2017年01月13日

寒い冬は要注意!愛犬が冬にかかりやすい病気やケガは?

寒い冬は人も免疫力が下がり、風邪やインフルエンザにかかりやすい時期です。犬もまた人と同じように、免疫力が低下しているので病気にかからないよう普段よりも予防をしっかりとしておきましょう。今回は、冬だから気を付けたい愛犬がかかりやすい病気をご紹介します。


膀胱炎など泌尿器の病気

冬は気温が低下しており、夏よりも愛犬の水分摂取量が自然と減ります。そこでおしっこの排出量が減ると、膀胱に侵入した雑菌が出て行かずに炎症を起こすことも。それをきっかけに膀胱炎や腎臓の炎症など、泌尿器科系の疾患にかかる恐れがあります。

メスは膀胱炎、オスは前立せん肥大や結石に要注意。メスはオスよりも尿道が短いので、雑菌が侵入したときに膀胱炎になりやすいです。オスは尿道の先が細いので、その部分に結石ができて尿道をふさいでしまうことも。

また、去勢していないオスは高齢になると前立せん肥大のリスクが高くなるので、冬は特に注意して体調を観察しましょう。

症状は、排尿しようとしたときに時間をかけて少しずつ出そうとしたり、こまめに中断して一回でおしっこを出そうとしなかったりというものがあげられます。これは、愛犬の尿道や膀胱の炎症によって、痛みがあるためスムーズにおしっこを出すことができないから。

また、結石や炎症が進行すると、やがて血尿など目で見てわかる症状が現れます。泌尿器に異常があると、おしっこの色も濁ったようなものになったり、チョコレートのような濃い色になることがあります。

このような症状が見られたら、早めに動物病院へ連れて行って治療を受けましょう。

ヒートショック(心臓疾患)

冬になると、ご高齢の人がお風呂場で倒れていたという話をよく耳にしませんか?これは「ヒートショック」という現象によるもの。

冬は室内と室外で温度差が高い上、浴室ではいったんさむい場所で裸になってから、高温のお風呂に入浴します。

このような急激な温度差を感じると、体の血管が激しく収縮して、血圧に異常を起こしてしまうことがあります。その結果、脳こうそくや心筋こうそくを発症するリスクが高くなり、そのまま命を落としてしまったり、重い障害が残ってしまったりすることも。特に老犬は血管の柔軟性が落ちていて、脳や心臓疾患のリスクが高いので要注意。

室内の温度管理に気遣うだけでなく、散歩に行くときもできるだけ体が冷えないように防寒着を着せてあげましょう。また、冬のシャンプーは愛犬の体に負担がかかるため、脱衣所を温める、洗った後はすぐにドライヤーで乾かすなどして、温度管理に気を付けましょう。

ちなみに冬の室温は25度前後、湿度も50~60%が理想。老犬や病気の犬の場合は28度程度と温かくしてあげてください。

関節炎などの関節の疾患

関節炎などの関節の疾患

また、冬になると多いのが関節炎など関節の疾患です。冬は気温が下がっていて、お年寄りが足や腰に痛みを感じるように、犬もまた関節の痛みの症状が出やすいです。

もともと骨関節の疾患を持っている子は、特に冬場に強い痛みを感じやすいので、散歩に行きたがらなかったり、室内でも横になっていることが増えたりなど、歩くのを嫌がるようになったら足の痛みを疑ってみましょう。

特に関節が弱くなっている高齢犬や、関節に体重がかかる肥満犬は要注意。フローリングの床は犬の肉球がすべって踏ん張りがきかず、関節を痛めてしまうことがあります。愛犬が過ごす部屋は滑り止めのマットやカーペットを敷いたり、高いところから飛び降りないようにソファや階段には登らせないようにしたりと、対策を行いましょう。

低温やけどやしもやけ

また、病気だけでなくケガにも注意が必要な季節です。温かいホットカーペットやこたつは、快適で毎日使っている人も多いですよね。しかし、このホットカーペットの上でずっと過ごしていると、低温やけどの危険性があります。低温やけどになると、患部が水ぶくれになったり赤くなったりなどの症状が出ます。

愛犬は人と違って毛に覆われているので、発見が遅れてしまうことも多いです。低温やけどの症状を見つけたら、飼い主さんが自己判断で愛犬に薬を塗ることはやめて、動物病院で適切な治療を受けましょう。

また、低温やけどに次いで多いのがしもやけです。しもやけは気温の変化によって冷えた部分の手や足が炎症を起こしたような状態のこと。ひどいかゆみや痛みが出るため、毎年悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

愛犬も人と同じくしもやけになってしまうため、足を冷やさないように散歩中は靴を履かせたり帽子を被せたりして防寒対策をしてあげましょう。

肺炎や気管支炎などの呼吸器系疾患

冬は低湿度によって、抵抗力が弱まっています。そのため、空気の乾燥で喉も乾いています。そこにウイルス感染が起こると、せきや鼻水などの気管支の炎症症状が起こります。せきが長引くと、高齢犬の中には呼吸困難になってしまう子も。

また、くしゃみのような「クシュン」という乾いたせきは、肺炎の可能性も考えられますので、悪化しないうちに治療を受けましょう。このような呼吸器疾患を防ぐため、冬は室内が乾燥しないように加湿器を使いましょう。

このように、冬だからこそ気を付けたい病気やケガはいくつもあります。まずは室内でも愛犬が快適に過ごせるように気温や湿度に注意してあげてください。また、老犬は免疫力が落ちていて、肺炎などの危険な病気を発症するリスクが高くなっているため、気になる症状があったら早めに診察を受けて治療を行いましょう。