2016年09月13日

動物病院で獣医さんに質問される内容を知っておこう 信頼される飼い主になるために

初めて行く動物病院はドキドキしますよね。どんなことを聞かれるんだろう、ちゃんと先生からの質問に答えられるかな?などなど。先生から見ても質問にしっかり答えられる飼い主さんは信頼できるもの。また問診は病気の診断にとても大切なプロセスです。きちんと答えられるように予め質問を想定しておきましょう。


こんにちは、獣医師の明石照秋です。

最近、うちの子の調子が悪そう・・・。動物病院に連れて行ったほうがいいのかな?でも、動物病院ってどんな準備をしていけばいいんだろう。なにを聞かれるんだろう。
こんな風に思ったこと、ありませんか? 動物病院に行くと、獣医さんからいろいろな質問をされます。その質問に丁寧に、正確に答えることができれば、診断の精度が上がり、よりよい治療を受けることができるようになります。特に病気の診断、治療は命に関わってくることなので気をつけたいですね。獣医師免許を持っている私が、動物病院でどんな質問をするか解説しちゃいます。

犬・ねこなどペットは喋ることができない

凄く当たり前のことなんですが、これ、とっても重要です。これが分かっている獣医さんはいい獣医さんです。
人の場合、病気になって病院に行くと、自分で自分の身に起こっている症状を説明しますよね? 子供でも、それこそ3才ぐらいの子でも、痛い場所ぐらいは言えるわけです。
それに対して、動物は言葉を話せません。どこが痛いとか、ここが気持ち悪いとか主張できないわけです。そのため、代わりに飼い主さんがペットの状態を説明するわけですね。
飼い主さんが間違ったことを言っても、ペットはもちろん、獣医さんには分かりません。昨日から下痢なんです、って言われたらそれを信じるしかないのです。
そして、その説明(禀告ともいいます)を基にして、診断を進めていくわけですから、飼い主さんが正しくペットの症状を説明できるようになることはとても大切です。

説明できるようにしておきたい5つのポイント

獣医さんも問診の重要性は分かっていますから、同じような質問をいろんな切り口からしてきます。一見、同じような質問でも聞き方を変えると、あれ、そういえば・・・?となる飼い主さんも多いです。
獣医さんとのお話がスムーズに進むように、あらかじめ聞かれそうなことを把握しておきましょう。また、これがわかっていれば、いざペットが病気になったときにどこに注意して見ておけばいいか分かるようになります。

1.症状はいつから出ましたか?

凄く大事なことです。慢性的にそうなのか、それとも急に症状が現れたのか、これだけでもかなり病気の種類が絞れます。できれば何日の何時から、と答えられるようにしておきましょう。
また慢性的な場合でも、急に症状が悪化したような場合はしっかりその日時を答えられるようにしておきましょう。

2.ご飯、水はしっかり食べて、飲んでいますか?

動物は本当に体調が悪くなるとご飯を食べなくなります。食べるための体力すらもったいない、と思っているんですね。
また消化器系に原因がある場合も、ご飯を食べなくなることが多いです。また食べたけど吐いてしまう、食べたそうにしているけど最終的には食べないなども、診断の大きなヒントになります。ちょっとしたことでも獣医さんに伝えましょう。

また水が飲めないことは非常に危険な状態です、空腹よりも脱水のほうが動物にとってはまずい状態なのです。場合によっては点滴などの必要なども出てくるので、いつから飲まなくなったなどの情報はしっかり伝えましょう。

3.症状を動画などに収めておく

どんな症状ですか?と聞かれても、えーと・・・ってなっちゃいますよね。とにかく下痢なんです!うーん、間違いではないのですが、これだけだと少し情報不足です。
獣医さんが本当に知りたいのは、下痢便の状態がどのようなものであったか、一度にどのくらいの量が出ていたのか、などのもう一歩踏み込んだ内容なんですね。
そのため、下痢便や嘔吐物などを動画や写真に収めておくことはとても大事です。まさに百聞は一見にしかず、ですね。
また痙攣など、身体的な症状のときも非常に有効です。

4.心あたりのある原因はなにかありますか?

獣医さんはその場のことしか分かりません。なぜこのような怪我をしたのかなどについては飼い主に聞かないと知る術がないんですね。当然、病気にもいろいろありますから、心当たりが全くない場合も多いでしょう。ただ、交通事故にあったとか、階段から落ちたとか、そういうことがあった場合には関係なさそうに思えても伝えておきましょう。
素人には因果関係なんてなさそうなことに思えても、専門家にはピンと来る場合がよくあります。

5.今までになにか病気などに罹ったことはありますか?

これは初診の時に聞かれる質問ですね。
上述したことに近いことなんですが、全く関係がないように思えても、昔の病歴が今回の病気の原因になっていることがよくあります。
動物の体はどこかがおかしくなると、その部分をカバーするように他の部分が頑張るようになっています。今まで頑張っていた結果、ついに限界が来て今回の症状が現れたということですね。

また直接関係がなくても、持病や手術歴などは獣医さんにとって大事な情報になりますので、しっかり伝えておきましょうね。

獣医さんに質問される内容 まとめ

上記以外にもいろいろ聞かれると思いますが、できるだけ答えられるようにしたいですね。どんなに細かいことでも、それが診断の決め手になることもあります。獣医さんもできるだけ多くの情報を欲しているので、こんなこと言っても仕方ないよな・・・なんて思わず、積極的に伝えていきましょう。