましょう。飼い主さんの大好きなチョコレートでも犬にははダメですよ。

悪さをするのは、カカオマスに含まれるデオブロミン。この成分を接種すると中枢神経が刺激され心拍増加、不整脈、けいれん、前身発作、心不全などが起こります。

甘党の人なら軽く食べられそうな一枚の板チョコ。小型犬の関しては、軽く致死量に達します。

マカダミアナッツ

マカデミアナッツを食した犬に嘔吐、高熱、震え、血圧上昇の症状が見られたという報告があります。マカデミアナッツが最も危険性が高いと言われていますが、ピーナッツ、アーモンド、クルミなどを含むナッツ類はもともと消化吸収しないので、必然的に胃腸に負担がかかってしまいます。
どの成分が犬にとって有害なのか?いまだ解明されていない部分がある食品なだけに、十分注意したい食品です。

キシリトール

キシリトールはご存じの通り、人工甘味料です。キシリトールそのものを犬にあげることはほとんどないと思いますが、キシリトールの入った食品をあげてしまうことはあるかもしれませんよね。

人間の食べるダイエット食品に入っていることが多いキシリトールは、犬にとっては毒。少量の摂取量で血糖値が急降下し、肺不全や歩行困難になる場合があります。キシリトールで注意しなければいけないのは、少量の摂取で有害反応が出るということです。

お茶、コーヒー、紅茶

お茶、紅茶、コーヒーなどに含まれるカフェイン。私たちにとってはヘルシーとされる日本茶も、犬にとっては毒のような存在。カフェインを大量に獲り過ぎると、心拍数が上昇し心臓への大きな負担がかかり、呼吸困難の要因になってしまいます。また、痙攣などの神経系異常が見られることもあります。

アルコール飲料

ビールや日本酒などのアルコール類。「ちょっとならあげてもいいだろう」と思うのは残念ながら間違いです。アルコールを飲んでしまうと、嘔吐や下痢の大きな原因になる他、手足・体の震えが止まらなくなることがあります。飲んだ量や犬のサイズにもよりますが、まれに昏睡状態に陥ることがあります。急性アルコール中毒を起こして死に至ることもあり、大変危険です。

まとめ

いかがでしたか?

基本的に魚介類、貝類、豚肉は生はNG。消化の悪いナッツ類もよくありません。カフェインやアルコールも犬には毒。お茶もヘルシー!とうっかりあげてしまいそうですが、シンプルにお水にしましょう。
ご存じの方も多い「チョコレート」、「ネギ類」、「キシリトール」には細心の注意をするようにしましょう。低いテーブルや戸棚にうっかり置きっぱなしにしないようにしたいですね。

犬が食べてはいけない食品を挙げてみましたが、食べ方や量を注意して欲しい食品は他にもあります。また、犬の体質や個体差、摂取した量によって症状が出るか出ないか変わってきます。

少しだけなら大丈夫と思っても、その犬にとっては死に至る可能性もあります。愛犬の命を守れるのは飼い主しかいません。そのためには愛犬の体質なども把握しておくといいでしょう。

もし万が一食べてはいけない物を食べてしまった時は、その後の愛犬の様子に注意し、異常があった場合はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。