犬が受けるストレスって?
本来、犬は外で生活する生き物なので、室内犬などは特にもともとの生活環境とは全く違う状態で暮らしています。
人間の暮らしに合わせた犬のライフスタイルは、私たちの立場からでは分からない犬が感じる独特のストレス因子があります。室温、食事の時間や水を飲むタイミング、トイレをするタイミング、散歩に行くタイミングなど、お留守番が長くてさみしいなど様々な要素が考えられます。
犬のストレスはこんなところに現れる
■無駄吠え
犬の「無駄吠え」とは何でしょうか。
「無駄吠え」とは、飼い主さんの立場から立った表現で、飼い主さんが吠えられると困る時に犬が吠えることについた呼び名です。本来、吠えることは犬にとっては感情表現であり、何か伝えたいことがある時でもあります。吠えることは、赤ちゃんが泣くのと同じで、犬にとってのコミュニケーション手段のうちのひとつです。
ストレスで吠えてしまう場合は、そのストレスが何なのかを見極めてあげたいものです。
■同じ場所をうろうろと往復する
動物園などの動物が、同じ場所を行ったり来たりしているのを見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
犬だけでなく、様々な種類の動物に見られる行動で、サークル内での飼育など、決められた一定の場所だけで生活しているケースによく見られるストレス表現です。
犬が楽しそうにしているわけでなく、同じ場所をうろうろと行ったり来たりしている場合は、犬にストレスがたまっている表れかもしれません。生活環境を見直してあげてみましょう。
■しっぽを追いかけてぐるぐる回る
犬が自分のしっぽを追いかけてぐるぐると回るような行動もストレスの表れだとされています。
適さない環境へのストレスや、飼い主さんにかまってほしいことへのストレスなどが原因だと言われています。
しっぽを追いかけるのと止めないで放置していると、犬はどんどん興奮状態になり、ケガや噛みつきの原因にもなりうるので注意が必要です。
■体の一か所をなめ続ける
普段のグルーミングではなく、たとえば前足であったり体の一部分を集中的になめたり、軽く噛んだりする行為もストレスの表れです。
強迫性異常症と呼ばれる自傷行為のうちのひとつで、強いストレスからの逃避のために行うことが多い症状です。
集中的に舐めている部分は毛が抜けたり、そこからばい菌が入って炎症を起こしたりします。癖になりやすいので、一度治っても繰り返すことが多いでしょう。
犬が同じ場所をなめ始めたら、気がまぎれるように、構ってあげるのが効果的です。
愛犬は大丈夫?ストレスチェックしてみましょう
犬がストレスを感じて行動を起こしていたとしても、意識して犬の行動をチェックしていない限り、日常生活ではなかなか発見できにくいものです。
忙しい毎日ですが、定期的に立ち止まって犬の行動をきちんとチェックしてみましょう。
■日常での変化
□物音に過剰に反応するようになった □トイレの失敗が増えた(加齢を除く)
□吠える回数が増えた □食欲不振 □トイレの回数が増えた □同じ場所を行ったり来たりする
□同じ場所を走り回る □自分のしっぽを追いかけてぐるぐる回る
■性格の変化
□唸ったりよく怒るようになった □攻撃的になった □何に対してもあまり喜ばない □無気力
■身体の変化
□身体の一部分をなめ続ける □身体の一部分を噛む □あくびの回数が増えた □震えている
□よだれの量が増えた □顔を飼い主さんの方へ向けたがらない □下痢をしている □脱毛
□皮膚炎(乾燥肌を含む)□目が充血している
ストレス解消をしてあげたい!
犬のストレス解消に効果があるとして、つぼマッサージやアロマテラピーなど様々な対策が言われますが、もともとのストレスの原因になっているものを取り除かない限り、いくら対策をしても効果は半減してしまいます。
犬のストレスの原因を探ってみましょう。
■食事面
食事はきちんと足りているでしょうか。成長や犬の状態に合っていない食事内容ではないかなどをチェックしてみましょう。分量が多すぎたり、少なすぎたりにならないように、「ちょうど良い」を見極めてあげましょう。
■住環境
室内飼いの場合、冷暖房などの温度や湿度は犬が快適に過ごせるものでしょうか。犬種によって原産地が違うので、原産地の環境も知っておくと参考になるでしょう。
また、室内飼いで注意したいのが、フローリングなどの滑りやすさです。滑りやすいフローリングは、犬にとって大きな負担になるので対策をしてあげてみてはいかがでしょうか。