2016年08月30日

シベリアンハスキーってどんな犬?性格や特徴、飼育方法や気をつける病気について

オオカミのような優雅な容姿のシベリアンハスキー。神秘的な外見、美しい毛色の凛々しい姿に惹かれる人も多いのではないでしょうか。クールな容姿とは裏腹に温厚で甘えん坊なのも魅力の1つです。ここではシベリアンハスキーの性格や特徴、飼い方やしつけのコツを紹介したいと思います。


シベリアンハスキーの歴史

シベリアンハスキーのルーツ

シベリアのチェルスキー山脈が原産地で、極東北極圏を中心に生活していた遊牧民「チュクチ族」により、使役犬として重用されていました。
「ハスキー」という名前はエスキモー人のことを「ハスキー」と呼ぶことに由来しているという説や、吠える声が枯れているからという説などがあります。

犬ぞりで有名なハスキー

もともとチュクチ族に犬ぞりによる荷物の運搬や狩猟の補助として重用されていたシベリアンハスキー。そりを引く犬種として有名です。

北米で有名な犬ぞりレースにアメリカのアラスカで開催される「アイデッタロッド」とカナダで開催される「ユーコンクエスト」があります。ともに約1600kmのレースで毎年開催されています。

1925年、アラスカのノーム市でジフテリアが流行。ハスキー犬が氷点下50度にもなる酷寒で厳しい天候のなか、544kmの距離をリレーしながら血清を運び多くの人々の命を救った話は有名で映画にもなりました。そのときのラストチームのリード犬だった「バルトー」の銅像がニューヨークのセントラルパークに建立されています。

日本でのハスキーブーム

日本では90年代に、北海道札幌市のH大学獣医学部を舞台に、個性的なキャラクター達の大学生活を描いた動物コメディ漫画「動物のお医者さん」で爆発的に人気が出て、シベリアンハスキーを飼う人が増大しました。

現在ではブームもおさまり、シベリアンハスキーを理解したうえで飼う人が多いようです。
ペットとして安定した人気のある犬種です。

シベリアンハスキーの特徴

シベリアンハスキーという犬種

スピッツ族に属しエスキモー犬の一種であり、ワーキンググループに分類されています。
見た目が似ているアラスカン・マラミュートやサモエドとは近親関係にあります。

多くの団体では中型犬と分類されているようですが、30kg以上ある犬も少なくなく、大型犬として扱われる場合も多いようです。

サイズは成犬では体高約50cm〜60cm、体重は約16kg〜28kg。
寿命は12〜14年です。

シベリアンハスキーの概要

毛色はブラック×ホワイト、グレー×ホワイト、シルバー×ホワイト、ブラウン×ホワイト、ホワイトのみと様々です。

極寒を耐えるのに適した皮下脂肪があり、柔らかく密集した下毛、まっすぐで滑らかに伸びた上毛のダブルコートで覆われています。

がっちりとした体つきで、立ち耳、ブラシ尾。目はアーモンド形です。
目の色はブルー、ブラウン、左右で色が違うオッドアイもあります。

極寒の地でそり犬として活躍していたルーツをもつため、長距離を走る耐久力を身につけています。

ハスキーの特徴といえば顔の隈取模様。成長するにつれて変化するので、顔の印象が変わっていくのも楽しみです。

シベリアンハスキーの性格

イタズラ大好き

イタズラ好きで好奇心旺盛。独立心も強く、楽天的な性格でもあります。
頭が悪いと言われたこともありますが、それはこの性格から。とても利口な犬種です。

温厚で社交的

穏やかな性格で飼い主や家族に対して従順で人懐こい犬種ですが、警戒心が強く頑固な一面もあります。

社交的で協調性があり、子供や他の犬に対しても仲間意識を持ち、優しく接するので多頭飼育にも向いています。

シベリアンハスキーの飼い方、しつけのコツ

室内飼育がおすすめ

飼い主や家族との触れ合いが大好きなハスキー。また寒さには強いですが暑さには弱いので、温度調節ができる室内飼育に向いています。
しかし、しっかりとしつけないと部屋中を荒らされることになるのでご注意を。

体臭は少ないですが、ダブルコートのため抜毛が多いのでこまめなブラッシングが必要です。
また清潔好きなので汚しておくとストレスにつながります。

運動はたっぷりと

とても活発なハスキー。たくさんの運動量が必要です。運動を十分にさせないと、ストレスによる体調不良や無駄吠え、脱走などの問題行動につながるので、毎日の散歩は欠かせません。

散歩時間はできるだけ長く、暑さは苦手なので夏季の散歩は早朝や夜間など涼しい時間帯を選ぶようにしましょう。

力が強いので、しっかりとした服従訓練が必要です。

注意すべきこと

冒険好きで放浪癖があるので、脱走対策は必ず行うこと。また地面を掘る癖もあるので、庭を荒らされないよう注意が必要です。

イタズラ好きで好奇心が強いため何でも口に入れてしまいます。誤飲させないよう気をつけてください。

利口な犬ですが、集中力があまりある犬種ではないので根気をもってしつけを行いましょう。

シベリアンハスキー気をつけたい病気

目の病気

● 白内障
水晶体が濁り、視力障害を起こします。

● 緑内障
眼球内部の圧力(眼圧)が上昇することで疼痛が起こり、眼球が大きくなり、視力障害を起こす病気。

● ブドウ膜皮膚症候群
免疫の異常によって起こる病気。両目が大きくなり、進行すると角膜が濁り、視力が低下します。

脳の病気

● 特発性てんかん
脳に異常が見つからないにもかかわらず、けいれん発作などを起こす病気です。
全身がけいれんし、意識を失う全身発作、顔の一部や四肢だけがけいれんする部分発作があります。発作は一時的でおさまるとけろっとしていることもよくあります。完治が困難で、生涯つきあっていかなくてはなりません。

泌尿器の病気

● 異所性尿管
本来腎臓から膀胱へとつながっている尿管が、尿道や膣につながっている先天性の病気です。そのため失禁の症状が現れます。

内分泌の病気

● 甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが十分に分泌されなくなる病気です。
なんとなく元気がなくなったり、震え、脱毛、皮膚の黒ずみが見られます。また、食欲旺盛になる傾向があります。

骨と関節の病気

● 股関節形成不全
生まれつき股関節が不安定で、亜脱臼を起こしている状態。遺伝が関係しています。
後ろ足がうまく使えず跳ねるように歩いたり、腰を振って歩いたりします。

● 前十字靱帯断裂
加齢や肥満が原因で膝関節が不安定になっていたり、過度な運動をしたときに膝関節に強い力がかかることで前十字靱帯が断裂することがあります。

いつもと様子が違う、何かおかしい…そう感じたときはできるだけ早く動物病院へ連れて行き、獣医師に診てもらいましょう。

まとめ

オオカミのような外見のハスキーですが、実はイタズラ好きの甘えん坊。顔の模様によって各々の印象が全く異なるのも魅力です。

飼育するのに大変な犬種ではないので、飼育も楽しみながらできると思います。一度でもシベリアンハスキーを飼うと続けて2頭、3頭と飼育したいと思う人も多いといいます。

ハスキーの性格を理解し、服従訓練やしつけをしっかりと行えば素晴らしい家族のパートナーとなる犬種です。