ペットショップで売れ残った子はどうなる?犬や猫たちのその後とは

ペットショップで売れ残った子はどうなる?犬や猫たちのその後とは

たくさんの子犬や子猫が販売されているペットショップですが、売れ残ってしまった子犬・子猫たちはその後どうなってしまうのでしょうか。悲しい日本の現状と、売れ残ってしまった犬猫たちを救う活動についてご紹介します。


ペットショップのしくみ

ブリーダーから仕入れる

ペットショップのほとんどが、決まったブリーダーから子犬や子猫を買い付けています。契約しているブリーダーは、複数あるのが通常で、常に人気の犬種の在庫が確保されるように調整しながら仕入れています。

こうしたペットショップでは、地元のブリーダーから買い付けていることが多いため、店舗のある地域で生まれた子犬や子猫のことがほとんどです。ブリーダーから買い付ける際には、生後1か月半以上の子がほとんどのため、店舗に並ぶときには生後2か月ほどになってから販売されています。

オークションから仕入れる

仕入れのコストや販売価格を抑えるために、業界専用のオークションから仕入れているペットショップもあります。他のバイヤーよりも高値を付けた店が買い取ることができる仕組みは、まるで“競り”そのものです。人気の犬種や生後間もない子犬や子猫であればあるほど高値で取引されていますが、ブリーダーから購入するよりもコストが安く済みます。

オークションでの仕入れがメインのペットショップでは、ブリーダーから仕入れている店よりも、販売価格を安くをさえることができます。「ほかの店より安いかも」と思ったら、その店はオークションで仕入れている可能性が高いです。

仕入れ後1か月で売り切らなければ利益が出ない

ペットショップでは、“仕入れから1か月で売り切らなければいけない”という暗黙のルールがあります。そのため、仕入れ直後に販売される子犬や子猫たちは「おすすめ!」「人気の○○」などのポップが張り付けられ、消費者の購買意欲を掻き立てるような売り方がされています。

ペットショップ従業員には、販売ノルマがあるのが通常で、仕入れから間もない“利益の出る子”ほどお客さんへの営業が激しくなります。「抱っこしてみませんか~」「もっとよく見てみませんか」などの声掛けで、できるだけ“利益の出る子”を売ろうと働きかけています。

生後半年以上の子はほとんど売れない

ペットショップで販売されている子犬や子猫のうち、生後半年以上経ってしまった子たちは、ほとんど売れないことをご存知でしょうか?たまに、ペットショップで見かけますが、生後半年以上たった子は、目立つ場所や、他の子たちとは離れた孤立した空間で販売されています。

生後半年以上を過ぎると、販売当初から比べて、3分の1から4分の1程度の値段で販売されています。大きくなればなるほど値段は下がっていき、店頭で販売される限界は生後半年ほどです。超小型~小型犬であれば、月齢が経ってもあまり大きならないため、そこまで大幅に値下げされることはありませんが、中型~大型犬に関しては、生後4か月以降から大幅に成長していくため、当初と比べて大幅に値下げされて販売されることが多くあります。

ペットショップで売れ残った子たちのその後

どうしても“在庫”があまってしまう

人気の犬種・猫種や、生後間もない子たちを仕入れたとしても、どうしても売れ残ってしまう子たちがいます。そうした、多くの“在庫”たちは、売れる見込みのない、“価値のないもの”として扱われます。運が良ければその店の看板犬として飼ってもらえることもあります。

店員が格安で買い取る

ペットショップで売れ残ってしまった子たちの一部は、従業員たちが格安で買い取っています。もともと犬や猫が好きでペットショップ店員となった人たちですから、行き場のない子犬や子猫を見過ごしてはおけないという気持ちはよくわかります。しかし、まるで“在庫処分”かのように売れ残った子犬や子猫たちを引き取らせるという店側の体質には疑問を感じざるを得ません。

売れ残った子たちの大部分は殺処分されるという現状

ペットショップで売れ残ってしまった子犬や子猫たちの大半は、保健所に持ち込まれ、殺処分されています。まだ成犬・成猫にもなっていない子たちが人間の都合で殺されてしまうという現状には、憤りを隠せません。

積極的に里親探しをするペットショップもある

民間団体に里親探しを依頼している

売れ残ってしまった子犬や子猫たちに対して、積極的に里親募集をしているペットショップもあります。民間のボランティア団体や、NPO団体に依頼をし、子犬や子猫を格安で引き取ってもらい、里親募集を働きかけていることがあります。

保健所に“里親探し”の名目で持ち込む

地域の保健所では、できるだけ殺処分を減らすために積極的に里親探しを行っています。生後間もない子犬や子猫であればあるほど引き取り手は増えますから、保健所に連れてこられた直後に里親募集を始めます。ペットショップで飼われていた子犬や子猫や、トイレのしつけ等がきちんとできている子が多いため、比較的早く引き取られていくことが多いです。

ペットショップで売れ残ってしまった子犬や子猫のまとめ

ペットショップで売れ残ってしまった子犬や子猫は、従業員の良心で引き取られるか、里親募集をされる、または殺処分という最悪の運命をたどります。残念ながら、現在の日本の現状では、殺処分を完全に“0”にすることはできないのが実状です。あたらしくペットを迎えようとしている方には、里親募集されている子犬や子猫を引き取るなどの、“できる限りの働きかけ”を呼びかけたいと思います。

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