まさに犬の義務教育?! 必ず教えたい犬のしつけ5選!

まさに犬の義務教育?! 必ず教えたい犬のしつけ5選!

犬のしつけ、と聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょう? オスワリ? オテ? しつけと言っても数多くあり、どんなしつけをすればいいのか? これだけは絶対! というしつけはあるのか、悩みませんか? 犬にとっての義務教育、必ず教えておきたいしつけは5つです。基本となる5つのしつけを紹介します。


こんにちは。小動物看護士(ドッグシッター/小動物介護士)の須永智尋です。犬のしつけは数多くありますが、基本のしつけは5つです。この5つをしっかり覚えさせれば、他のしつけもスムーズに行えるでしょう。逆に、この5つができなければ他のトレーニングは難しいといえます。そんな基本的で義務とも言えるしつけを紹介します。

しつけを開始する前の必須条件

犬をしつける、トレーニングをするには次のようなことができる犬でなければいけません。

・犬の全身を撫でることができる
・アイコンタクトができる(犬の方から飼い主の目を見てくる)
・犬を仰向けにしたり口を掴んでも抵抗しない

この3つができる、ということは「犬が飼い主に従う心を持っている」ということです。犬は群で生活する動物で、強いものがリーダーとなって群を統率していました。強いものにしか従わない動物なので、しつける時は犬が飼い主をリーダーとして認めていなければなりません。

どこに触れられても怒らず、犬の方から目を見てくる(ご機嫌伺いなどをする)犬なら指示もちゃんと聞けるでしょう。特に、仰向けになってお腹を見せたり、口を掴まれるのを受け入れる行為は「相手に服従の意を示す行為」です。

子犬の頃から毎日積極的にスキンシップをはかり、密な関係を築きながら飼い主の方が優位に立てるようにしておきましょう。上記、3つができる犬になってはじめて、しつけられるようになります。

トレーニングの方法とルール

しつけるときは、次のことを守るようにしてくださいね。

・マンツーマンで行う
・1回当たり、訓練は約10分
・できたら盛大に褒める

誰に従えば良いのか早く覚えさせるため、必ずトレーニングは「飼い主ひとり」に限定します。そして、犬の集中力は10分前後(長くても20分持たない)なので、ひとつのトレーニングは10分以内くらいにしましょう。

そして最大のカギは「褒めること」です。「声をかける」「体を撫でたり、ポンポン叩く」「おやつを与える」この3つの褒め方があります。犬のモチベーション、トレーニングの達成度、トレーニングの難易度に合わせて褒め方をうまく使い分けてください。

例えば、何度繰り返しても失敗ばかりしている場合や集中力が切れかかった場合は、少しハードルを下げて援助しながら成功させ、盛大に褒めましょう。撫でながら声をかけ、少量のおやつをもらえれば犬もやる気を取り戻すでしょう。

なお、トレーニングで使う言葉は事前に決めておいてください。そして「オスワリ」「オテ」「オカワリ」「オイデ」といったような「同じ音で始まる指示」は避けてください。音はとても大切な情報です。聞き取りやすく、短く、明確な言葉を使ってくださいね。

【基本のしつけ1】スワレ

このしつけを知らない人はいないでしょう。また、簡単なので直ぐに習得できますよ。やり方も簡単です。

(1)フードを一粒、手に持つ
(2)犬の頭上に(1)の手をかざす
(3)犬がフードを持つ手を見上げると、自然に座る態勢になる
(4)犬が腰を下ろした瞬間に「スワレ」と声をかける

こうすることで犬は「スワレ」という音と、座る動作を覚えます。

【基本のしつけ2】マテ

スワレができるようになったら、マテを教えます。スワレとマテができれば、飛び付きも、飛び出しも防げます。これから先のしつけがグッと楽になりますよ。

(1)手にフードを5粒ほど持つ
(2)スワレと指示し、犬が飼い主を見上げるのを待つ(アイコンタクト)
(3)視線が合ったらフードを1粒食べさせる。
(4)犬が食べ終わって立ち上がろうとしたら、再びフードを1粒食べさせる。

座ったままで、飼い主の目を見たらフードがもらえる。これを覚えさせます。フードがなくなったら「ヨシ」と言って立たせましょう。これが確実にできるようになったら、いよいよ「マテ」です。

(5)右手にフードを持ち、スワレと言って座らせる
(6)座ったらフードを1粒食べさせる
(7)食べ終わるころに「マテ」と言いながら、フードを持った右手を鼻先・左手の手の平を目の近くへ近付ける。
(8)両手を犬の顔から退けて、アイコンタクトをとる。
(9)アイコンタクトができたらフードを1粒与える

この(5)~(9)を繰り返して「マテ」を教えます。こうすることで「マテ」という言葉と「飼い主の左手の平」というサインを覚えてくれます。

慣れてくると左手の平を差し出されただけで、マテの姿勢を取るようになります。

【基本のしつけ3】コイ

オモチャを見せながら「コイ」と言ったり、名前を呼びながら「コイ」と言って飼い主が走ってもいいでしょう。簡単に覚えてくれると思います。

「コイ」と声をかけてちゃんと飼い主のもとへ来たら「ヨシ」とか「いい子」と言って盛大に褒めてあげましょう。「コイ」の指示に従ったとき、とてもいいことがある! と覚えてくれれば、ドッグランなどで放した時(遊びに夢中になっている時)でもすぐ戻ってくる犬になりますよ。

【基本のしつけ4】ツケ

散歩の基本となるしつけです。犬は常に飼い主の足の傍に立つようにしつけます。

(1)散歩に出るとき、右手でリードを持ち、左手でリードの真ん中を持つ
(2)左手で「ツケ」と言いながら自分の足を叩き、歩き出す
(3)犬が先に前へ進んだり、反対に進もうとしたらリードを引き、足を止める
(4)再び「ツケ」と言いながら自分の足を叩き、歩き出す

時間が掛かるかもしれませんが「飼い主の横を歩く」「飼い主が進む方向を決める」ということを覚えてもらいましょう。繰り返せば「ツケ」を覚えると同時に、飼い主が足を叩くだけで横につくようになりますよ。

飼い主と一緒に歩くことができたら言葉でしっかり褒めてあげましょう。ただし「興奮する遊び」はご褒美にしないでください。飼い主と一緒に歩くしつけなので、落ち着いて歩けるようにする必要があります。

【基本のしつけ5】フセ

スワレができれば、フセも比較的簡単です。

(1)手にフードを数粒持つ
(2)スワレと指示し、座ったらフードを持った手を差し出し、見上げさせる。
(3)フードを持った手を犬が見ているのを確認しながら、ゆっくりと手を下ろし床に付ける
(4)フードを持った手に犬が顔を近付け、伏せた態勢になったら「フセ」と言い、伏せた状態でフードを食べさせる

フセができるようになれば、フセから後ろ足を崩してリラックスできる「ヤスメ」も覚えさせられます。足を崩して座る方法は楽な態勢なので、できるようになればスーパーの外で待つ時などに「ヤスメ」と指示し、犬自身が楽な姿勢で待たせることができるようになりますよ。

しつけは短時間で集中し、楽しく!

しつけは子犬の頃から始まっています。遊びながら全身を撫でるところからスタートし、飼い主のことが大好きで一緒に遊ぶのが楽しくて堪らない犬にしましょう。

そして、トレーニングはマンツーマンで行い、短く解りやすい言葉で指示し、褒めたり、撫でたり、おやつをあげるという「楽しいしつけ」を続けてください。

なかなか思い通りに進まなかったり、できていたのにできなくなる、ということもあるでしょう。ですが、必ず覚えてくれます。この5つのしつけは基本ですから根気よく楽しく続けてくださいね。

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