無くそう、パピーミル!本当の動物愛護とは?

無くそう、パピーミル!本当の動物愛護とは?

犬の殺処分の多さの背景に「パピーミル」というものがあることを知っているでしょうか?日本語では「子犬工場」という意味を持つパピーミルの恐ろしい現状、そして知らずに買っている飼い主さんも多いかもしれないこと、絶対に知っておくべき現実です。


ペットショップにいる子犬を見てどう思いますか?

数えきれないほど多くあるペットショップの小さなケージに展示されている可愛らしい子犬たち。その子犬たちを見て、あなたはどう感じるでしょうか?もしかしたら「可愛くて一目ぼれ」と購入した人もいるかもしれませんね。しかし、ぜひ一度想像してもらいたいのです。

生後数か月の子犬が売られるということはどういう事でしょうか?恐らくその多くが生まれたばかりにも関わらず、高い値を付けられるためだけに母親から引き離されてきたことでしょう。この時点で「何が問題か分からない」という人はいないと思います。ではもっと具体的にパピーミルの何が悪いのか、本来のブリーダーのあるべき姿とは、そして飼い主が考え起こすべき行動とは?

パピーミル、劣悪環境が犬に与える影響

優良な、そしてまっとうなブリーダーでは無く、ブリーダーとは名ばかりのパピーミル経営者たちは利益を上げることだけを目的に大量に子犬を繁殖します。その結果、犬たちに起こる現実とは。

糞尿にまみれ、一歩も外へ出られない

最悪の環境の場合、小さなパピーミル工場に閉じ込められた犬たちは糞尿が床に散乱し、コケのはえた水、人間の残飯がエサ、そして一度も外へ出ることなく過ごしています。これに関しては聞いた話、調べた話、では無く実際に筆者の愛犬がそういった環境から救出された犬でした。

母犬への影響

健全にそして適切な健康管理もされないまま、妊娠出産を繰り返した母犬の体には非常に大きな負担がかかります。それだけでは無く、生後間もない我が子にミルクを与えることも温めてやることも出来ないまま子犬を引きはがされるのです。その精神状態は想像に難くないものです。

「子犬時代」を過ごせなかった子犬たち

生後45日は、犬の社会性を育む上で非常に重要な期間とされており、動物愛護管理法ではこの期間未満に子犬の引き渡しをすることを禁止しています。この健全な「子犬時代」を過ごせなかった犬には、噛み癖や吠え癖といった多くの問題行動が見られるようになります。

セリにかけられることもある

パピーミル出身の子犬たちは「セリ」に掛けられることも多くあります。これは本当にまるで魚のセリのような場所。インターネット上での取引もありますが、セリ市そのものでは子犬たちは段ボールに要られれて値が付けられていくのです。そして月年齢が若いほど高く売れます。

感染症にかかりやすい

セリ市などの環境でもそうですが、パピーミルそのものでもワクチン接種などが適切に行われていない場合も多くあります。そのため感染症にかかっている子犬も多く出荷されるのです。症状が出るまでに時間がかかる場合もあるので、購入後すぐには気づかないことも。

ペットショップの何が悪いの?

ペットショップのすべてが悪ではありませんが、ペットショップから購入するということは無意識のうちにパピーミルに加担している可能性もあるんです。

パピーミルの利益を上げている可能性

もし今いる愛犬をペットショップから購入したという方がいたらぜひお聞きしたいのですが、購入時にそのペットショップがどういう経路で子犬を仕入れているのかしっかりと確認はされたでしょうか?もちろん、購入者を責めているわけではありません。そういった事実を知らずに購入したという人がほとんどかもしれませんね。

しかし、もしそのペットショップがパピーミルから子犬を仕入れていたとしたら?そう、飼い主さん自身がその劣悪業者を無意識にも応援してしまったことになるのです。

「子犬は売れる」という無限ループ

ペットショップで子犬を購入すれば、「子犬は売れる」という負のループが生まれます。不思議なもので悪質業者とはつぶしてもつぶしても出てくるもの。嫌な言い方ですが「子犬は売れる」うちはこのループは消えないかもしれません。

もし新しい犬を迎える予定であればぜひ里親になってください。子犬から育てたいのであれば優良なブリーダーから直接購入を!

愛犬を通して、動物愛護を知る

犬を飼っている方、「犬が好き」ですか?それとも「愛犬だけが好き」ですか?どちらが良い悪いでは無く(個人的には後者でも全く問題ないことと思っています)、前者の場合にはぜひ「動物愛護」とはどういうことなのか?考えて行動していくことが、今東京都が目指している「殺処分ゼロ」にもつながることではないでしょうか?

「流行の犬種」へ疑問を持とう

20数年前、ゴールデンレトリーバーが非常に人気となったことがあります。チワワやダックスフントが流行したこともありましたね。そういった「流行の犬種」が出るたびにパピーミルでは多くの犬たちが悲惨な状況の中暮らしています。

また「ミックス犬」と呼ばれる犬種は時に人間の「可愛いもの見たさ」のみで生まれてしまうこともあります。たとえばチワックス。チワワとミニチュアダックスの掛け合わせで生まれたチワックスは、両親のいいとこ取りですが、ダックスの胴体をチワワの足が支えるような体型で非常に負担がかかります。また母犬が父犬に比べて極端に小さい場合には母犬へ大きな負担がかかり、本当に命がけの出産で命を落とすことも多いのです。

「一目ぼれ!」「可愛い!」その前に確認しよう

ペットショップで購入する場合に「一目ぼれ」をすることもあるでしょう。しかしその際にあまりにも小さい子犬ならまずは疑問を。そうでない場合にも、ペットショップへ子犬の入手経路の確認をするようにしましょう。

またブリーダーから購入する場合には、必ず犬舎の見学をしましょう!清潔で健康的な環境を整え、購入者からの質問にはっきりと答えられるブリーダーだけを信用してください。

里親になることが一番の方法

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