2017年11月06日

寄り添ってあげたい老犬の夜鳴き 原因や対処法など

老犬になると、突如夜鳴きをするようになる子がいます。なぜ夜鳴きするのでしょうか?対処法も考えてみましょう。


愛犬がどんどん年をとって、介護が必要な年齢になったとき、「夜鳴き」が始まることがあります。
老犬の夜鳴きは、唸るような低い声を何時間も出しているパターンや、クンクンとさみしそうな呼び声を続けるパターン、意味もなく(のように見える)ワンワンと吠えるパターンなど、症状の出方は様々ですが、唸るような声で鳴く例が多くあります。

何時間も続くと近所の人の迷惑にならないか?と心配になったり、実際ご近所トラブルになることもあります。飼い主さんも十分な睡眠がとれずにイライラしてしまうこともあるかもしれません。

老犬になると、なぜ夜鳴きが始まるのでしょうか。

老犬の夜泣きはなぜ起こる?

老犬の夜泣きには、いくつかの原因が考えられます。
まずは、なぜどのような症状がでているのかを愛犬を観察することで探ってみる必要があります。

神経や脳のトラブルが原因の夜鳴き

理由のうちで多いのが、神経や脳のトラブルが原因で起こる夜鳴きです。
人間でいうところの痴ほう症や認知症といった類のもので、この場合は、抗うつ剤で抗神経薬、睡眠薬、抗てんかん薬などのお薬で状態を緩和してあげることができます。

お薬を使うことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、夜鳴きは老犬の体力を消耗させます。飼い主さんの価値観を獣医さんとしっかりと相談して、対処法を決めていくようにします。

不安やさみしさなど心の不安定さからくる夜鳴き

体力が衰えていき、耳が聞こえなくなってきたり、目が見えなくなってくることへの不安や、体に感じる痛み、思うように体を動かせないことへのストレスなどが考えられます。
仔犬を飼った時に、さみしさで夜キュンキュンと鳴く子がいますが、それに近い状態であるとも言えるでしょう。

ワガママからくる夜鳴き

若い時は聞き分けが良くおりこうさんだった犬が年を取ったら、なんだかワガママになったという話もよくある話です。年を取って、自制心が保てなくなったり、それが「ワガママ」に見えてしまうこともあります。
寝床の具合(温度や湿度、シーツの偏りなど)が気に入らない、部屋の温度が高い、まぶしいなど色々言いたいことが増えてきます。これまでは、暑ければ涼しいところへ自由に行けたけど、足腰が弱っていたり、踏ん張ると関節が痛いなどの理由でいけず、それを夜鳴きという形で表現してしまうのです。

認知症かな?と思われる症状とは

犬の夜鳴きが始まっても、それがすぐに認知症かどうかを判断することは難しいものです。認知症だと飼い主さんが気付いてあげる必要もあります。
具体的にはどのような症状があれば、認知症かな?と気付けるのでしょうか。
いくつか当てはまるものがあれば、獣医さんと相談してみてはいかがでしょうか。

*知っているはずの人の顔が分からない
*落ち着きがなく家の中をグルグル回る
*突然トイレをしてしまう
*トイレの失敗が増えた
*食欲の低下
*攻撃的な態度が増えた
*不眠になる
*昼夜が逆転する
*障害物に当たったり、立ち往生して通れずにいる

夜鳴き対策、飼い主さんは何をしてあげられる?

夜鳴きを続けられると、近所の人への迷惑などを考えて、飼い主さんにもストㇾスがかかってしまいます。特にマンションでペットを飼っている人はストレスの度合いが大木かもしれません。
かと言って、家を防音に改築することもできないし、、、、と困り果ててしまう飼い主さんもたくさんいます。
夜中に犬が鳴くことで飼い主さんも睡眠不足になり、精神的にしんどくなってしまうということも良くある話です。

寄り添うことを大切に

老犬の夜鳴きは、目や耳などの感覚が鈍くなり、自分がどこにいるのか、誰といるのかが少し分からなくなっているのかもしれません。
飼い主さんがそばにいてくれることが分かれば、安心して眠りにつくことができたりもします。
体をさすってあげると落ち着きを取り戻したり、飼い主さんの匂いのするものを渡してあげると安心できたりします。
老犬の夜鳴きで寝不足になり、ついイライラしてしまいがちですが、老犬は飼い主さんの愛情を強く求めていることを忘れないでください

夜ちゃんと眠れるような工夫をしてみる

夜鳴きをする老犬の多くは、昼夜逆転していて、夜鳴きする分昼間に寝てしまう子がたくさんいます。昼夜のリズムが逆転することは、本来の犬の暮らしとは違うので、体にもストレスがかかってしまいます。
昼寝をしている時に声をかけたりするのは気が引けますが、なるべく昼間に起こしてあげる工夫が必要です。
ほんの少しだけお散歩の時間を伸ばしてみたり、なるべく午前中に日光を当たる習慣をつけたり、室内飼いであれば窓際に連れて行ってあげるなど、体内時計を正常化してあげる必要があります。

悪気があって鳴いているわけではないのです

それまでおりこうさんだった犬が夜鳴きをすると、その変化に飼い主さんがついていけずに困ったちゃんを見るような眼で見てしまいがちですが、犬はそのような飼い主さんの心の変化も敏感に察知してしまいます。(だって本当はおりこうさんなんですから!)
体や心の変化に苦しんでいるのは犬自身であることを受け止めてあげるようにしましょう。

獣医さんの方針で、時々睡眠薬を処方されることがありますが睡眠薬は量の調節が難しく、老犬のその時の体調などによっては、命にかかわる状態に陥ってしまうことがあります。睡眠薬を使用する場合には細心の注意を払うようにしましょう。