2016年11月07日

猫のゆりかご♪猫ちぐらの歴史と作り方などをまとめました

こんにちは!NPOイヌネコライフネットワークえひめに参加しているZOE-AMJPです。 猫を飼っている方なら、猫ちぐらなるものの存在を耳にしたことはあるのではないでしょうか?現在予約殺到中というこの猫ちぐらの歴史と、自分でも作ってみたい方のために作り方などをご紹介します。


猫ちぐらの特徴と歴史

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今では種類も多く、さまざまなメーカーさんが販売されているようですが、もともとは新潟県の関川村で作られてきた民芸品です。
写真を見るだけで、相当しっかりしたつくりであることがわかりますね。
この猫ちぐらは、どのような歴史を持っているのでしょうか。特徴なども合わせてご紹介します。

猫ちぐらの歴史

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猫ちぐらは、新潟県の関川村、秋山郷、長岡市小国町の民芸品として知られます。

赤ちゃんを連れて畑仕事に出るとき、昔はベビーカーなどありませんでしたから、藁で編んだゆりかご(つぐら)が重宝したと言います。
農家の方によれば、猫ちぐら自体が大正時代には既に存在していたそうですが、きちんと復刻されたのは、1980年ごろで、本間重治さん(故人)がわらで編んだ食器入れで猫が寝ているのを見て、昔お父様がちぐらを編まれていたことを思い出したことがきっかけだそうです。

現在では、この地域以外でも、ご年配の米農家の方などが、収穫後の藁を利用して作られたりもしていますし、作り方の本も販売されているので、個人で製作している方もいます。
また、バリエーションも豊かで、編み方や大きさだけでなく、上に猫が乗っかれるタイプや、壺のような形のものなど様々です。

猫ちぐらの特徴

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100%天然の【わら】を使用しています。わらは保温性が高く、通気性があるので冬温かく、夏は快適。わらは生きた自然の素材といえます。

もともとは手近にあった材料で作っただけなのでしょうけれど、これが大変理にかなった素材であったことがわかります。
一般的な大きさの猫ちぐらは、稲わらが20束ほど必要で、上手な方が作っておおよそ1週間を要するそうです。

また、素材の性質上猫たちが爪とぎをするでしょうが、それでも毛羽立ちはあっても崩れたりはしないほどの耐久性があります。

本場の猫ちぐらは数年待ち!

猫ちぐらの会 猫ちぐら 1匹用

¥ 23,000円

関川村猫ちぐらの会によると、現在なんと3年待ちだそうです。
猫を飼う人が増えたこと、メディアで広く紹介されたことに加えて、作り手さんが年々少なくなってきていることも要因です。

1990年には50人ほどいた作り手さんが、2006年には20人にまで減少したうえに、中心となる世代は60代から70代半ばの高齢者です。
また、作り方は存在していても、習って誰でもうまく作れるものではないため、簡単に受け継がれるものではないというのも作り手が育たない要因なのでしょう。

それほど、貴重なものなのですから数年待ちでも十分に価値がありますよね。

猫ちぐらが出来上がるまで

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①まず、稲刈り後の脱穀の際に不要になった稲わらを集めます。
②束にしてそこから10日間ほど干して乾燥させます。
③ローラーで稲わらを柔らかくした後、稲わらの周りの柔らかい皮(ハカマ)をとっていきます。
④編んだ時にきれいに見えるよう、フシをきちんと合わせます。
⑤ハカマをとった稲わらで、サイズに合わせてまず底面をつくり、次に縦を作っていきます。
⑥門外不出の伝統技術を駆使し、美しく頑丈な猫ちぐらが出来上がります。

関川村猫ちぐらの会によれば、末永く使用してもらうための「秘密のおまじない」と呼ばれるひと手間(完全非公開)をかけて、お客さんにお渡しするのだそう。

こんなに心を込めて作られた猫ちぐら。手に入れたいですね。

猫ちぐらを自分でも作ってみよう!

猫ちぐらのつくり方の本も販売されており、本家の作り手さんのものには及ばないまでも、自分で作ることが出来ます。
材料も、稲わらではなく、紙ひもやクラフトペーパー、イグサなどを使って作られたものもあります。
YouTubeにて、本格的な稲わらの猫ちぐらの作り方を動画で紹介している方がいらっしゃいましたので、参考になさってください。

まとめ

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民芸品とはいえ、日本の古き良き時代の技術が集められた、後世に残すべき「猫ちぐら」。
作り手さんが減っているのは、残念なことですね。

ペット用品は、海外のおしゃれなデザインのものも素敵ですし、手軽に買えるものもたくさん良いものがあります。

でも、こういった「本当に良いもの」の存在を知り、利用することが、作り手さんたちの励みにもなるでしょうし、また後継者の育成にも役立つのではないでしょうか。