犬インフルエンザとは?
人のインフルエンザにはA型やB型などの種類が存在しているように、犬インフルエンザは犬に感染しやすい「A-H2N8型」と「A-H3N2型」というウイルスが元で感染します。
この2つのウイルスは元々馬に感染していたインフルエンザウイルスですが、比較的最近ウマから犬へと感染し、変異していったのが正体だと言われています。犬インフルエンザは感染症の中でもまだ歴史が浅く、免疫を持っている犬も非常に少ないことから発症率がとても高いです。
特に日本国内よりも海外で発症が報告されていますが、毎日多くのペットが出入りする環境の中で、いつ国内で犬インフルエンザが発症してもおかしくないと言える状況です。
インフルエンザは飼い主から愛犬に感染することも
人の風邪が犬にうつらないことは有名ですが、インフルエンザの場合は感染するリスクがあります。そのため、飼い主さんがインフルエンザを発症したら、マスクをするなどの感染予防が欠かせません。
さらに、反対に犬インフルエンザは人に感染する可能性もあり、動物から人に感染したものは、ワクチンが登場するまで時間がかかり、世界中に広がりを見せるパンデミックの可能性も。
現時点では犬インフルエンザが人に感染したという例は報告されていませんが、インフルエンザウイルスは突然変異を起こすこともあるため、飼い主さんは十分な注意が必要です。
犬インフルエンザの主な症状
犬にインフルエンザの主な症状は次の通りです。
・発熱
・湿ったような咳
・鼻水
・食欲低下
・だるさ
など、人のインフルエンザと症状はほとんど同じです。ウイルス感染ですが、基本的には自然治癒することも可能です。
ただし、子犬や老犬などの抵抗力が衰えた愛犬の場合は、インフルエンザによって命を落としてしまうことも。インフルエンザの症状が表れたら、早めに動物病院で適切な治療を受けることをおすすめいたします。
犬インフルエンザを予防するには?
■ワクチンを打つ
人のインフルエンザへの予防ワクチンがあるように、犬インフルエンザにも専用の混合ワクチンが存在します。犬インフルエンザに有効なワクチンは「五種混合ワクチン」です。
この混合ワクチンは年単位で打つもののあれば、数年予防効果が続くタイプも。しかし、ッワクチンを打つこと自体、病気がちの犬や老犬にとっては体に負担がかかってしまいます。
そのため、愛犬の状況に合わせて獣医さんと相談し、最終的には飼い主さんの考えによって摂取をするか否かを決めましょう。
■複数の犬がいるエリアに近づかない
やはり犬インフルエンザは他の犬が感染源になることがほとんどですので、流行している時期に他の犬と接触させないのが予防になります。特にドッグランやドッグパーク、ドッグカフェなど、さまざまな犬があちこちから集まる場所は、ウイルス感染のリスクが高いです。
インフルエンザが流行している間は、このような場所に愛犬を連れて行かないようにしましょう。
■体を冷やさない
体が冷えて体温が低下すると、体内の免疫力が低下して犬インフルエンザのウイルスに感染しやすくなります。基本的に犬は人よりも寒さに強く、被毛に覆われているので特に寒さ対策が必要ないと考える飼い主さんもいるでしょう。
しかし、たとえ日が出ている日中でも冬は空気が冷たく、愛犬の体が冷えてしまう可能性があります。そのため、秋冬の間は服を一枚着せるなどして、体が冷えないように心がけましょう。
また、愛犬の留守中は暖房を入れないという家庭もあるかと思いますが、室温が低いとウイルスに感染しやすくなるので、できればペット用のヒーターを使うなどして、愛犬の寝床を温めてあげましょう。寝床が温かくなるよう、クッションや座布団を追加してあげるのもおすすめです。
愛犬が自分で好きな場所に座って体温を調整できるので、寝床を温めすぎてしまう心配もありません。
部屋を適度に温めておくことは、犬インフルエンザだけでなく、風邪などの感染症予防になりますので、体温調節には気を配ってあげたいですね。
■高たんぱく質の食事
どうしても免疫力の低下する冬は、食事から足りない栄養を補って体の健康状態を良くしておくのも大切です。特に良質のたんぱく質は体の筋肉などを作る材料になり、冷えを予防します。
鶏のささみや豆腐といった質の良いたんぱく質を食べさせて、体の内側から犬インフルエンザに負けない環境を作っていきましょう。
まとめ
冬に流行するインフルエンザは犬にも感染します。現在は海外で犬インフルエンザが確認されていますが、いつ日本国内で感染が起きても不思議ではありません。
そのため、愛犬を守るためにも普段からよく様子を観察し、体の状態を見ることですぐに異変に気づけるようにしておくのが重要。症状が出て早めに治療をすれば、そこまで長期間高熱も出ず、つらい症状も早く和らぎますよ。
また、犬インフルエンザに感染しないよう普段から食事の栄養バランスを整える他、他の犬が集まる場所へは連れて行かないと言った予防も大切です。