■4.一人暮らしで迎えるのに向いている猫
ひとり暮らしで猫を迎えるのであれば、子猫よりも成猫、一頭よりも二頭で迎えると猫にとってはいいでしょう。猫の性格によっては一頭で迎えた方がいい場合もあります。
■事故の危険が少ない猫
遊び盛りの子猫は、一頭で留守番をするのは寂しがる他に事故の危険が成猫よりも増えます。
目を離す時間が長い場合には、少し落ち着いた成猫を迎える方が安全です。
■体調が安定している猫
また、小さいうちは体調を崩した時にあっという間に悪化することがあります。一刻も早い診察や治療が必要な時に病院に行けないことがあっては危険です。外出があるならば体調面で安定するくらいの月齢(6か月齢以上くらいが目安)の出来るだけ健康な猫を迎えるのがいいでしょう。
とはいっても、家に迎えてしばらくは環境の変化で体調を崩しやすくなりますので、どんな猫であろうと迎えるのは出来るだけ一緒にいられる時間が取れる時期が望ましいです。
■留守番が長ければ寂しくない様に
留守番は子猫は寂しがります。留守番があるならば、若い遊び盛りの猫や、仲の良い兄弟姉妹のいる猫であれば二頭で迎えるのが望ましいです。一頭でいることの好きな猫であれば一頭で迎えましょう。
■5.子猫から迎える場合の注意点
ひとり暮らしでも子猫から一緒に暮らしたいという場合には、それなりの準備と心構えが必要です。
里親になる場合には、成猫はOKでも子猫であれば一人暮らしの方はNGとなることが多いです。
■体調を崩した時の対策
前述した通り、小さな子猫のうちは体調を崩しやすく、また事故の危険性が高いので、目を離す時間があるのは危険です。目を離す時間が出来るだけ少なくなる様に時間を調整することで、子猫を迎えるのは無理ではありません。日中外出がある場合には、日中だけ世話を頼める人に来てもらう、または暫く外出がない時期を選んで猫を迎えることにするなどです。
特に猫と暮らすのが初めてであれば、体調の異変を見逃す可能性があるため、どんなに小さくても4ヶ月齢は超えている猫を迎えるのが望ましいでしょう。
小さい子猫で体調異変に気づくのが遅れると、最悪の場合、命に関わることがあります。
子猫に限りませんが、近隣の動物病院を必ず調べておきましょう。
■事故防止の対策
子猫は何にでも興味を持つので、月齢や性格によっては少し目を離すだけでも危険なことがあります。
落下事故は、4〜5ヶ月齢未満のまだ小柄な猫に多いため、小さいうちには高すぎるキャットタワーを控える、カーテンに登ってしまわない様に工夫するなどの対策をしましょう。月齢にかかわらず、人間の食べ物や、誤飲などの危険のあるものは猫が開けられない容器に収納しましょう。3ヶ月齢未満の小さな猫であれば、少し目を離す間は事故防止のためにケージがあると便利です。
■子猫はとてもよく遊ぶ
家で仕事をしてる場合は、目を離す時間が少ないので健康面の管理や事故がおきない様に見守ることは出来ますが、子猫がいると仕事どころではないかもしれません。
子猫はほとんど寝ていますが、起きている間はほとんどずっと遊んでいます。一般的にイメージする「猫」という落ち着いた生き物とは別の生き物であると考えておくことをお勧めします。
人がどんなに忙しかろうとお構いなしに邪魔をしまくります。忙しいからと別の部屋に入れてドアを閉めようものなら、ずっと鳴いたり、ドアをなんとか開けようとドアノブにジャンプしまくったりと呼び続けることもあります。
子猫であれば一頭で迎える場合には、相当な時間と心の余裕が必要でしょう。仲の良い二頭であれば、お互いに遊んでくれますので、一頭よりも邪魔されないでしょう。
■離乳前は目が離せない
保護してしまった場合を除き、離乳前の子猫をわざわざ迎えようと考える方はあまりいないと思いますが、離乳前の子猫は24時間ケアが必要になるので、自宅で仕事をするか、仕事を休まない限り一人でケアをするのは難しいでしょう。
小さいうちならば職場に連れて行くことが可能な場合もありますが、猫の負担を考えれば、拾ってしまったなどのやむを得ない事情がない限りお勧めしません。
■6.安定した仕事は必須
いざとなった時のに頼める人を確保するにしても、猫を迎える際に安定した仕事があることは必須です。
経済的に安定していることはもちろん、転職で住まいが変わったりすることがあれば猫にとって負担になります。
■7.結婚、転職など将来の変化を想定する
猫がいる間に転職をする場合、猫がいるために思った仕事につけない可能性も考慮する必要があります。
ひとり暮らしの場合は、出張や残業が多い仕事は避けなければなりません。
もしも猫がいることで選択肢が狭まることを受け入れられないのであれば、猫と暮らすのは諦めるべきです。
転職で転居することになったが、転居先では猫が飼えないから里親を探して欲しいという無責任な飼い主に出会ったことは一度ではありません。
また、上述しましたが結婚する可能性がある場合には、その相手や相手の両親や親戚に猫を手放す様に言われることがあります。
その時には猫を手放すしか無いな、と考えるのであれば、やはり猫と暮らすべきではありません。
■8.最終的には責任感があるかどうかが大事
里親募集サイトで気に入った猫がいても「一人暮らし、同棲の場合はご遠慮ください」と書いてあるからひとり暮らしではダメなんだ、と考える方もいますが、全てに書いてあるわけではありません。
同じ団体でも子猫や手のかかる猫の場合にはその条件を記載していて、成猫であれば記載が無いこともあります。
また、保護団体は最終的には人柄(責任を持って飼育する人かどうか)を判断して譲渡を行うため、特に実績のあるNPO法人などは特別「一人暮らし不可」の条件を入れていなかったり、保証人や後見人がいることを条件として、面会して話し合った上で譲渡を行っていたりします。
ひとり暮らし不可のところの猫を無理に交渉するよりも、ひとり暮らし可の団体から迎えるのがいいでしょう。
もちろん一人暮らし可であっても、上述した様な最低限の対策や猫を迎える準備が出来ていないと里親になることは出来ません。
猫は一人暮らしの良いパートナーになる
どの様な方法であれ、猫を迎えたら最期まで飼育をする責任が生じます。
人間と違って相性が合わないから別居や離婚するというわけにはいかないので、単にひとり暮らしだと寂しいから飼いたい、という安易な気持ちで飼い始めることは出来ません。
しっかりと準備や対策をして、自分の生活スタイルにあった猫を迎えるならば、猫はひとり暮らしのよいパートナーとなり、人生を豊かにしてくれるでしょう。