2017年11月06日
愛犬が病気をしたときには、早く治すために飼い主さんが薬を飲ませる必要があります。しかし、愛犬にとっては薬というものが理解できないため、無理に与えるとストレスを感じさせてしまうことも。できるだけ愛犬の負担を減らすにはどんな方法で薬を飲ませるのがいいのでしょうか?
投薬のタイミングは大きく分けて、食残と食後、食間に分かれています。しかし、このタイミングを間違えて覚えてしまっている飼い主さんもいます。
正しいタイミングは次の通りですので、獣医さんの指示通りに薬を飲ませましょう。
・食前…ご飯を食べる30分前に薬を飲ませることです。
・食後…ご飯を食べ終わってから30分以内に薬を飲ませることです。
・食間…ご飯を食べさせてから2時間後に薬を飲ませます。胃が空のときに飲ませることで薬の効果を発揮させます。
薬は大きく分けて、液体タイプ、錠剤、顆粒の3つに分類されます。まずは、それぞれの飲ませ方のコツをご紹介します。
シロップなどの液体を飲ませるときは、スポイトや注射器で飲ませる方法がおすすめです。たとえ愛犬が口を開かなくても、愛犬の口の横から薬を注入することができますよ。
犬の犬歯のすぐ後ろの部分には歯がないスペースに、スポイトや注射器の先端を入れて、薬を少しずつ流し込んでいけば自然と愛犬が飲み込んでくれます。
ポイントは一気に注入せず少しずつ飲ませてあげること。薬を飲み込んだことを確認しながら慌てずていねいに飲ませてあげましょう。ここで無理に体を抑え付けたり、口を掴んだりすると、愛犬が強い恐怖を感じてスポイトや注射器を見ただけで逃げるようになってしまいます。
そのため、薬を飲ませる道具が嫌われないよう、時間をかけて慣れさせていくのが大切です。
量が少なく味が薄いようであれば、普段のドッグフードに混ぜて与えることもできます。食欲がなくドッグフードを食べない状態なら、粉薬を少しの水で溶いてねり状にしましょう。
ねり状の薬を愛犬の口を開かせ、上あごに塗ると自然と飲み込んでもらえますよ。また、他にも粉薬の味わいをまろやかにする犬用のシロップ薬などに混ぜる方法もおすすめです。反対に、錠剤なら上手に飲んでくれるタイプの愛犬であれば、空のカプセルを用意して中に薬を詰めて飲ませましょう。
他にもコーヒーに入れる細長いシュガースティックも粉薬や顆粒を飲ませるのに便利なアイテム。空にしたシュガースティックの中に薬を入れておき、愛犬の口の横から注ぎ込みましょう。
また、粉薬はむせてしまうこともあるため、近くに水を用意してすぐに飲めるよう環境を整えておきましょう。
錠剤やカプセルなどの固形の薬を飲ませるときは、できるだけ喉の近くに入れてあげるのがコツです。上あごを持ち上げて口を大きく開き、もう片方の手で薬を愛犬の喉の奥の方へと入れて飲ませましょう。
薬を置いたらすぐに口を閉じて、顔を上向きにさせると愛犬が反射的に薬を飲み込んでくれますよ。また、無事に薬を飲めたら「えらかったね」「上手だね」と目いっぱい褒めてあげるのも大切。
口を触られるのに慣れていない愛犬は、口を持ったときに前足をかけてきたり逃げようとしたりします。そのため、どうしても抵抗する時は首から下をバスタオルで包むようにして固定してください。その後、空いた手の方で素早く薬を喉の奥まで飲ませましょう。
まずは薬を飲ませようとするとき、飼い主さんが普段と様子が違うと愛犬が警戒しています。普段から飼い主さんの姿をくわしく観察している愛犬は、いつもよりも緊張しているなどの感情の変化にすぐに気づいてしまいます。
薬を飲ませることに気負わずにできるだけリラックスした状態で、準備することが大切です。また、愛犬に薬を与えるときは「○○ちゃんが早く良くなるように、がんばって薬を飲もうね」と優しく声をかけてあげましょう。
愛犬に根気強く語り掛ければ、飼い主さんに協力しようと大人しく薬を飲んでくれる子もいます。
また、薬を飲んだら毎回必ず褒めてあげましょう。愛犬にとって、得体の知れない薬を飲み込むのはとても勇気のいること。
飼い主さんを信頼しているからこそ、頑張って薬を飲んでくれているので、薬を飲めばいっぱい褒めてもらえると学習してもらいましょう。
飼い主さんの様子をよく観察している愛犬は、薬を用意している姿を見て「あのおいしくないものを無理やり飲ませられる」と感づいてしまいます。そうなると飼い主さんが近づいただけでおびえたり逃げたりしてしまうので、薬を用意している気配を感じさせないのも上手に飲ませるコツ。
愛犬が見えない高いテーブルの上で薬を用意して、あらかじめ飲ませやすいよう薬を水で溶いておいたりスポイトに入れておいたりしましょう。また薬をこぼされても良いように、タオルを用意しておくといざというときも安心です。
薬が苦手な愛犬に毎日飼い主さんが飲ませるのは大変ですよね。しかし、コツをつかめば愛犬も嫌がらずに口を開けてくれるようになりますよ。
まずは飼い主さんがリラックスした状態で、優しく語り掛けながら薬を飲ませてみましょう。どうしても飲まない場合は、タオルを巻くなど体を固定して安全に投薬してください。