犬のおまわりさん
ちょっとはにかんだ表情ですが、知性を感じる瞳は精悍な雰囲気が感じられます。
こちらが犬のおまわりさん。
プエルトリコでのお話。
バヤモンという街の警察署に、一匹の犬が暮らしています。
その名も「ジョージ」。
リアル「犬のおまわりさん」といったところでしょうか。
けれど、ジョージは一般的な警察犬とは違います。
犯人を追うこともありませんし、捕まえることもありません。
すべては、警察署での出会いから始まったのです。
虐待を受け、彷徨っていたジョージ
実は、ジョージは元野良犬。
ジョージにはもともと他の飼い主がいました。
ところが、その飼い主から虐待を受け、体はガリガリに痩せ細り、暴力を振られたような傷跡まで。
命からがら、飼い主のもとから逃げ出してきたのです。
たどり着いたのが、警察署でした。
ジョージが救いを求めた警察署では、見た目はいかつくてちょっと強面の警察官が、優しく迎え入れてくれました。
心優しいおまわりさんのおかげで、命を救われたジョージ。
やってきたその日の夜、一度姿を消してしまったようですが、翌日再び警察署に現れました。
「ここで暮らさせてください」と言わんばかりに、人懐っこく甘えてきたというジョージ。
警察署では、ジョージを飼うという決断を下すのです。
警察犬ではないけれど
警察著のメンバーとして迎え入れられたジョージ。
警察犬は通常、特殊な訓練を受け、犯人逮捕のお手伝いをしますが、ジョージに与えられた仕事はちょっと違います。
言ってみれば「セラピードッグ」。
警察官たちの心を癒してくれる存在として、大切に育てられているのです。
ジョージのお世話係のトニーさんのもとで、ジョージは人間への恐怖心を徐々に克服していきます。
いまでは、警察官たちに心を完全に開き、愛きょうを振りまくまでに。
試練を乗り越えたのです。
幸せな住処を見つけたジョージ。
警察署の見張り番として、愛情を一杯受けながら過ごしていくことでしょう。