2016年12月03日

《知っておくべき》避妊手術・去勢手術のこと!

避妊手術・去勢手術は、ペットにとって必要なのか・・・悩む人は少なくありません。 そんな避妊手術や去勢手術の詳細・メリットとデメリットを、ご紹介します!


避妊手術・去勢手術とは?

避妊手術とは・・・

避妊手術は、メスが妊娠を防ぐために施される手術のことを言います。
具体的には全身麻酔をして開腹し、メスの生殖機能を持つ子宮または卵巣・その両方を摘出します。
手術の所要時間は約1~2時間ほどですが、開腹手術をしているため1泊または2泊の入院が必要になります。

去勢手術とは・・・

去勢手術は、オスが繁殖活動を起こさないために施す手術のことを言います。
具体的には全身麻酔をして、数センチ切り口を作りそこから精巣を摘出します。
オスの場合はメスの開腹手術のように大きく切らないため、ほとんどの場合は日帰りで対応しています。
病院によっては、念のため1泊入院する場合があります。

避妊手術や去勢手術のメリット・デメリット

メリット

犬・猫共通で言えるのは、望まない出産が避けることが出来ます。
このことで、野良犬・野良猫を減らすことが可能になります。
それ以外には発情期の問題行動の減少・病気の予防が出来ます。
具体的に犬の場合、メスは発情期中の出血は無くなります。
そして発情期中は落ち着かない状況が続いたりしますが、発情がなくなることで精神状態も安定すると言われています。
病気の予防に関しては、乳腺腫瘍や卵巣腫瘍・子宮癌・子宮蓄膿症などのメス特有の疾患の発症率を下げることで予防が出来ます。
オスは、発情期中のメスの匂いに反応して本能のまま暴走したり他のオスを敵対する行動を抑制します。
またオス特有の後ろ足をあげてオシッコをする行為も、抑制することが可能です。
病気の予防に関しては、前立腺・精巣・肛門周辺の腫瘍を予防することが出来ます。
猫の場合、メスは発情期に見られる特有の鳴き声を防止することが出来ます。
病気に関しては、犬同様に生殖器官の腫瘍・病気の発症率を下げることで予防することが可能です。
オスは発情期に見られる求愛する叫び声・マーキング・他のオスへの攻撃性を抑制します。
病気に関しては犬同様に、生殖機能をもつ臓器の腫瘍や病気・肛門周辺の腫瘍の予防になります。
これらのことが予防できるのであれば、ペットがより長生きできる可能性が高まるためメリットと言えるでしょう。

デメリット

犬・猫どちらにも言えることは、一度手術をすると出産を望むことが出来ません。
更に生殖機能を持つ臓器が無くなり基礎代謝が落ちるため、太りやすくなります。
また手術は全身麻酔をするため、体への負担が生じます。
2歳以上の場合は先ほど述べた抑制・予防効果は期待が出来ないケースも多いため、手術のリスクの方が大きくなる可能性もあります。

避妊手術・去勢手術の治療について

手術をするのはいつ頃が良いの?

犬・猫どちらの場合も、最近は初めての発情期を迎える前に手術をすることがベストだと言われています。
具体的には個体差はありますが、犬の場合だとメスの初めての発情期は生後6ヵ月頃~8ヵ月頃に訪れます。
そのため、オス・メス共に生後3ヵ月~6ヵ月頃が適しています。
特にメスの場合は、生後6ヵ月前までに行うことが望ましいと言われています。
猫の場合だと初めての発情期がメスは生後6ヵ月頃~12ヵ月頃・オスは生後6ヵ月頃~10ヵ月頃に訪れます。
そのため、メスの場合は生後4ヵ月頃~7ヵ月頃・オスの場合は生後6ヵ月頃~8ヵ月頃が適しています。

費用はどれぐらいかかるの?

手術前の検査内容や手術費用は、動物病院によっても異なります。
また体格の大きさによっても費用は異なり、体格が大きくなるほど費用は高額になる傾向があります。
犬の場合は、避妊手術で1泊の入院の際の費用は30,000円~50,000円程度・去勢手術で日帰りの際の費用は20,000円~30,000円程度になります。
猫の場合は、避妊手術で1泊の際の費用は15,000円~30,000円程度・去勢手術で日帰りの際の費用は10,000円~20,000円程度になります。

手術をするにあたって・・・治療の流れ

犬・猫どちらの場合も、避妊手術・去勢手術は動物病院で行われることが主流です。
動物病院へは手術前後に何度も来院しないといけません。
具体的な流れとしては、まず手術の前に健康状態のチェックを行います。
状況によっては血液検査を行い、その場合は血液検査の結果によっては手術が行えなかったり別の病気の治療を優先することもあります。
血液検査を行わない場合は、健康状態のチェック後に手術の日程を決定します。
血液検査を行った場合は、動物病院によっても異なりますが当日検査の結果が出る時はその日のうちに手術するかどうか・手術の日程などが決まります。
血液検査の結果が後日出る場合は、検査結果が出てこれらの事が決まります。
手術日前日夕方からは、全身麻酔手術に備えて絶食します。
手術当日朝からは絶飲食になりますので、お水も与えられません。
手術は診察時間外で行う動物病院が多く、その場合は人の手術の時のように病院でずっと待つのではなく日帰りの場合も病院で待つことはありません。
手術終了後に動物病院から経過の連絡が入り、お迎えに行く時間帯などが決まります。
退院してからは、傷口をなめないようにエンペラーなどの保護器具や保護ウェアを装着して自宅で安静に過ごします。
術後、傷口の治癒状況を確認するため病院から再度来院する日を指示されます。
また抜糸が必要な場合は、術後約1週間で抜糸を行うため再度来院します。

まとめ

「ペットのことを考えると、手術をした方が良いのか?」
飼い主なら、家族の一員であるペットが健やかに長生きすることを望んでいるでしょう。
手術にデメリットが無ければ、ほとんどの人が手術を行うと思います。
また手術によって問題行動の抑制・病気の防止は、100%ではありません。
メリット・デメリットを考えるとなかなか決断出来ないことですが、まずはかかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか?