こんにちは。小動物看護士(ドッグシッター/小動物介護士)の須永智尋です。ペットショップに行くと実に多種多様なフードが販売されています。あまりに多すぎてなにを基準に選べばいいのか迷ってしまいますよね。そんな時に役立つ、愛犬に合ったフードや食いつきがいいごはんを選ぶポイントを紹介します。
フードにはいろんな種類がある
ドッグフードは「総合栄養食」「おやつ」「サプリメント(特定の目的食)」に分けられます。毎日のごはんとして食べさせるのは「総合栄養食」を選んでください。これは、水とこれさえ与えていれば栄養面で問題ない、というフードです。
おやつは、基本的には不要です。与える場合は、しつけ・トレーニングのご褒美として活用するといいですよ。ただ、与える量に留意してください。そして、おやつで摂ったカロリー分、ごはんを減らすようにしてくださいね。そうでなければ、肥満の原因になります。
サプリメント(特定の目的食)は薬ではありません。病気の治療に利用できるものではないので注意してください。また、与えすぎると栄養バランスが崩れたり、特定の栄養素を過剰摂取することにもなりますので、使用が不安なときは獣医師に相談することをお勧めします。
また、フードの水分含量によって「ドライタイプ」「セミモイストタイプ」「ウェットタイプ」に分けられます。
カリカリの粒タイプ(ドライタイプ)は保存性がよく、経済的で活用しやすいフードです。セミモイストタイプはいわゆる「プニプニの柔らかい粒、しっとりタイプのフード」です。
「ウェットタイプ」は缶詰やレトルトパックのフードです。とても食いつきがいいのですが、1食あたりの値段がやや高めになり、開封後の保存が利かず、栄養バランスも偏っていることがあります。
保存性、経済性、食いつきといった面で選ぶようにしたいですね。
パッケージの表示に注目しよう
フードを購入する時は、パッケージの表示に注目してみてください。フードには必ず内容に関する表示、与え方に関する表示がされています。もし、そうした表示がない場合は法律に違反している製品の可能性があります。購入を控えた方がいいでしょう。
ペットフード安全法では、「名称」「賞味期限」「原材料名」「原産国名」「事業者名及び住所」を必ず日本語で表示することになっています。こうした情報は、購入する側にとって、重要な情報ですよね。
中でも「原材料名」に注目してください。多くのペットフードが「含まれている量が多い順」に材料名が書かれています。
大抵、「穀物」「肉類」「野菜類」「ミネラル類」「ビタミン類」「酸化防止剤」などが順番に書かれています。
トウモロコシ、小麦、ビーフ、チキン、ホウレンソウ、ニンジンなど、多い順に書かれているので、複数のフードを見比べてみてください。犬は肉類が好きで、トウモロコシや小麦などの穀類よりも、肉類が多く含まれているフードの方が食いつきがいいですよ。
そうはいっても、穀物(炭水化物)も犬には必要です。穀物ゼロのフードを敢えて選ぶ必要はありませんが、愛犬の好みや飼い主さんの考え方で選ぶようにしてください。
アレルギーがある場合は要注意!
もし、食べた後に愛犬の口や目など粘膜部分が赤く腫れたり、蕁麻疹のようなものが出たり、全身の痒み、痙攣、嘔吐、呼吸の異変などが現れた場合は「食べ物によるアレルギー」が疑われます。
その場合は、フードをパッケージごと動物病院に持っていきましょう。そして血液検査を受けて「どういう成分にアレルギー反応が出ているのか」検査してもらいましょう。
アレルギーの原因になる物質は身近に溢れています。小麦、卵、肉、ダニ、ハウスダスト、プラスチック、金属など、実に多くがアレルギーの原因になりえます。
血液検査の結果を見て、どういう物質に強く反応しているのか把握しましょう。そして獣医師と一緒に、どんな食生活が望ましいか考えてください。
アレルギーを完治させることは非常に困難です。酷いアレルギー症状が出ないよう、原因物質を取り除いた生活をしながら、アレルギー症状に対する対処療法を続けていくようになります。
健康管理手帳のようなものを作って、なにをどれだけ食べさせたか。どんな反応が出たか。こうしたことをチェックしていくようにしてください。
食欲がない時は工夫して
愛犬の食欲がない時は、全く別のフードを与えるのではなく少しだけトッピングを加えてみてください。栄養バランスを崩さないよう、トッピングの量は少量にします。
・ウェットタイプのフード(レトルトや缶詰)をいつものカリカリタイプの上にのせる
・肉のゆで汁をかける
・甘みのあるゆで野菜をのせる
・おかゆをカリカリタイプのフードに混ぜる
少し何かを加える、といった形で「におい」「甘み」で犬の食欲を誘ってみてください。急にフードの内容を変えると下痢をするなど、体調不良の原因になりますから注意してくださいね。
愛犬に合ったフードを選んであげよう
愛犬に合ったおいしいフードを選んであげたい。飼い主ならそう思いますよね。
ポイントは「総合栄養食」を食べさせて栄養バランスが取れた食事を続けることです。そして、フードはパッケージをよく見て選びます。原材料などをチェックし、愛犬の好みに合ったものを選んでください。
アレルギーがある場合は、なににアレルギー反応を示すのか、ということを知るところからスタートしましょう。そして、極力、アレルギー反応を示すものと接触しない生活環境を整えてあげましょう。
愛犬の様子を見ながら、フードの表示をチェックしつつ、ごはんを選んでくださいね。