愛犬と旅行! 飛行機もOK? 楽しく旅行するためのポイント

愛犬と旅行! 飛行機もOK? 楽しく旅行するためのポイント

犬と一緒に宿泊できる施設が増え、犬連れで旅行する人も増えてきました。車・電車はもちろん、飛行機を利用して海外旅行する人もいます。しかしこの旅行、犬にはとても大きな負担になることがあります。犬と一緒に旅行する時に注意したいことをまとめました。


こんにちは。小動物看護士(ドッグシッター/小動物介護士)の須永智尋です。最近は旅行を犬と一緒に楽しむ人が増えていますね。旅行先の様子をSNSなどで紹介しながら、楽しい旅の思い出を残す人も多くいます。愛犬は家族の一因ですから、一緒に旅行を楽しみたいですよね。どんな準備をすれば愛犬と一緒に旅行できるのか。ポイントをまとめてみました。

旅行に必要な犬のしつけ

旅行では楽しいことも沢山ありますが、移動時間も長いですよね。この移動時間をいかにストレスなく過ごせるのか。周囲に迷惑をかけることなく移動できるのか。これが大きなポイントです。

指示を聞く犬であること

旅行中、愛犬の安全を確保するため、周囲に迷惑をかけないように過ごすためにも飼い主の指示をすぐに理解して聞く犬でなければなりません。

犬は自分よりも強いもの、優位に立っているものの指示しか聞きません。日頃から「飼い主が愛犬よりも優位」でなければ、旅行は難しいでしょう。飼い主をリーダーと認め、その指示を理解して直ぐに従うようトレーニングしておきましょう。

ヤメ、トマレ、コイ、スワレ、マテといった指示は確実に聞けるようにしつけておきたいですね。

クレートに入って静かに休めること

旅行の移動手段は車、電車、船、飛行機などだと思います。移動中、犬は「クレート」だったり「キャリーバッグ」に入っているでしょう。

クレートに入る訓練を日頃からしておかないと「クレートの中にいること自体がストレス」で「出して!」と訴え続けることになります。

犬の安全を考えるとハードタイプのキャリー(クレート)がお勧めです。日頃から寝床代わりにクレートを利用するなど「クレートの中に入ることはいつものこと」「クレートの中は静かに休む場所」という風に覚えさせておくといいですよ。

旅行中はいつもと違うことがたくさんあり、疲れやすい状況にあります。そんな中「ゆっくり休む場所(クレート)はいつもと同じ」だと安心できますし、移動中のストレスをあまり感じずに済みます。

社会化訓練を徹底

犬には社会化訓練というものが必要です。人の社会で生きていくためのルールを身につけさせたり、音や振動、揺れなどに対して慣らしておきましょう。

老若男女関係なく幅広い人達と普段から交流しておくと、旅先で人を怖がったり、威嚇して吠えたりすることが少なくなります。また、警戒心などからストレスで体調を崩すといったことが少なくなります。

ワクチン接種・ノミダニ駆除

旅行に行くとどうしても体力を消耗し、疲れて免疫力が下がることがあります。また、思わぬ動物と接触する可能性があったり、公共施設を利用するケースも増えます。

必ずワクチンを接種して病気の予防に努める他、ノミやダニといった寄生虫の駆除もしておきましょう。

ホテルや施設によっては、ノミやダニの駆除をしていないペットの利用を断るケースがあります。愛犬の健康管理だけでなく、マナーの面からも駆除しておきたいですね。

スケジュールはゆとりを持って

長時間の移動は人でも疲れます。人よりも小さな犬は体力がなく、ずっと疲れを感じやすいものです。また、聴覚や嗅覚、平衡感覚などが人よりも鋭いので、ちょっとした音や振動でもストレスを感じてしまいます。

スケジュールは必ず余裕をもって立てましょう。欲張ってあちこち、足を伸ばすような計画は避け、できるだけ体を休めながら移動するようにします。

滞在地を一か所に決めて、そこから愛犬の体力に合った範囲以内で旅行を楽しむのが理想です。複数箇所を転々とするなら、移動日と休息日を必ず分けて設けたいですね。

動物病院をチェックしておこう

愛犬の思わぬケガや急な体調不良に対応できるよう、必ず旅行先でも動物病院を見付けておきましょう。そして、普段から健康状態を手帳などに記録しておき、かかり付けでない獣医師にも正しく症状を伝えられるようにしておきましょう。

病院によっては、ペットの健康管理手帳を作成して飼い主に持たせてくれるところもあります。他にもスマホアプリもあるので活用したいですね。

予防接種の履歴、服薬履歴、使用したことがある薬(副作用があるなら、その症状)、普段の便の状態、排尿回数、散歩の時間や回数などもメモしておきましょう。

旅先で病院にかかった場合は、できるだけ休息時間をしっかり取って負担を最小限に留めながら帰宅することをお勧めします。

帰宅後、なかなか症状が改善しないようであれば、かかり付け医に再度、かかるといいですよ。

海外旅行するなら数か月前から準備が必要

愛犬を連れて海外旅行! 世界遺産を回ったり、プライベートビーチで思いっきり遊んだり! 夢が膨らむかも知れません。ペットと同じ飛行機で移動することもできますから、愛犬と海外旅行も夢ではありません。

ただ、人が日本と海外を行き来する際にパスポートを持って出国・入国の手続きを受けるように、犬も手続きが必要です。

・日本を出る時の日本の出国検査
・到着した国に入国する時の入国検査
・行った先の国を出国する時の出国検査
・日本に到着した時の入国検査

行きと帰りで、4回検査を受けます。犬の場合は「動物検疫(Animal Quarantine)」と言います。

日本を出国する時、日本に到着した時は国際空港の中にある「動物検疫所」という所で検査を受け、「検疫証明書」という書類をもらいます。これが愛犬のパスポート代わりです。

行った先の国では、その国の法律に従って検査を受けます。どんな検査があって、どれだけ時間がかかるのか。これは日本にある大使館、行く先の国の国が管理しているHP、行く先の国にある日本大使館で確認します。

全て英語で書類を作成し、英語で会話しながら相手国の動物病院・国の機関で検査を受けて手続きをするので、英語力が求められます。

なお、日本は狂犬病が発生していない国です。世界を見ると、狂犬病が発生していない国は日本以外にアイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムといった6地域のみです。

これ以外の国は全て、狂犬病発生地域です。狂犬病が発生していない地域に動物が入国する時は、とても検疫が厳しくなっています。半年ほど(もしくは、それ以上)事前準備しないと入国できません。

事前の準備を徹底しないと「愛犬が相手国にも入国できないし、日本にも入国できない」「隔離施設に長期間、隔離される」ということになりますから、注意してくださいね。

移動は大きな負担になるので事前準備と休息を!

愛犬を連れて旅行するのはとても楽しいことです。しかし、車にせよ、飛行機にせよ、犬には大きな負担を強いることになります。

人でも長時間の移動は疲れますよね。どの乗り物を利用する場合も、移動時間と前後の待機時間を予めチェックし、犬の自由を束縛する時間を考えてみてください。

普段からのしつけ・トレーニングで移動や環境変化に強い犬に育てておけば、ある程度はストレスを軽減できます。

旅行前は体調を整え、余裕のあるスケジュールで旅行を楽しみ、帰宅後も一週間くらいは静かに過ごしたいものです。

旅行は楽しいですが、犬にとって大きな負担になることもあります。体調管理を徹底しながら楽しむようにしてくださいね。

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