2016年12月16日

見逃さないで!犬が噛み付こうとしているときの6つのサイン

犬が噛み付くのは本能的なこと。しっかりとトレーニングされて普段は人懐っこく、おとなしい犬なのに突然噛み付いた…ということもあります。犬は噛み付く前に必ずサインを出します。ここでは犬が噛み付こうとしている、噛み付かれる可能性があるときに見せる6つのサインを紹介したいと思います。


はじめに

犬はもともと野生で暮らし、狩猟生活をしていたので「噛むこと」は本能的なことです。だからと言ってそれを放っておいていいというわけではありません。しっかりとしつけ、噛みつかないようトレーニングをするということは、飼い主としてもっとも重要な責任の1つです。

しかし、パニックに陥ったり、置かれた状況によっては噛み付くことも考えられます。絶対大丈夫ということはありません。しかし、犬は噛み付く前に必ず警告を出します。

ここでは犬が噛み付こうとしている、噛み付かれる可能性のあるときに見せるサインを6つ紹介したいと思います。

あくびをする、口の周りを舐める、視線をそらす

あくびをする

たんに眠たいときにもあくびをしますが、知らない人にベタベタ触られたり、不快な状況に置かれたときに緊張感をほぐすために、また相手に「自分は攻撃しませんよ」と伝えるためにもあくびをします。

口の周りを舐める

不安を感じていて、緊張をほぐすために口の周りを舐めます。

視線をそらす

犬にとって目を合わせることはケンカの合図。基本的にはケンカを避けるために目をそらします。また、目をそらすことで、気持ちを落ち着かせようともしています。

これらのしぐさはカーミングシグナルと呼ばれるもので、不安を感じたときに、相手に対して敵意を抱いていないことを伝えるときに見られます。しかし、このときに必要以上にかまったりすると噛み付かれることがあります。

このようなしぐさが見られたときは、置かれている環境や状況に不安を感じているならその場から遠ざけ、人に対して不安を感じているときは触ったりせず放っておいてあげましょう。

唸り声をあげる、歯をガチガチ鳴らす、歯を見せる

犬が低い「ウー」という唸り声をあげ、鼻先にしわを寄せ、歯をガチガチ鳴らしながら、歯をむき出しにしている。これはとてもわかりやすいサインで、攻撃態勢のときに見られ、まさに噛み付こうとしています。このとき前の歯だけでなく、後ろの歯も見せていたら恐怖心が強い傾向があります。

このようなしぐさが見られたら、何が原因なのかを突き止め、可能であればその状況や、犬が恐怖を感じているものから遠ざけることが大切です。

しっぽを高めの位置でゆっくり振っている

犬はしっぽの振り方によって喜び、怒り、恐怖など様々な感情を表現しています。不安やストレス、恐怖を感じているときにもしっぽを振るので、知っていないと飼い主としても見落としやすいサインの1つです。

犬が喜んでしっぽを振るときは、しっぽだけでなく全身で喜びを表現しているのに比べ、犬が不機嫌だったり、不安を感じているときは、しっぽは上がりゆっくりと振ります。また体は動かさず表情もありません。

犬がこのようにしっぽを振るときは、置かれている状況が不快で攻撃態勢にあることを示しています。

体を固くしている、こわばらせている

犬が耳を立てて、目を見開き、体を固くして、凍っているかのようにじっとしているときは、とても不快で緊張しているサイン。強いストレスを感じています。

毛が逆立っている

犬の背中や首の毛が逆立つのは、人間でいうと鳥肌のようなもので、意識的に起こるものではなく、自然と起こる自律神経系の反応です。

恐怖や怒りを感じたときに、自分の体をより大きく見せて、相手を威嚇する意味があります。犬が体をやや前方に乗り出すように直立し、毛を逆立てていたら、相手を威嚇している攻撃的なサインです。

白目をむいている

普段犬の目は黒目がほとんどで、白目が見えることはあまりありません。怒られたりしたときに上目遣いになり、白目が見えることに思い当たる人は多いかもしれません。

しかし、犬が恐怖を感じているときにも白目をむきます。このとき、頭は動かしても恐怖を感じている対象物から目をそらすことはなく、白目が半月型になります。

このとき無理にかまったりすると、噛み付かれることがあるので気をつけましょう。

おわりに

多くの飼い主は愛犬が他人に噛み付くと、「噛むとは思わなかった」「突然だったので防げなかった」と言います。しかし、犬は体を使ってたくさんの合図を出しています。

愛犬が人に噛み付くのは飼い主側にとっても噛み付かれた側にとってもとても不幸なことです。ときには裁判沙汰になったり、犬が保健所に連れて行かれることもあります。

犬が恐怖や怒りを感じたり、不快な思いをしているときに見せるサインを知っておくことは、犬の生命を守るため、そして私たちを守ることにもつながるとても大切なことです。