犬の発情期 オスとメスでの違いや対応は?

犬の発情期 オスとメスでの違いや対応は?

犬を飼っていると、愛犬の発情期に関して考える機会が出てきます。 犬は成熟するとオスもメスも発情期を迎えます。その時、愛犬にどのように対応したらよいのか悩むこともありますよね。 ここでは、犬の発情期について、オスとメスの違いや対応について紹介します。


犬の発情期とは

犬の発情はヒートとも呼ばれます。
自然の摂理ではありますが、愛犬が発情期を迎えた時に頭を抱える飼い主さんもいるのではないでしょうか?
発情期は、犬の繁殖が可能となる期間のことです。この期間に交尾をすれば、妊娠する可能性が高くなります。
犬の体が大人になり、性的に成熟すると発情期を迎えるこことなります。
性成熟を迎えるのは、生後6~10ヶ月くらいの時期とされています。
個体差もありますが、大型犬よりも小型犬の方が性成熟するのが早い傾向にあります。

オス犬の発情期

実はオスには決まった発情期の期間がありません。
というのも、発情期中のメスに会うといつでも発情してしまうようになっているからです。
ですので、オスの発情には年中気をつけなければなりません。
発情期のメスから出るフェロモンは非常に強く、オスを刺激します。
刺激を受けたオスは、本能から問題行動を引き起こすことがあるので注意が必要です。

・マウンティング
メス犬の上に乗ろうとします。
相手が犬でなくても、クッションやぬいぐるみ、人の手や足に乗っかり腰を振ります。
相手がメス犬であると交尾となります。

・遠吠え
メスを求めて遠吠えをします。散歩の途中で発情期のメスに会ってしまい、そのことが忘れられなくて帰ってからも吠え続けることもあります。
本能から攻撃性が高まり、激しく吠えることも。

・マーキング
縄張り意識が強くなるので、自分の尿で縄張りに匂いをつけるマーキング行動がおきます。
これは、性成熟を迎えると始まります。

これ以外にも、メスのもとに行きたい一心で、散歩中に勝手にメスの匂いのする方向に向かって行くこともあります。
これらの行動を防ぐには、去勢手術をすることです。
発情は犬の本能から起こる行動なので、無理やりやめさせたり、叱ったりということは意味がありません。また、トレーニングで改善することも難しいでしょう。
犬の方も、発情したら交尾をしたいのに、それがかなわないことで大きなストレスを抱えてしまいます。そうならないためにも、子供を考えていないのであれば早い段階で去勢してあげたほうが良いでしょう。

メス犬の発情期

メスには決まった発情周期があり、それは年に1~2回の周期で訪れます。
メスの場合、小型犬で生後7~10ヶ月頃、大型犬で生後8~12ヶ月頃に、性成熟を迎え、最初の発情期が訪れます。
発情期には、陰部からの出血が起こり、それは10日程続きます。
ただし、日頃からよく観察しておかないと、出血の量が少なかったり、血を自分で舐めてしまい、愛犬の出血に気がつかなかったということもあります。

メス犬の発情サイクル

発情期前(約10日間)
交尾の準備期間です。
体内の性ホルモンである卵胞刺激ホルモンが分泌され、排卵に備えます。この時に頻尿になったり、外陰部からの出血が始まります。メスの発情期は、この出血が始まることで気づくことが多いでしょう。この時期のメスは、フェロモンのにおいでオスを引き付けますが、まだ交尾を受け入れる段階ではありません。

発情期(約10日)
排卵の準備が整うと、出血の色が徐々に薄くなり、メスは発情期に入ります。
この時期を迎えるとオスを受け入れるようになります。
オスが近づいてくると、尻尾を片側に寄せ、受け入れる体勢になります。排卵された卵子は約4日間受精が可能な状態です。子供をつくるのであれば、この時期に交尾をさせる必要があります。

発情後期(約2~3ヶ月)
発情期が終了し、出血も完全に止まり、オスを受け入れなくなります。
性ホルモンの分泌も収まってきて、体が正常な状態に戻っていきます。
この時期、受精が成立していれば、妊娠期間となります。妊娠していない場合も、あたかも自分が妊娠しているような偽妊娠する犬もいます。

休止期(約3~6ヶ月)
休止期は、発情と発情の間で、発情の兆候は全くなくなります。
精神的にも最も落ち着いて穏やかに過ごせる時期です。

メス犬の発情期の行動

メスが発情期に入ったときには

・落ち着きがない、そわそわする
・元気がない、精神的に不安定
・頻尿になる
・出血を気にして舐めてばかりいる

等の変化が見られます。
いつもよりも神経質になったり、落ち着かなかったりと、精神的にも不安定になることがあります。

発情期のマナー

メスの発情期は、分泌されるフェロモンによって、否応なしにオスをそわそわ落ち着かなくさせてしまいます。
この時期は、できるだけほかの犬との接触を避けることがベターです。
散歩の時間も、できるだけほかの犬と遭遇しない時間帯にしたり、公園やドッグランなどの犬の集まる場所には連れて行かないようにしましょう。
また、生理中の出血で周りを汚してしまわないように、パンツを履かせるようにしましょう。

まとめ

犬を飼っていれば、発情期は必ずやってきます。
メスもオスも、発情期は落ち着かず、不安定になりがちです
愛犬の発情期のメカニズムや状態をよく知り、適切な対処をしてあげるようにしましょう。



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