家にお迎えした子犬が下痢をした!慌てないで原因をまず考えてみましょう

家にお迎えした子犬が下痢をした!慌てないで原因をまず考えてみましょう

ペットショップや知人から子犬を貰って、ついに我が家にも犬のいる生活が…! と思っていたらお迎えした子犬が下痢みたいなウンチをした。焦る気持ちは分かりますが、ここは一旦落ち着いて原因をまず考えてみましょう。この記事には考えられる原因、対処法を載せています。


こんにちは、獣医師の明石照秋です。

ついにお迎えした我が家の子犬。ちっちゃくて元気で好奇心旺盛なその姿はとても愛くるしいですね。
でも人間の子供と同じように、まだまだ免疫、体力のない子犬もいろいろな病気にかかりやすい時期。注意してあげないといけません。

そんな中でもよく見られるのが子犬の下痢。なにか大きな病気にかかっているのか!?と慌ててしまいがちですが、一度冷静になって原因を考えてみましょう。

ウンチから多くの情報が得られる

あまりウンチをまじまじ見ることはないと思いますが、ウンチは健康状態を推察する上でとても大事なものです。

細かいことはやはり専門家でないと分からないことが多いのですが、いくつか見るポイントを押さえておけば、素人でも分かることがあります。

また獣医さんに相談する上でもこの見るべきポイントを押さえておけば、スムーズに会話が進みます。

まず下痢便の性状は?

最初にウンチの状態を観察してみましょう。いつもより軟らかいだけなのか、水っぽいのか、はたまた血が混じっているのか。

血が混じっている場合は、緊急を要する場合もあるので、早くに獣医さんに診てもらうようにしましょう。

軟らかいだけのようならとりあえずは様子見ということになるでしょう。
水っぽい便が出ている時は、そのあとの頻度や犬の状態なども観察してみましょう。

下痢便が出る頻度は?

次に下痢便が出る頻度を観察してみましょう。

最初の1回だけなら特に問題はないことが多いです。人でもたまにお腹を下すときってありますよね。

一日のうちに何度も出るようなら、獣医さんに相談をしにいきましょう。また回数が少なくても子犬の元気がないなど、普段と様子が違うときも動物病院に連れていってあげたほうがいいでしょう。

下痢便のニオイはどうか?

ウンチのニオイを嗅ぐのは少し抵抗がありますが、ニオイも重要な情報です。獣医さんも必ず聞いてくるので、嗅いでおきましょう。

いつもに比べて明らかに臭かったりする場合は、寄生虫性の下痢の可能性もあります。きちんと獣医さんに伝えましょう。

子犬の下痢の考えられる原因

下痢といってもそれを引き起こす原因は様々です。代表的なものを知っておくことで冷静に対応することができるので、いくつか知っておきましょう。

新しい環境へのストレス

お迎えしてすぐの子が下痢を起こした場合、まず考えられる原因がこれです。人と同じように犬も知らない場所や人に囲まれるとストレスを感じるのです。新しい環境に慣れるまでは、お互い正しい距離感を持って接するようにしましょう。

食事によるもの

子犬の消化器官はまだまだ発達途中です。その状態でたくさん食べ過ぎたり、人の食事を与えたりすると、それに対応できず下痢をしてしまうことがあります。

ウイルスや寄生虫など病気由来のもの

子犬は免疫がまだまだ発達していないので、成犬ならかからないような弱いウイルスなどに感染してしまうことがあります。その結果、下痢をしてしまうということもあります。

また寄生虫に原因がある下痢もあります。寄生虫がずっといるような状態はやはりあまりよくないので、しっかり駆虫してもらいましょう。

子犬がなんらかの寄生虫に感染しているのはそれほど珍しいことでもないので、家にお迎えしたら、一度動物病院で検査してもらうことをおすすめします。

お家でできる対処法

下痢で最も恐いのは脱水による消耗です。2、3回程度なら特に問題はありませんが、何回も下痢が続く場合、水だけはちゃんと飲ませてあげるようにしましょう。

脱水の程度は皮膚をつねって、それが戻る時間で判断します。戻るのにかなり時間がかかる場合、脱水が進行しているので早めに動物病院に連れていきましょう。

動物病院に行ったときに聞かれること、伝えるべきこと

下痢の回数が多い、明らかに元気がないといった場合は動物病院に連れて行きましょう。その際に獣医さんに伝えるべきことや、聞かれるポイントなどを予め知っておけば診断がスムーズになります。症状が下痢の場合はこんなことを聞かれるので覚えておきましょう。

いつから下痢をおこしていますか?

発症から何日目、というのはとても重要な情報になるのでしっかり答えられるようにしておきましょう。

下痢便の性状はどのような感じですか?

上に書いたように水っぽい、血が混じる、などですね。これらも診断を下すうえで大切な情報です。

下痢がおこった前後で元気はどうですか?

それまでは元気いっぱいだったのに急に元気がなくなった、または元気は特に変わっていないように見える、などしっかり答えましょう。

なにか変なものを食べさせた、食べてしまったような心当たりはありますか?

関連するキーワード


下痢 ストレス 症状

関連する投稿


愛犬が車酔いをしてしまう…。車酔いの症状と改善法まとめ

愛犬が車酔いをしてしまう…。車酔いの症状と改善法まとめ

愛犬とのお出かけは、とても楽しみですね!ドッグランや遠くに足を伸ばしてお散歩、旅行など車での移動をすることは多々あると思います。お出かけのみならず、病院へ向かうときも車を使う方は少ないののではないでしょうか?しかし愛犬が車酔いしてしまうと、移動も一苦労ですよね。愛犬が車酔いしないために気を付ける事をご紹介します!


愛犬は大丈夫?ストレスチェックをしてみましょう

愛犬は大丈夫?ストレスチェックをしてみましょう

ストレスを感じた犬が問題行動をとることがあります。犬が感じるストレスとは?愛犬にストレスがたまっていないか、チェックしてみましょう。


【葛湯で愛犬のおなかを守る♡】葛湯で愛犬の腸内環境を整えよう!

【葛湯で愛犬のおなかを守る♡】葛湯で愛犬の腸内環境を整えよう!

こんにちは。愛玩動物飼養管理士のヤナセです。 愛犬が下痢をした!便秘が続いてる…どうしよう!?そんな時には、赤ちゃんの離乳食や民間療法にも用いられる「葛湯」が大活躍します。葛は、とても優れた効能を持っており、愛犬の腸内環境を優しく整えてくれるのです。今回は、大切な愛犬の健康維持に最適な「葛湯」についてご紹介します!


恐ろしい心臓の病気、猫の肥大型心筋症とは?

恐ろしい心臓の病気、猫の肥大型心筋症とは?

猫の心臓病の中で最も発症率が高い肥大型心筋症。心臓の筋肉が異常に厚くなり、心機能が徐々に低下していきます。発症を予防する有効な方法は見つかっていませんが、発症してしまっても適切な治療を受けることで病気の進行を遅らせることが可能です。


骨のガン、犬の骨肉腫ってどんな病気?

骨のガン、犬の骨肉腫ってどんな病気?

骨肉腫という病気を知っているでしょうか?骨肉腫はいわば骨にできるガンです。また、進行がとても早く、放っておくとあっという間に手遅れになってしまいます。この記事では骨肉腫の症状や特徴について解説していますので、ぜひこの病気について知っておいてくださいね。


最新の投稿


絶対ダメ!!犬にアルコールを与えるリスク

絶対ダメ!!犬にアルコールを与えるリスク

人間にとって少量であれば健康にも良いとされるアルコールですが、犬にとってアルコールとはどんな作用があるのでしょうか。危険な犬とアルコールの関係を解説します。


愛犬に白髪が生えた!?知っておきたい犬の毛の退色とは?

愛犬に白髪が生えた!?知っておきたい犬の毛の退色とは?

人が年齢を重ねると黒髪が薄くなり、白髪が生えてきます。この現象は人ならではというイメージがありますが、実は愛犬にも白髪が生えてくることがあります。これを退色と言い、どんな犬でも加齢によって、白髪が増えていくのです。今回は、そんな愛犬の白髪(退色)について、くわしくご紹介します。


愛犬が自分の名前を覚えてくれない!しつけ方法のコツは?

愛犬が自分の名前を覚えてくれない!しつけ方法のコツは?

家族で愛犬を迎えた時に、まずどんな名前をつけようかと一生懸命名前を考えた人は多いのではないでしょうか?しかし、せっかく考えた名前で愛犬を呼んでも、それが自分のことだと認識できていないと悩む飼い主さんもいます。今回は、愛犬が名前を覚えてくれるしつけ方のコツをご紹介します。


犬猫以外のペットを飼う方必見!うちのペットは保険に入れるの?

犬猫以外のペットを飼う方必見!うちのペットは保険に入れるの?

熱帯魚、イグアナ、インコ、フェレットなどいろいろな動物を飼っている方がいるように、犬猫以外のペットを飼っている方はとても多いです。中でも魚類や鳥類は人気です。ただ犬猫以外のペットを飼っていると、ペット保険に入れるのか気になりますよね?この記事ではその疑問を解消していきます。


【困った!愛犬の吠え癖】落ち着きのコマンドを教えよう!

【困った!愛犬の吠え癖】落ち着きのコマンドを教えよう!

こんにちは。愛玩動物飼養管理士のヤナセです。 来客時や留守番、ゴハンや遊びの要求など、ワンワンと吠えはじめたら止まらない愛犬の吠え癖に、悩んでいませんか? 叱っても宥めても止まらない吠え癖には「落ち着きのコマンド」を上手に使って、愛犬の安心の暮らしを守りましょう。