【しつけの基礎】愛犬と学ぶ飼い主の「躾」の心得5つ

【しつけの基礎】愛犬と学ぶ飼い主の「躾」の心得5つ

こんにちは。愛玩動物飼養管理士のヤナセです。犬との暮らしに欠かせないこと…それは「しつけ」です。しつけは、飼い主と愛犬がお互いに心地よく過ごしていくためのプロセスです。愛しい愛犬のためにも、飼い主として知っておきたい「躾の心得」をご紹介します!


犬を育てることは、人間の子育てと同じ

♡「待て!」が出来るよ♪上手でしょ!

犬の躾…と聞くと「訓練」のようなイメージはありませんか?
確かに、犬はとても賢い動物ですから、飼い主の様子を見抜いて行動を変えていきます。ですから、飼い主側も犬の性質を甘く見ないで、自分を律していくことが大切。
指示は的確に、躾の内容が矛盾しないように、決められたルールをルーティン化して犬の野生本能を理解しながら取り組む必要があります。
そういう意味では「訓練」に近い感覚もあるかもしれませんね。
でも、毎日の生活が厳しい訓練では、飼い主も愛犬も疲れてしまいます。

犬育ては、人間の子育てと同じだと考えて下さい。
2~3歳の幼児期の子どもを育てているような感じです。
犬の躾は、根気良く、粘り強く、ひとつひとつ愛情を持って丁寧に教えていくこと。
厳しくする必要はありません。
愛情たっぷりの躾は、必ず愛犬に伝わります

躾の心得その1・飼い主が矛盾してはいけない

愛犬の躾を考えるうえで、まず大切なことは「飼い主の生活」の基準を決めることです。
飼い主の生活サイクル…例えば、起床・就寝のパターンや、食事の時間など、決められた時間を愛犬にも教えていくのか、それとも愛犬の生活サイクルは別に考えるのか。
愛犬が入ってはいけない部屋、自由にしてもいい部屋など、生活空間を分けていくのか。
ソファーは飼い主の場所として確保するのか、それとも愛犬と共有するのか…など。

飼い主が自分で決めたルールを守れなければ、愛犬も飼い主の都合でルールが変わるたびに混乱します。
まずは、飼い主自身が、躾の基準となる生活ルールをしっかり決めておきましょう。

躾の心得その2・愛犬の身体中に触れる

♡飼い主さんに触れられると、気持ち良くて寝てしまう♪

愛犬との暮らしを心地よいものしていくために、最も重要なことは、愛犬の身体中を触れるようにしておくことです。
抱っこはもちろん、愛犬のおなか、おしり周り、足先、耳の中、口の中など、どこを触っても愛犬が安らいだ状態にしておかなくてはいけません。
愛犬が病気になった時、介護を必要とする時期になった時など、愛犬の身体をくまなく触れることが出来なければケアをすることも、ままなりません。
愛犬が小さなうちから、毎日、身体中を撫でて、飼い主に全身を触れられる心地良さを覚えてもらいましょう。

躾の心得その3・アイコンタクト

目と目を合わせることは、飼い主と愛犬の信頼関係に繋がる大切なコミュニケーションです。
話しかけるとき、身体を撫でるとき、ゴハンをあげるときなど、必ず愛犬の目を見るようにしましょう。
愛犬が飼い主の目を見ることに慣れていない場合は、お気に入りのオヤツを飼い主の目の位置に持ってきて、愛犬の目線と飼い主の目線を合わせるようにします。
目と目があったら、ニッコリと笑顔で「いいこ」と褒めましょう。
愛犬が、飼い主の目を見る=飼い主が喜ぶということが分かると、アイコンタクトが容易に出来るようになります。

躾の心得その4・失敗は叱らない

愛犬の失敗は、愛犬のせいではありません。
基本的に、野性の力を備えている動物に「失敗」の文字は無いと考えて下さい。
愛犬に人間の暮らしを覚えてもらうためには、飼い主が犬の性質を理解してコントロールする必要があります。
愛犬の失敗は、飼い主が犬の性質を捉えきれていない故に起こります。

例えば、オシッコをあちこちでしてしまう。食べ物を盗み食いしてしまう。ゴミを漁ってしまう…など、愛犬が失敗してしまったときは、次に同じ失敗を起こさないよう「対策」をするようにしましょう。

朝起きてすぐ、ゴハンを食べた後など、愛犬のオシッコのタイミングを知り、失敗する前にトイレに連れて行く。食べ物は、愛犬の口が届く範囲に放置しない。ゴミ箱は、蓋付きのものに変えるなど。

犬にお説教は通じません。飼い主が怒っていることは理解できるため「飼い主=恐怖」になってしまう場合があります。
失敗は無言で見逃し、次は失敗しないよう具体的な対策をしていきましょう。


失敗とは違い、飼い主の手を甘噛みする、服を引っ張るなどの行為は、甘えやイタズラです。
甘えやイタズラに関しては「NO!」と低い声でハッキリ短い指示を出し、飼い主が不快な思いをしているという合図を教えます。

躾の心得その5・成功体験を与える

♡飼い主の幸せ…それは、愛犬のとびっきりの笑顔!

躾は「指示したことが出来る」と思われがちですが、本来は「良い行動を覚えていく」ことが躾の大前提です。
愛犬の行動をよく観察して、良いと思う行動については、どんどん褒めていきましょう。

例えば、飼い主が特に指示していなくても、愛犬がチョコンとお座りをしたら「お座り!出来たね~!えらいね~!!」と褒めると、愛犬は「お座り=成功」と覚えます。

躾の成功は、愛犬に成功体験を与えることである…と言っても過言ではありません。
愛犬が何げなくした行動の中から、少しでも成功に繋げられそうな場面が観られたら、しっかりと褒めて「行動」と「飼い主から褒められる」が連動するようにしていきましょう。

まとめ

愛犬の躾は、特別なことをするわけではありません。日々の積み重ねが、躾の基礎です。成功して褒めて、失敗して一からやり直しの毎日を何度も根気よく続けていくことで、愛犬は、しっかりと飼い主と呼吸を合わせて学んでいきますよ!

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