愛犬のいたずらがひどい!その原因は分離不安症かもしれません

愛犬のいたずらがひどい!その原因は分離不安症かもしれません

普段飼い主の言うことをよく聞いて、待てやおすわりができているおりこうな犬でも、留守にしている間に悪さをされたことがありませんか?たとえば、物を壊したりトイレの場所を守らなかったりという行動は、飼い主がいない不安の気持ちを紛らわせるための行為。 ひどくなると分離不安症という心の病気になることもあるのです。


犬の分離不安症の原因は?

犬の分離不安症の最大の特徴は、飼い主が側にいるときは何も悪さをしないのに、独りになった途端、思いもしない悪さを行うという点です。たとえば、飼い主が外出している間吠え続けたり、クッションなどを破いてしまったりといった行動が挙げられます。

そもそもこの分離不安の症状は、子犬が母犬から離れることで起こるもの。小さい子犬は母犬がいなくなれば、ごはんも与えられず生き延びることができません。そこで、母犬から離れることに本能で不安を感じ、できるだけ離れないように行動するのです。

この分離不安は、子犬から成犬に成長していくうちに自然と収まっていき、成犬になるとたとえ側に母犬がいなくとも問題行動を起こすことはありません。

飼い主のライフスタイルが影響を与えることも

ではどうして室内犬は成犬になってからも、分離不安症が治らないのでしょうか?その理由は子犬の間、家に常に誰かがいるというライフスタイルが挙げられます。

つまり、24時間常に一人になることがなく、必ず誰かがそばにいるという環境下に置かれている犬は孤独になれていません。成犬になってからも、飼い主や家族が誰もいなくなることで強い不安を覚えてしまうのです。

他にもまだ母犬が必要な時期に、無理やり引き離されたことや、子犬の頃一人でいた時間が長すぎるのも分離不安症を引き起こすきっかけに。このような過去のトラウマでも分離不安症になることがあるため、早めの治療で愛犬の気持ちを和らげてあげましょう。

関心を引こうと悪さをするのは分離不安症の代表的な行動

飼い主がいない時の行動


・飼い主がいなくなってから帰宅時まで、やたら吠え続ける
・家具やおもちゃに噛み付いて壊してしまう
・トイレのしつけができているのに、トイレ以外の場所に排泄をする
・長い時間グルーミングをして前足などがハゲる、出血がある

飼い主が側にいるときの行動

・飼い主が帰ってきたときに興奮して飛びかかる
・飼い主がどこかに移動しようとすると追いかけてくる
・トイレやお風呂でもずっと側につきまとい、24時間離れようとしない
・飼い主の姿が見えなくなると不安そうに吠え始める
・飼い主が出かける用意を始めると、邪魔したり不安そうにソワソワしだしたりする

このような行動が見られる犬は、分離不安症になっている可能性があります。常に飼い主につきまとって、関心を引こうと悪さをするのは分離不安症の代表的な行動。分離不安症が悪化すると、飼い主の留守によって犬に大きなストレスがかかり、病気になることもあります。

そのため、分離不安症の症状が見られたら早めに適切な治療を行いましょう。

犬の分離不安症への対処法は?

それでは、犬の分離不安症を改善するには、飼い主がどのようなことに気を付ければいいのしょうか?以下に、自宅でできる分離不安症への対処法をまとめましたので、参考にしてみてください。

子犬の間は1人にしないこと

まず分離不安によるストレスを和らげるためには、1歳までの子犬時代にできるだけ側にいて愛情をかけることが大切です。本来この時期の子犬は母犬と24時間一緒に過ごし、信頼できる存在が側にいることで、心から誰かのことを信じられるようになります。

この時期をないがしろにすると、将来の性格形成に影響を与えてしまい、人の言うことを聞かなかったり、噛み付いたりと凶暴な性格になることも。

そこで、子犬の間はできるだけ一人にせず、常に飼い主がそばに寄り添ってあげてください。犬の多くは別の部屋で寝かせて主従関係を教えるのがベストと言われていますが、子犬の間は兄弟や母犬と一緒にくっついて眠っている時期。

そのため、子犬を家族として迎え入れたらまず飼い主の近くで寝かせてあげましょう。同じベッドで寝かせなくとも、床に子犬用の寝具を用意してあげれば飼い主の匂いを感じて安心して眠ることができます。

留守中はテレビやラジオをつける


家に誰もいないという環境になると、犬は強い分離不安を抱えてしまうため、部屋が無音にならないようテレビやラジオをつけて外出しましょう。
人の声が聞こえればそれだけで犬は安心でき、不安な気持ちを紛らわせることができます。

最近では、犬が反応するDVDや動画などがあるため、お気に入りのものを見つけてリピート再生をしておくのもおすすめです。

留守番の時間を少しずつ伸ばす

飼い主が外出しても必ず帰ってくることをわかってもらうために、まずは外出するフリを繰り返していきましょう。
飼い主が外出するフリをして、犬が不安そうな様子を見せたら落ち着くまで玄関で待ちます。
そして、犬が落ち着いたら玄関から出て10秒ほどで帰宅しましょう。

この外出するフリを繰り返し続けていき、徐々に外出する時間を伸ばしていってください。

留守中のいたずらを叱らない


留守中に物を壊したり、トイレを失敗したりしていてもそのことを叱らないようにしましょう。犬は過去にやったことを時間が経ってから叱られても何のことか理解ができず、怒られることで不安な気持ちが強くなってしまいます。

そこで、留守にする際は犬が飽きないような大きな骨ガムや大好きなおもちゃなどを与えておき、周りの物に興味がいかないよう工夫するのがおすすめです。他にもおやつを部屋のあちこちに隠しておくと、飼い主の留守中はおやつが食べられる=嬉しいことが起きると認知させる方法も手です。

愛犬には愛情を持ってしつけをしよう

犬の分離不安は自分では生きられない子犬の間、周囲から守られて生きるための本能です。しかし、飼い主との過剰な接触が続くと成犬になっても、一人にされると強い分離不安の状態になってしまいます。

犬が分離不安症になったら、飼い主は必ず家に帰ってくるから大丈夫だと理解してもらえるようトレーニングを行いましょう。数か月から半年程度で、愛犬は分離不安の症状が和らいで良い子でお留守番ができるようになります。

留守中に悪さをするのは、愛情不足によるSOSの可能性もあるため、むやみに叱らずコミュニケーションを図ることも忘れないでください。

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