2017年11月06日

犬の肥満を考える。その食事、間違っていませんか?

こんにちは!NPOイヌネコライフネットワークえひめに参加しているZOE-AMJPです。 突然ですが、みなさんの飼っている犬は肥満ではありませんか?食事に注意して、カロリーも減らしているのに一向にダイエットできない。 もしそんなお悩みがあるなら、それは食事の内容に問題があるのかもしれませんよ。


肥満のメカニズムを正しく知ろう

犬も人間も同じですが、基本的には代謝しきれなかったエネルギー源が蓄積され、肥満へとつながります。

それをもう少し詳しく見てみると、多くの人が間違ったイメージでダイエットをしていることがわかります。

ダイエットの大敵といえば、カロリーの高い食べ物、お肉や脂、マヨネーズ、甘いもの、味の濃いものなどが思い浮かびますね。
特に、体に肉や脂肪がつくことが肥満と考えると、当然肉や脂は食べない方が良いと思いがちです。
ですが、肉や脂は常識の範囲で摂取したところで太ることはまずないですし、適度な運動をしていれば、肉と脂をしっかり摂っても痩せます。
正確には、引き締まった体になる、という方が良いでしょう。たるみのあったからだが、筋肉質になることでスレンダーに見えるのですね。

そのメカニズムはこうです。

食事をすると血糖値が上昇します。するとすい臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げる働きをします。このインスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれ、出すぎてしまうと脂肪を分解する力を抑え、逆に蓄える働きをしてしまいます。

糖質、高GI食品について

糖質こそが肥満の元凶です。
それは、糖質だけが血糖値を上昇させ、インスリンを大量に分泌させるからです。
脂質は、単独ではインスリンを全く分泌させませんし、血糖値も上げません。
実はインスリンは二重三重の肥満ホルモンです。

脂肪細胞の周囲の毛細血管壁にあるLPL(リポタンパクリパーゼ)が活発になると、血中の中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解して、遊離脂肪酸を脂肪細胞内に取り込み中性脂肪に合成して蓄え太っていきます。
結局、糖質の頻回・過剰摂取とそれによるインスリンの頻回・過剰分泌が肥満の元凶なのです。
ドクター江部の糖尿病徒然日記 

糖質は、炭水化物の中から食物繊維をひいた残りの部分です。
糖質とひとくちにいっても、実はさまざまな種類の糖があり、すべてを同じに考えることは間違いです。

ですが、炭水化物の量が多い食材、その中でも血糖値を急激に上げる力がある食材は注意が必要です。こういった食材を、「高GI食品」と呼びます。
血糖値が急激に上がってしまうと、それを下げるためにインスリンが分泌されますが、過剰な分泌は肥満へつながってしまうのです。
しかも、体が高インスリン状態に陥ると、運動しても痩せにくいという状態になってしまうのですね。運動する前にまず、食生活の見直しをしなければ意味がありません。
そのため、炭水化物の中でも高GI食品に分類されるものは少なめに摂取することが望ましいとされます。

高GI食品は、精製されたもの、いわゆる白い食材におおく、小麦粉や上白糖、白米、ジャガイモ、カボチャ、ニンジンなどがあります。

低カロリーフードの落とし穴

肥満を指摘され、ダイエットを始めるとして、まず何をどうしますか?
フードを低カロリー、肥満対策用のものに変えることを思い浮かべると思います。

しかし、気をつけなければいけません。

低カロリーフードには、犬猫にとって重要なたんぱく質や脂質を減らすことでカロリーを下げているフードがあります。
これは、ダイエットにならないどころか、場合によってはたんぱく質が欠乏し、犬猫の体に危険を及ぼす可能性もあるのです。

たんぱく質を減らすことでカロリー調整をしている場合、むしろ炭水化物類の含有が増えている場合さえあります。肉を減らした分、何かでかさ増ししなければならないため、どうしてもコーンミールや穀物類でカバーすることになるのです。
これでは、健康的なダイエットにはなりません。一時的に体重が減るのは、十分な栄養が摂れていない、さらには大切な筋力などが落ちてきているからかもしれません。

肉や脂まで減らしていませんか?

ダイエットを考えるとき、まず、肉や脂肪を摂取しないようにしがちです。
ですが、体の大部分をつくるたんぱく質を減らすことは、筋力低下や免疫低下を招き、健康的とはいえません。
運動をさせるよりもまず、食事を見直す必要があります。
筋肉の維持や皮膚、被毛の健康を保つために、たんぱく質や脂肪は減らさないで、炭水化物類を見直すことが大切です。

与えているドッグフードが、トウモロコシや米などの炭水化物が多いものであるならば、出来るだけ少ないタイプのものに変えてみましょう。
手作りを与えているなら、肉や魚を多めに、穀物類、ジャガイモなどの根菜類は少な目にしましょう。

こうすることで、カロリーも必然的におさえられますし、たんぱく質はきちんと摂取できます。

低炭水化物ドッグフードという選択肢

また、最近のドッグフードは、穀物類不使用のものや、ジャガイモなどの血糖値を急激に上げやすい高GI食品を使わないタイプのドッグフードも販売されています。

アレルギー対策として使用する方が多い一方で、これらは高たんぱく質低炭水化物であるものが多いため、ダイエットにも適したドッグフードといえます。

ホームセンターなどで販売されているものに比べれば高価ですが、問題を抱える犬にとっては力強い味方になってくれることでしょう。

また、手作り食を与えている場合も、穀物類や根菜類、特に急激に血糖値をあげてしまう食材はやめ、新鮮な肉や魚といったたんぱく質を十分に与え、ミネラルや脂も足りなければサプリなどの力を借りるなどし、健康的な食事に近づくようにしてみましょう。