愛犬の塩分摂取量の適量は?塩分過多・塩分不足はどんな症状が出る?

愛犬の塩分摂取量の適量は?塩分過多・塩分不足はどんな症状が出る?

犬は人よりも体が小さく、塩分をとりすぎると高血圧などの病気を引き起こす原因になります。だからといって、全く塩分を与えないのも体調不良の元になってしまいます。愛犬の塩分摂取量の目安は愛犬の体重などで異なるため、適量を知って塩分過多、不足を防ぎましょう。


愛犬に塩分を摂取させる必要はあるの?

愛犬の塩分摂取について注意したいのが、ドッグフードを普段から食べている場合は特に追加で必要がないという点。ドッグフードはそれだけで愛犬に必要な栄養を補えるように成分が配合されているため、飼い主さんが追加で塩分を与えると塩分過多になってしまいます。

反対に、手作り食が中心の愛犬にはある程度の塩分補給が必要です。手作り食だとどの程度味付けをすればいいのかわからず、悩んでいる飼い主さんも多いです。薄味が良いからと素材を煮込んだだけのものを与えていると、塩分が不足して脱水症状を引き起こす原因に。

そこで、手作り食を作っている飼い主さんは次の塩分摂取量を目安に、愛犬のご飯の味付けを調節してあげてください。

愛犬の目安塩分摂取量について


犬の塩分摂取量は体重によって異なります。
計算式は書籍などで違いがありますが、おおよその計算式は次の通りです。

・0.06~0.12×体重(kg)

この計算式を当てはめた体重別の塩分量がこちらです。

5kg:0.3~0.6g
10kg:0.6~1.2g
20kg:1.2~2.4g
30kg:1.8~3.6g

こうしてみると、キッチンスケールでは計測するのが難しいほどの極微量の塩分で良いことがわかります。
特にチワワやヨークシャーテリアなどの超小型犬が一日に必要な塩分は、耳かき1杯よりも少ないです。そのため、直接塩を料理に入れるのではなく、食材に含まれている自然な塩分を活用する方法がおすすめ。

たとえば、魚や海藻などは海水に触れていてもともと塩分が含まれています。野菜に魚などをプラスした手作り食にしておけば、基本的にほとんどの愛犬が必要な塩分を摂取できていると考えられるでしょう。

愛犬が塩分を摂り過ぎるとどうなる?

ちなみに、万が一愛犬が塩分を摂り過ぎるとどんな症状が出るのでしょうか?塩分過多になると、次のような症状が見られるため普段と様子が違ったらすぐに動物病院で診察を受けましょう。

・水を大量に飲む
・体をかゆがる(皮膚にかゆみが出る)
・高血圧
・心臓病
・腎臓病

塩分過多の最初の症状は、普段よりもたくさんの水を飲むことから始まります。体内の塩分量が多くなると常に喉が乾き、愛犬が水を大量に飲むようになるのです。また、塩分過多の状態が長引くほど、塩分をろ過している腎臓のダメージが進行していき、どんどん症状が悪化していきます

最悪腎不全にまで発展することもあり、そのまま命を落としてしまう原因にもなります。水をたくさん飲むようになったり、体をかゆがるようになったりしたら、すぐに獣医さんへ相談をして適切な処置を受けましょう。

また、一度に大量の塩分を摂取してしまうと、塩分中毒を引き起こします。この塩分中毒の状態まで行くと、意識障害をはじめとする脳疾患、肺水腫といった呼吸器障害の症状が現れ、死に至ることがあります。

たとえば、飼い主さんが目を離した隙におやつの砂肝やジャーキーを一袋食べてしまった、買い置きしていた塩にいたずらして食べてしまったなどの誤飲事故も考えられます。そんなときにすぐに対処できないと、体内に大量の塩分が周り塩分中毒を引き起こしてしまいます。

塩分不足の症状について

塩分過多ばかり注目されていますが、反対に体内の塩分が不足しすぎても体調を崩す原因に。塩分が不足すると愛犬は次のような行動をとることが多いため、こちらも様子をしっかりと観察して違和感があったらすぐに動物病院へ連れて行きましょう、

・おしっこを舐める(他の犬がしたおしっこを舐めることも多い)
・人の手や足などを頻繁に舐める
・周囲の物や土を舐める

このように、他の場所から塩分を補給しようと、他の犬のおしっこを舐めようとしたり、汗が付着している飼い主さんの手や足を舐めたりすることもあります。

また、塩分不足が重症化すると、おしっこの量が減るため色が濃くなり茶褐色のような状態になります。さらに尿結石ができやすくなるというリスクもあるため、適度な塩分は健康維持に欠かせません。

最後には意識障害や腎臓病といった内臓障害まで進行しますが、飼い主さんが早い段階で気づいて上げられれば十分防ぐことのできる症状です。

塩分不足の症状が起きたら、ジャーキーなどの塩分が強いものをおやつに追加して様子を見ましょう。それでもおしっこや手足を舐めてくるようであれば塩分不足が進行している可能性があるため、動物病院で診察を受けることをおすすめいたします。

普段は塩分が足りていても、夏場は気温が高く汗もかくので塩分が不足しやすい時期。その結果熱中病になってしまうため、夏は水に塩を少し混ぜたり、しょっぱいおやつを与えたりして、塩分不足にならないよう健康管理をしましょう。

まとめ

愛犬に必要な塩分はほんのごくわずかなので、魚や海藻などを使っていれば塩分不足になることはほとんどありません。しかし、夏場など汗をかく時期は熱中症になりやすいため、普段よりも意識して塩分を摂取させるようにしましょう。

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