2017年11月06日

子犬の社会性を身に付けさせよう!社会化期に行いたいトレーニング

生まれてすぐの子犬は母犬の側で過ごし、親子での愛着関係を築いていきます。その後訪れるのが、他の犬たちと関わるために社会性を身に付ける社会化期です。この時期にしっかりと社会性が身に着かないと将来的に人嫌いや外嫌いになることも。そこで今回は、子犬の社会化期に行いたいトレーニングをご紹介します。


子犬の社会化期について

子犬の社会化期は生後1~4カ月(生後3~12週)ごろです。この時期は離乳が済んで、私たち飼い主のもとにやってくる子も多いです。母犬から離れた子犬は、今後色々な犬や人と関わっていくために、社会性を身に付ける必要があります。

これは相手を傷つけることだからやってはいけない、他の犬とはこうやって関わるんだよ、と教えてあげるのは本来母犬の役割。人の赤ちゃんも同じことで、母親や周囲の人とのかかわりの中で、コミュニケーションの方法を学んでいきます。

そのため、この時期の子犬にコミュニケーションの方法を教えないと、将来人見知りや犬見知り、中には外へ行くのが嫌いになってしまう子もいます。そのため、子犬を迎えた飼い主さんはさっそく愛犬に社会性を身に付けさせてあげましょう。

社会化期前半は母犬と兄弟とともに過ごすことが重要

社会化期前半は約7週までのことを指します。それまでは目も開かず、ひたすら眠って母犬の母乳を飲むという生活を送ってきた新生児期が過ぎ、目が徐々に見えてくる段階です。

また、体もしっかりとしてくることで、好奇心が育って行きます。この時期は周囲との関わりに興味を持ち、兄弟同士でじゃれて遊んだり寝床から飛び出して周囲を散策し始めたりします。

食事や睡眠といった基本欲求以外に、初めて興味あるものと遊んだり母犬にじゃれてみたりと活発に活動することで、徐々に他社とのコミュニケーションを学んでいきます。この兄弟とのじゃれあいこそが、後に家族の一人として過ごすための順位性や社会性を学習する勉強。

そのため、最低でも7週までは母犬と兄弟たちとともに過ごすことが重要と考えられており、実際に生後2か月を過ぎるまではペットショップなどの流通自体を制限している国もあります。

社会化期後半は人間社会に適応させる時期

生後8週から12週までを社会化期後期と言い、ここからは自分と同じ犬だけでなく人と共存して人間社会について学んでいくのに適した時期です。兄弟や母犬との関係以外に、人との関わりを作ってあげることで、将来的な人見知りや外嫌いなどの問題行動が起こりにくくなります。

そのため、子犬をもらうなら生後2ヵ月がベストと考えられています。この時期の育て方次第で、将来愛犬がスムーズに人間社会に適応できるかどうかが影響されてしまいます。

社会化期の子犬におすすめのトレーニング法

噛み付く力の調整

まず、社会化期の子犬に覚えさせたいのが、飼い主に噛み付くときの力の調節です。生まれたばかりの子犬は、相手に噛み付いたときにどの程度の強さで噛めば痛みを与えるのか理解できていません。

この時期に、強く噛むと相手を傷つけてしまう、いけないことだということを学習させましょう。本来この力の調節は母犬や兄弟と遊ぶうちに身についていきますが、生後2ヵ月ほどの社会化期後期の子犬を家族に迎えた飼い主は、この噛み付く力の調節を教えてあげる必要があります。

具体的なやり方は、甘噛みをしてきたら後ろから抱きかかえて拘束し、下あごを抑える体制をとること。下あごに指を入れて抑えれば、口を閉じられず噛むことができなくなります。体を抑えたときに、そのまま抵抗せずに大人しくできるようだったら解放します。

その後、「これは噛んでいいおもちゃだよ」と、安全なおもちゃを渡しましょう。また、抑えるときは「ダメ」「いけない」と声掛けも忘れないでください。甘噛みの度に注意することで、そのうち人の手は噛むものではないと学習してきます。

いろいろな人に会わせる

愛犬をできるだけ外の世界に連れ出して、色々な人や犬と交流させるのも大切です。つい子犬のうちはあまり散歩せず、室内だけで過ごさせる飼い主さんも多いですが、飼い主以外の人にも慣れてもらうには色々な人から抱っこしてもらうのが大切です。

この時期に多くの人と関わっておけば、後に人見知りが起こりにくく社交的な性格になっていきますよ。反対に、あまり人と関わらせないと成犬になってからも人見知りが激しく、飼い主がそばを離れるだけでうろたえるなどの分離不安の状態になることも。

友達を作ってあげるためにも、ドッグランやドッグカフェなどに足を運んで愛犬の社会性を育んでいきましょう。

生活音に慣れさせる

愛犬にとって、車のエンジン音やクラクションのような破裂音は刺激が強く、ストレスに感じてしまいやすいです。その結果、散歩中にそばを車が通っただけでも前に進めなくなったり、震えが止まらなくなったりといった症状が出ることも。

反対に、恐怖で吠え続ける子もいるので、まずは外の生活音にしっかりと慣れさせましょう。できるだけ散歩に連れて行くのはもちろん、車などの生活音が入ったCDをかけるのもおすすめです。

普段から耳に慣れていれば、徐々に外の大きな音にも驚かなくなるので、できるだけ外に連れ出して車やバイクの音を聞かせましょう。

まとめ

愛犬の社会性は、ただ単純にごはんや散歩などのお世話だけでは育って行きません。この時期に飼い主さんが色々な環境に触れさせてあげることで、他の人や犬ともコミュニケーションがとれる社交的な性格になっていきます。

この時期に社会化できないと、外の音や人におびえて強いストレスにさらされることになります。その結果、心の病気になってしまう子もいるので、子犬の時期に色々なものを見せてあげてください。