2017年11月06日

猫の耳ダニ、大丈夫ですか?症状から対処法まで徹底解明!

一般的に「猫の絵を描いて」と言われたら、大きな目とピンと立った大きな耳が特徴的でしょう。その大きな耳の健康、守れていますか?猫の耳ダニについて調べてみましょう。


猫の「耳ダニ」って何??

猫が最近やたらと耳を掻く仕草をしてるなぁと思ったら、要注意!それは耳ダニがすみついているかもしれません!

猫の耳にダニがすみつき、繁殖している状態を「耳ダニ症」といいます。正式名称は、「耳疥癬(みみかいせん)」という症状です。
耳の中だけにすむ「ミミヒゼンダニ」という小さなダニが起こす症状です。小さなダニとはいえ、繁殖力が非常に強く、油断すると症状が慢性化してしまうので、見つけたらすぐに動物病院を受診することをおすすめします。

耳ダニの症状とは??

では、具体的には、どのような症状を起こすのでしょうか。

*強いかゆみがある
*ミミヒゼンダニの排泄物が混ざり、黒っぽい耳垢がたくさん出る
*耳から嫌な臭いがする
*外耳炎を起こしてします(耳たぶが赤く腫れる)  など

強烈なかゆみがあるので、猫がしきりに耳をかいていたり、床や壁に耳をこすりつける、頭をふって耳についた何かを取ろうとするような仕草を見せるなどが見られたら要注意です。耳ダニ症にかかっていないか、まずは入念にチェックすることをおすすめします。
猫が耳を掻きすぎて、かきむしって傷がつきそこから別の細菌に感染してしまうこともあるので、猫がかゆそうな姿を見せるときは、チェックが必要です。

ミミヒゼンダニに感染していた場合の多くは、耳の中を掃除してあげた時、べっとりと付く耳垢の中に、0.3~0.5mmの白っぽいダニを確認することができるので、定期チェックの参考にしてみてください。

どこから感染するの??

ミミヒゼンダニは、非常に繁殖力が強いので、多頭飼いをしている場合などは、かなり気を付けておかないと、気がついたら、猫がみんな耳ダニ症にかかってしまっていた、なんていうことにもなりかねません。また、子猫に感染が多く見られることもあり、母子感染というルートもあります。

家の外に遊びにでかける猫ちゃんは、外でミミヒゼンダニをもらってくることが多いので、注意が必要です。

生活習慣では、猫の耳の手入れが行き届いていないと、耳の中にほこりや耳垢が溜まり、ミミヒゼンダニが付きやすくなります。定期的な耳のチェックで感染しないように予防することが大切です。

もしかして、人にもうつるの??

耳ダニのもとになるミミヒゼンダニは、基本的には猫の耳に寄生していない限り、永く生きることができないという特徴があります。
ごくまれに、人間にもかゆみを伴うような発疹が出る場合もありますが、猫の耳のように人間の耳に寄生することはありません。

耳ダニの治療法は??

耳の中に溜まった耳垢やミミヒゼンダニを洗浄液を使用してキレイに取り除き、そのあとに投薬をします。
塗り薬を使用したり、引っかいたことで傷が出来てしまっている場合などには、抗生物質を同時に処方されることもあります。
最近では、首の辺りに殺疥癬効果のある薬剤を垂らすスポット式のお薬もあります。

治療の時に気を付けておきたいことは??

耳ダニの駆除は時間がかかります。
成虫になったダニを駆除するだけでは、耳の奥に隠れた卵が孵化するとまた同じことの繰り返しになるからです。耳ダニの駆除は、根気よく徹底的に行うことをおすすめします。
また、ミミヒゼンダニの卵には薬が効きにくいという点もあるので、短期間で根絶しようとはせず、気長に治療していきましょう。

多頭飼いをしている場合には、中に1匹でも耳ダニに感染している猫がいると、すぐに全部の猫に感染が拡がるので、1頭だけを治療しても、ピンポン感染のような状態になってしまいます。
治療は、全部の猫を同時に行うことをおすすめします。

動物病院での耳の洗浄や投薬だけでなく、普段からなるべく耳の中を清潔にして、ミミヒゼンダニが棲みつくことができない環境にしておくようにしましょう。

やっぱり気になる!治療費のこと

どうしても高額になってしまうペットの治療費ですが、耳ダニの場合は、いくらくらい必要になるのでしょうか。

洗浄と投薬を合わせて1000円~3000円の範囲であることが一般的ですが、初診料やダニ検査料などを考えて、少し多めに持っていくことをおすすめします。耳ダニの治療の場合は、1回で済むことはあまりなく、数回通院することになるので、重症化させないことが猫の体にとっても、飼い主さんのお財布事情にとっても良いでしょう。

治療に使用する薬は殺虫剤なので、使い方や回数などの説明を獣医さんからきちんと受け、必ず使い方などを守るようにしましょう。また、分からないことがあればすぐに聞くようにすると良いでしょう。
同時に、猫の耳かきの仕方なども教えてもらっておくと安心です。

耳ダニは成猫よりも、比較的子猫に多く見られる症状です。子猫の耳は小さく、チェックすることが成猫よりも難しい点もありますが、猫にとって、かゆみは大変なストレスになります。
早期発見&早期治療で、猫ちゃんを助けてあげましょう!